2006 FIFA World Cup:勝手にBest11

■GK
Gianluigi Buffon(Itary#1)
世界最高のGKであることをあらためて証明した。再三の好セーブもさることながら、クロスやスルーパスへの対応もパーフェクトだった。

■DF
Fabio Cannavaro(Itary#5)
速さ、瞬発力、読みがハイレベルで融合し、素晴らしい集中力もあいまって何度となく信じられないようなカバーリングやボール奪取を見せた。クロスに対するポジショニングも良く、身長のハンディをまったく感じさせなかった。

Lilian Thuram(France#15)
衰えない身体能力に予測力でことごとくラストパスをはね返し、相手にフットボールをさせないことを貫いた堅守の中心軸となった。

Miguel(Portugal#13)
アップダウンを繰り返すスタミナとスピード、強さ。猛烈なアップダウンで右サイドを制圧し、攻撃に厚みを加えた。それだけに準決勝での負傷退場はポルトガルにとって痛恨だった。

Fabio Grosso(Itary#3)
機を見たオーバーラップでチャンスに絡み、正確な左足は貴重なゴールをも生み出した。試合終盤になっても上がっていける状況判断のよさがオーストラリア戦を筆頭に目立った。

■MF
Andrea Pirlo(Itary#21)
前後に大きく動きながらよくボールに触り、正確な中長距離のパスを、しかもほとんどノーミスで散らすことでリズムをつくった。正確なプレースキックも大きな武器となった。

Gennaro Gattuso(Itary#8)
走り過ぎて死ぬのではないか、と思わせるような運動量で中盤のディフェンスから最終ラインのカバーまでこなし、攻撃の起点としてすら機能していた。ピルロが働けたのは彼の存在あってこそ。

Javier Mascherano(Argentina#8)
バイタルエリアの危ないスペースをことごとく埋め、しかもファウルをせずにボールを奪える。プレッシャーを受けてもボールを失うことは少なく、つなぎも確実にこなした。

Maxi Rodriguez(Argentina#18)
再三見せた前線への飛び出しやメキシコ戦のスーパーゴールが印象的だが、それ以上に攻守にわたって献身的に走り回り、周囲の選手の仕事量を軽減したことが重要だった。

Franck Ribery(France#22)
チームに馴染むにつれ、動けないジダンのためにマルダとともにハードワークをこなし、縦のみならず斜めへの飛び出しも駆使してカウンター時の脅威となり続けた。

■FW
Miroslav Klose(Germany#11)
普段クラブでしているようなプレーを発揮し、周囲を使いながら自らも得点を量産した。十八番の圧倒的なヘディングよりも、ポジショニングや動き出しの良さが光った。

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2006 FIFA World Cup Final:Italy 1-1(PSO 5-3) France

 後半、確かにフランスはボールを支配していた。しかし、攻めることはできていなかった。攻撃らしきもののほとんどはアンリの単騎突破で、サイドを破っても中央には誰もいないか1枚。これでイタリアの集中した守備を破ろうとは、虫が良すぎた。事実、唯一といっていい決定機はジダンの飛び出し。もっとこういった動きをしていれば栄冠は彼らの手に渡っていたかもしれない。リスクを極端に減らしたプレーでここまで来たが、最後にリスクを恐れ過ぎたことによって勝機を逃した、と言えはしまいか。
 イタリアは引いた相手を崩す術を得られないまま後半早々に足が止まり、猛威を振るってきた交代策も周囲が動けないのでは効果が薄い。モノをいったのは伝統のディフェンスだった。非常識とさえいえる運動量でバイタルエリアを制圧したガットゥーゾ、再三にわたって驚異的なカバーリングを見せたカンナヴァロ。他の選手も一時たりとも集中を切らすことなくコンパクトなライン、正しいポジショニングを保ち、特にボックス内では完璧なプレーを見せた。
 オーストラリア戦、ドイツ戦、この試合。確かに大会を通して従来にはなかった攻撃性も目に付いたが、真の勝者はこの3試合で見せ付けた、身に染み付いた「守備の文化」だと言っていいだろう。

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2006 FIFA World Cup 3rd place match:Germany 3-1 Portugal

 双方とも中盤での守備の意識が低く、ゴール前を行ったり来たりする、3位決定戦らしいというか、いわば「花試合」のような内容。ともにベストメンバーでもなかったし、全般的に緊迫感に欠けていた。シュバインシュタイガーの2ゴールなどその典型で、他の試合ならあそこまで簡単に切り込ませていないだろうし、打たせてもいないはずだ。
 ポルトガルは、準決勝に続いてトップが機能しないとチャンスがつくれない、という欠陥をこの試合でも露呈したにすぎない。散発的にデコやマニシェがミドルをぶっ放し、クリスティアーノ・ロナウドが突破を仕掛ける以外に見どころはなかった。優秀なCFを見出せない限り、この傾向は続くだろう。ドイツもクローゼにボールを集めるわけでもなく、漫然とボールを回しているだけだった。

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2006 FIFA World Cup Semi-final:France 1-0 Portugal

 ポルトガルはCFにフランスの強靭なDFを背負ってクサビを受け切る力がなく、中央にスペースができないのでデコもマニシェも上がってこれず、いつものような流動的な攻撃ができない。必然的にボールはサイドにばかり流れるが、フィーゴやクリスティアーノ・ロナウドがいくら健闘してもやはり真ん中が弱いのでチャンスにならない。先制されてからは、焦りからかポジションチェンジも出ず、得意のドリブルもパスワークもなく最も確率の低いロングボールを繰り返すばかり。交代といっても先発と同じタイプで、かつ力の落ちるシモン、ポスチガでは局面を打開することはできなかった。パウレタに前線を託さざるを得ない状況では、ここが限界だったのか。
 フランスの戦い方は首尾一貫している。一騎当千の強者が揃う守備ブロックが守備に専念すれば、どこでも得点することは難しい。この試合でも前半、相手の両ウィングの個の力で崩される場面はあったが、センターでマークが外れることもなく、まったく危なげなかった。結果が出続けていることによって「失点しなければジダン、アンリで何とかしてくれる」「1点あれば勝てる」という意識が浸透し、さらに集中を高めることにつながっているのだろう。
 もし、決勝でリスクを冒さざるを得ない状況になったときにベンチ、選手がどう対応するか。その意味ではイタリアが先制した方が試合は面白くなるかもしれない。

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2006 FIFA World Cup Semi-final:Italy 2-0 Germany

 中2日にもかかわらず双方とも前半から中盤でプレッシャーを掛け合い、互いのゴール前を往復する展開だったため後半早々に足が止まる。そうなると前線が1人のイタリアより、2人いるドイツの方がサポートを必要としないコンビネーションで崩せるチャンスは多くなる。実際、クローゼとポドルスキは距離感、位置関係とも抜群で、2人だけでもチャンスをつくれるし、2人にDFが集中して空いたスペースにサイドの選手がフリーで走り込んでできたチャンスも相当あった。ポゼッションはイタリアだったかもしれないが、決定機自体はドイツの方が多かったはずだ。それだけにシュートの精度を欠いたことが響いた。
 イタリアは特に前半、ピルロがフリーでボールを持つ機会が多かったが、トニやトッティがハードマークに遭っていたため縦に入れられず、裏を狙うパスばかりで攻めにメリハリを欠いた。後半はカウンターに出る体力すら残っていなかったようで、失点を防ぐのが精一杯。流れを変えたのは交代で、延長で入ったイアキンタやデル・ピエロが高い位置を保ってボールを引き出し、ジラルディーノも含めたコンビネーションでチャンスをつくり出す。2点目もこの形だったし、彼我の状態を計算し尽くした完璧な交代策だった。姿を消していたクローゼを引っ張り過ぎたドイツとのベンチワークの差が明暗を分けた、といっていいのかもしれない。

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2006 FIFA World Cup Quater-finals#2

Portugal 0-0(PSO 3-1) England
 双方とも集中力が高く、攻める気はあっても攻め込めない、にらみ合いのような展開がしばらく続いた。それがルーニーの退場でどう変わるか、というところだったが、流れが良くなったのはすることが明確になったイングランドだった。クラウチに当ててからの中盤のサポートが速く、ハーグリーヴスやレノンの健闘もあって数的不利をまったく感じさせない、むしろ押し気味の展開だっただけに何度もあった決定機を逃し続けたのが響いた。
 ポルトガルはいくら優秀なサイドアタッカーがいてもパウレタやポスチガの存在感が希薄で、デコも不在とあって中央からの攻めに迫力を欠き、シュートこそ多かったものの多くは確率の高くないミドル。これでは得点するのは難しい。

France 1-0 Brasil
 アンリのスピードが怖かったのか、ブラジルは開始から8人で守るばかりで、攻撃といえば、ロナウジーニョとロナウドに「何とかしてくれ」と言わんばかりに蹴るだけの消極的なプレーに終始する。確かにフランスのカウンターを殺すことには成功したが、自分たちが本来すべきフットボールまで殺してしまった。失点してからのプレーを見れば、できなかったのではなく、意図的にやらなかったのだろう。パレイラは致命的で、かつ信じ難いミスを犯した。相手が嫌がるのは何か。ブラジルが攻めることを放棄して、何を表現できると思ったのだろう。走るたびに地響きが聞こえてきそうな選手を最後まで引っ張ったことも含め、不可解極まりない。
 フランスは大いに助かったに違いない。苦戦を強いられるはずの中盤を我が物にでき、最終ラインへの負担もほとんどないに等しい状態が試合の半分以上続いたのだから。このことは得点後の時間を守り通すための大きなエネルギーになったはずだ。ただ、攻撃は相変わらずのワンパターンで、ジダンとアンリとリベリのカウンターしかない。このセットで点が取れているからいいものの、取れなければおしまいだろう。こんな綱渡りのような状態が、そう長続きするとも思えないのだが…。

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2006 FIFA World Cup Quater-finals#1

Germany 1-1(PSO 4-2) Argentina
 緊迫感が全く途切れることがなく、最後まで誰一人ハードワークを怠らない高レベルの内容だった。それだけに残念だったのはアルゼンチンが下がり過ぎてしまったこと。自分たちが先制した直後、相手が出てきた時間帯にセンターハーフが2枚とも最終ラインに吸収されてしまってはバイタルエリアを蹂躙されるのも当然だし、基本的にゴリ押しの中央突破しか選択肢がなかったドイツにサイドも使う余裕を与えることにもつながった。まさか、前半から飛ばし過ぎて足が止まったわけではないだろうが…。
 交代策も相手に火がついてしまってからのもので、完全に後手を踏んでしまった。クリンスマンはそれを見ながら、前への推進力のある選手を「燃料」とすべく投入して完全に流れを我が物とした。ベンチワークの差も明暗を分けた、といっていいだろう。

Italy 3-0 Ukraine
 ウクライナにしてみれば、開始早々に中盤の後ろのスペースのケアが甘く、簡単にザンブロッタに先制されたのがすべてだったかもしれない。その後、前半はイタリアの前線からのプレスになす術もなく、掌の上で走り回らされるだけ。後半に入って攻めに人数をかけ出したことによって相手にマークのずれが生じて何度か決定機を得たが、外した直後のセットプレーで失点するなど最後まで流れをつかみきれなかった。
 イタリアは守備ベースではあるが、ボールを持った時にいいタイミングで後ろから次々と人が飛び出してきて、そこに少ないタッチ数でパスがつながる攻撃は威力十分。ハイスピードで人もボールも動くため、この試合ではわずかなずれが生じたことで成就しないことも多かったが、攻め切ることがディフェンスにもつながる、という意識は十分にみられた。お家芸の守備でも走れなくなったら無理にプレスに行かず、パスコースを切りながらリトリートしてスペースを消すあたりは見事だった。

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2006 FIFA World Cup Round of 16#4

Brasil 3-0 Ghana
 強い、といえば強いのだろう。これだけ運動量が少なく、ボールは一方的に支配されているのにこのスコアで勝ってしまうのだから。普段のような分厚い攻めは影を潜め、チャンスはカウンターばかり。そこで見せた精度の高さ、動きの的確さ、決定力こそが王国の王国たる所以なのだろうが、それ以外は音沙汰なしで、守備でもラインが下がりっ放しでガーナの優柔不断さに助けられただけ。そろそろ目を覚まさないと連覇は覚束ないものとなろう。
 ガーナは終盤こそ裏への飛び出しを多用してチャンスを量産したが、それまでは最終ラインの前まではボールが回ってもフィニッシュへの動きがかみ合わなかったり、判断が遅かったりでポゼッションで圧倒している割に決定機はほとんどつくれなかった。また、ボールにプレッシャーがかかっていないのに安易にラインを上げてロナウドのゴールを「アシスト」するなど、何度かあったチームとしての連動性を欠いた場面が致命的だった。全般的にはよく走っていたし、プレッシャーも厳しかっただけに惜しまれる。

France 3-1 Spain
 スペインは、点を取れなかったことに尽きる。本来なら2トップの近くでクサビを受けるべきラウルが下がり過ぎでまったく絡めず、他の選手もサポートに行かずにFWが孤立する。ゲームメーカー・タイプばかりを並べた中盤も、前への意識が乏しく引いた相手を前に無為に横パスを回すばかりで、チャレンジは見られずじまい。交代で入ったルイス・ガルシアが動き回ってスペースを生み出した時間帯はチャンスだったが、そこを積極的に突こうとした選手はいなかった。守備では厳しいプレス、タイミングのいいオフサイドトラップが機能し、大きな破綻はなかっただけに、スペインらしからぬ攻撃での消極性がもったいなかった。
 フランスは「カテナチオ」という言葉をを思い出させるような、がっちり引いて前線のタレントに託す戦い方。強力なDFを揃えていることを考えれば現実的なのかもしれないが、かつての華麗なフットボールは見る影もなかった。次のブラジルの個人技の破壊力は今日の相手の比ではない。同じ方法が果たして通用するのか。

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2006 FIFA World Cup Round of 16#3

Italy 1-0 Australia
 マテラッツィを失ってからのイタリアは、攻撃を考えれば外せないはずのトニまで代えて、自陣深くに引きこもって守備に専念する。ボール支配だけはさせるが、バイタルエリアやボックス内では数的優位を保ち、確実なマークで何もさせなかった。当然、攻撃の方はロングボールが前線に通ればサポートに行くぐらいで全くのノーリスクを貫き、最後のワンチャンスに賭けた。その精神力は賞賛に値するものだ。
 オーストラリアは、このレベルで勝ち抜くには力不足。結局はヴィドゥカへの放り込みに終始し、攻めさせられている状態を続けただけだった。少なくとも、ヒディンクの言うような「楽しいフットボールがリアリズムの前に屈した」ような内容ではない。どこでも守りに入ったイタリアを崩すのは難しいことだが、それでも強引な突破を図る、後ろから飛び出す、などやり方はあったはずだ。それができなかったのはここが限界だった、ということだろう。

Ukraine 0-0(PSO 3-0) Switzerland
 ともに中盤から後ろの守備が堅く、それが集中を途切らせることも運動量がそう落ちることもなく終了間際まで続いたため、チャンスらしいチャンスはほとんどなかった。ただ、残念だったのは互いに最後までまったくと言っていいほどリスクを冒そうとしなかったこと。最初から縦へのチャレンジもオーバーラップも数えるほどで、横パスやロングボールばかり。これでは崩すのは難しい。終盤になると疲れの影響が攻撃にばかり出てパスミスのオンパレードとなり、さらに得点の予感は遠のいた。
 守備であれだけ足が動いていたのだから、グループリーグの疲れが攻めなかった原因ではないだろう。ともに攻撃陣にタレントがいないわけでもなく、勝つことより負けないことを選択したかのような戦い方には疑問が残った。

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2006 FIFA World Cup Round of 16#2

England 1-0 Ecuador
 片やルーニーへの放り込み、片やサイド一辺倒の単調な攻撃を繰り返した低調な内容だったが、得点を予感させたのはルーニーの周辺のスペースをランパードやジェラードが突き続けたイングランドのみ。エクアドルはポゼッションしながら急激なスピードアップを図る、という得意の形に持ち込む前にスペースを消されてしまい、打つ手がなかった。

Portugal 1-0 Holland
 攻撃に移った局面で、最後まで後列やサイドの選手が積極的にスペースに飛び出すことによって数的優位をつくることができていたポルトガルに対し、オランダはどんな交代策を施しても、結局はロッベンやファン・ペルシの突破力に頼るのみ。そこを止められるとボールが後ろに戻るばかりで何のスペクタクルも発揮できなかった。背負うプレーが得手とはいい難いカイトをCFに起用したことも、全くボールが収まらず裏目に出た。
 それにしても、無駄なファウルが多かった。レフェリーが滅茶苦茶であったのも事実だが、守備で簡単に手を出す、後方から削りに行く、などイエローを頂戴しても文句を言えないようなものも相当数あったし、1枚もらっている選手、しかもコスティーニャやデコのような経験のある選手までそれをやってしまうのだから、救いようがない。フェアプレー精神に反するプレーや暴力行為もあり、レフェリングで冷静さを欠いたにしても酷過ぎる。
 ポルトガルは準々決勝で、上の2人に加え、ひょっとすると審判の見ていないところで暴力行為を働いたフィーゴも失った状態で戦うことになる。スコラリがどうカバーするか興味深いことは興味深いが、このようなフットボールを破壊するかのごときプレーをしたチームには、罰が与えられるべきかもしれない。

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