2007シーズン総括(FW編)

FW#9 石井謙伍
 途中出場が多かったこともあってか積極性が増し、仕掛け続け、狙い続けた。常に相手に恐怖感を与えるようなプレーができており、その結果として難易度が高い上にゲームにおけるインパクトも特大、というゴールを連発した。昨季まで感じられた頼りなさ、ひ弱さは微塵もなくなり、ドリブルの切れ、シュートの精度、ゴール前での落ち着きも大幅に向上している。ポストプレーも悪くないし、こういったプレーを長い時間続けられるようになれば、自然と周囲が「石井を先発で使うべき」と言うようになるはずだ。

FW#10 ダヴィ
 プレスの先兵として前線を走り回り、相手にプレッシャーをかけ続けた。その上、相手のレベルは別にしても馬力を生かした突破や競り合いの強さで相手を混乱させ、17点も取ったのだから、貢献度としては十分過ぎるほど。だが、アラも随分目立った。まず、カードをもらい過ぎた。しかも、「大根役者」と言うと大根に失礼なレベルのダイブや無駄なラフプレーばかり。そろそろ日本のレフェリーの性質を学習してもらわないと困る。また、視野が狭過ぎる。周りにフリーの味方がいて、前にDFが3人も4人もいるのに突破を図るのはいい加減やめにしてもらいたい。もっとも、裏返せば、それだけ伸びしろがある、ということでもある。持ち前のパワーやスピードを無駄なく生かせるようになれば、間違いなく有能なFWになれる。それを自覚してプレーしてほしい。

FW#13 中山元気
 守備での追い込み方、ボールへの執念は鬼気迫るほどのもので、失点の減少には大いに貢献した。ただ、その執念を攻撃のときに発揮する機会があまりに少なかった。頑張っているのは分かるが、ポストが向上したといっても体を張っているだけで十分な質はまだ伴っていないし、ボールがきた時の選択肢が乏し過ぎる。せめて反転して突破を図る、という選択肢があればあそこまで簡単にボールを失い続けることはなかっただろう。また、ゴール前に入ってくる回数自体が少ないし、いいボールがきても慌てるばかりでゴールを脅かすようなプレーができない。FWの仕事は点を取らせないことではなく、あくまで取ることだ。急激な技術の向上を望むことは難しいかもしれないが、せめて点を取れそうなところで仕事をする機会をもう少し増やすべきだ。

※出場機会のなかった選手、あっても特記すべき内容のなかった選手は割愛した。

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2007シーズン総括(MF編)

MF#8 砂川誠
 開幕戦後にひいた風邪で1試合休んだことによってポジションを失ったが、腐ることなく途中出場でもたまの先発でもレギュラー以上に走り、ボールに絡んでハイパフォーマンスを見せた。彼のような立場の選手がそういった態度を貫いたことは、チームがまとまっていく上で非常に大きなことであり、プレー以上に評価すべきかもしれない。もちろん、来季はポジションを奪い返すつもりでギラギラしているだろうし、そうでなくては困るが。

MF#16 大塚真司
 開幕直後こそ時間稼ぎ要員としての投入が多かったが、ポジションをつかんでからは芳賀とともに拾って潰して、守備面での貢献は大きかった。攻撃では当初こそ前線への走り込みが見られたが、途中からはなくなり、展開力の部分でも判断が遅かったり後ろに戻すことが多かったりで不満を残した。チーム状態に左右される部分はあろうが、できないわけではないのだからトライすることは忘れないでほしい。

MF#17 カウエ
 対人の守備の軽さや運動量に難があり、攻撃でも展開やミドルシュートに光るものこそ見せたが、不安を覆すほどのインパクトは残せずにユーティリティーに「降格」となった。その後はSBやSHでの起用がメインとなったが、そこでもタスクと持ち味が噛み合っていない感じで、最後はベンチからも外れた。ボールタッチやキックにセンスは感じさせたが、全てにおいて何かが足りない。育成する時間があれば、そこそこの攻撃的センターハーフにはなっただろうが、残念ながら札幌にそんな余裕はなかった。

MF#18 芳賀博信
 カバーからボール奪取まで中盤の守備的選手に求められるタスクはほとんど(しかも波もなく)こなし、しかも欠場は1試合。戦術の要であり、キャプテンとしてチームを引っ張ったことも含め、貢献度はとてつもない。ただ、攻撃への関与はほぼ皆無。近くの味方に渡したらそれっきりのことが多く、パスもドリブルもできるはずなのに、まるで忘れてしまったようだった。4-4-2のセンターハーフがこれでは攻めに厚みも出てこないし、ビルドアップが難しくなるのも当然。視野を前にも広げて、周囲へのサポートのタイミングや角度を考えてプレーできるようになれば、チームのクオリティも上がるはずだ。

MF#23 岡本賢明
 仕掛ける姿勢、視野の広さがら生まれる意外性のあるプレーで終盤戦の救世主となった。技術的には十分なものをすでに備えており、シュートへの意識も高い。また、忠実なパス&ゴーも(他の選手に全くその意識がないせいもあって)目を引いた。守備では動き方は悪くないが、簡単に飛び込むことが多く、あまり有効ではなかった。この辺が改善され、スタミナがついてくればレギュラーも狙える。

MF#25 藤田征也
 巡ってきたチャンスでゴールを挙げ、つかんだポジションを離さなかった。運動量がさらに増え、相手サイドアタッカーのケアを最終ラインでこなしながら、突破してクロス、逆サイドからのクロスへの飛び込み、など相当な量の仕事をこなした上に結果も残したのだから、文句のつけようがない。課題は波があったクロスの改善など、それぞれのプレーの質を上げていくことだ。

MF#27 西大伍
 フィジカルが強化されたことで、もともと持っていた過剰なほどの技術を発揮できるようになり、最後の最後で重要な役目を果たした。意外に走れるし、技におぼれることもない(むしろ、もっとできるはずだ)。スクランブルとはいえセンターハーフまでこなし、可能性の広さも見せた。来季は先発に近い位置でプレーできるだろう。

MF#29 西谷正也
 サポートが少なかったりFWが頼りなかったりした中で、攻撃の起点として突破、ラストパスと質の高いプレーを続けてアシストとゴールを量産したが、疲労と怪我で第4クールに入ったあたりから急激にパフォーマンスが落ち、ついには出られなくなってしまった。やはりフィジカルの問題とこの選手を切り離すことはできないようだ。間違いなく殊勲者の一人ではあるが、守備への貢献が少ないこともあり、来季は今季の砂川のような役割を担うことになるかもしれない。

MF#33 チョン・ヨンデ
 落ち着いたプレーと闘争心を前面に出す姿勢で、終盤戦の大きな牽引力となった。技術的に何かがあるわけではないが、流れが悪いとき、行き詰まったときに積極的に前に出てきてミドルシュートを打ったり、ボールの動かし方を変えてみたりと、このポジションの選手が何をすべきかをよく知っている。若い選手にとってもいい手本になるだろう。守備面での貢献も、求められるレベルに十分達していた。

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2007シーズン総括(GK・DF編)

GK#28 高木貴弘
 過去数年のレギュラーたちとは違い、味方の戦意を喪失させるようなミスがほとんどなく、抜群の安定感を誇った。前方への飛び出しにこそやや難があったものの、それ以外は至近距離の反応、ハイボール、キックと全て水準以上で、チーム全体に安心感をもたらした。

DF#3 西澤淳二
 サイドバックとしての仕事のうち、守備しかしていないが、それがチームオーダーである以上仕方がない。上がったところで有効なプレーができるタイプでもないし、これから向上を求めるのも酷というものだ。守備でもサイドとしてはスピードが足りず、藤田のカバーに頼る場面が多かったが、CBに入ったときはまずまずのプレーを見せた。

DF#4 曽田雄志
 4バックでプレーエリアが狭くなったことに加えてブルーノの助けもあり、ついに無責任なプレーや集中を欠いたミスがほとんど姿を消した。セットプレーのターゲットとしても存在感を発揮したが、GKとのコミュニケーション難は相変わらず。どのGKとも合わないのだから、彼に原因があるとしか考えられない。何でもないクリアを相手にプレゼントする悪癖も直っておらず、状況判断力を磨いて冷静さを保つ必要はなくなっていない。ロングフィードも安定させなくてはならない。頼もしい相棒がいなくなる来季は正念場となろう。

DF#5 池内友彦
 久々にサイドバックとしてプレーしたが、チームオーダーからしても高校時代のようにできるはずもない。攻撃を仕掛けたいときに出てきてもロングボールを選択することが多く、物足りないことが多かった。それでも時間稼ぎに使われれば必要なプレーを見せたし、緊急時でもしっかり準備してゲームに入っていた。バックアップとしての役割は十分に果たした。

DF#6 西嶋弘之
 左SBとして西谷の後ろを支え、相手ゴールキック時にはターゲットと競る役目もこなしてほとんど勝ち。チームが熟成するにつれ質、量ともに有効なオーバーラップを繰り出すようにもなり、クロスの精度も悪くなかった。CBとしても質の高いプレーを見せるなど全てにおいて年々レベルが上がっており、最終ラインに欠かせない選手になってきている。ボールを持った時に、縦だけではなくもっと逆サイドを意識できればより攻撃面での幅が広がるだろう。

DF#15 ブルーノ・クアドロス
 素晴らしいカバーリングは苦しい時に何度もチームを救い、正確なフィードで攻撃の起点としても働いた。経験に裏打ちされたプレーぶりが、曽田ら周囲の経験が浅い選手たちに与えた影響は計り知れない。昨季は故障で長期欠場していたことを考えれば、終盤にパフォーマンスが落ちたことは責められまい。得点した選手にいの一番に駆け寄って祝福するなど、チームリーダーとしても大きな存在だった。

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2007シーズン総括(三浦俊也監督編)

 そう容易とは思えない戦術を、そう覚えがいいとは思えない選手たちに瞬く間に浸透させ、しかも厚いとはいえない戦力の中で相手によってメンバーや戦い方にさまざまな調整を加えながら、これだけの成績を残したのだ。当然、最高級の評価をすべきだ。さらに、全員に同じ方向を向かせて、それを48試合続けたマネージメント力も特筆に価する。
 選手起用に関しても、出てくる選手にはそれだけの理由があり、出られない理由はサテライトなどを見ても明確だった。これなら誰もが理解することができただろう。また、レギュラーでも不思議ではない砂川や石井が腐らずに役割を全うした辺りは、精神面のケアも十全だったことがうかがえる。
 レギュラーや外国人選手を偏重しているようにも見えたが、それはその時点で他に人がいなかったためであり、終盤に西谷、藤田が故障したときに抜擢した岡本、西が活躍したことを見ても、きちんと戦力の状況を把握していたことは間違いない。交代策も大半が理に適ったもので、そのひとつひとつに「ギアを上げる」「取りに行く」などのメッセージが込められていた。意図が明確なら選手が動きやすいのは理の当然で、それによって流れをつかんだり、勝ち点を拾った試合は数多かった。
 問題があったとすれば、9月あたりのチームが負のスパイラルに入ってしまった時期に(外形的には)何もできなかったこと。先発組への信頼、戦力不足等の理由はあったのだろうが、あそこまで壊れてしまった状態なら何らかの刺激を与える必要はあったはずで、そこで動かなかったことは、今後より多く訪れる可能性がある同様の時期への不安を抱かせた。
 それでも、このチームが久々に(初めてかもしれない)迎えたピッチの内でも外でも仕事ができる監督であることに疑いの余地はない。札幌のような財力がないクラブにとって、高いステージにおけるその手腕はさらに重要なものになる。さらにソリッドで、タフなチームをつくり上げてくれることを期待したい。

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2007シーズン総括(チーム編)

 今季の彼らは、「チーム」だった。全員が同じ方向を向き、一人が皆のために戦い、皆が一人のために戦う-。この岡田武史氏言うところの「戦術よりも何よりも、まず必要なもの」がしっかり根付き、結果が出ることによってそれがさらに強固になったことが、負傷者や出場停止が出ても大崩れすることなく戦い抜けたことの精神的なベースになった。
 戦術が明確になったことも成功の大きな要因だ。前線から始まる連動した守備が徹底され、相手のビルドアップを人を均等に配置してスペースを消すことで無力化するさまは見事としか言いようのないもので、蹴るしかなくなったボールは最終ラインが難なくはね返した。さらにフッキ、パウリーニョといったこのレベルで傑出した選手に対しては常に数的優位をつくることで対応し、数多くの仕事は許さなかった。個人能力頼みのチームがJ2でも増えてきた中、相手の「武器」を沈黙させるゲームが多ければ、いい結果が出たのも必然であろう。
 また、慎重に入ってある時間帯からペースアップするなど、ゲームの流れを踏まえてのギアチェンジが多く見られたのも特徴的だった。一本調子でジリ貧になる傾向の強い日本のチームでは珍しいことで、対応できない相手も数多くあった。ベンチの指示ではなく、選手たちが判断してこれをできるようになれば、チームとしてよりステップアップできるだろう。
 一方、攻撃では戦略性や意図はほとんど感じられなかった。どうしても守備で「待つ」ことが多くなり、攻めの距離が長くなる。さらにリスクを避ける気持ちが強いため、前に蹴るだけになる場面が大半だった。その精度も低かったし、守備陣形の都合上攻撃的な選手をサイドに配置しており、センターハーフは守備意識が強い(強過ぎる)ため、どうしてもサポートが遅れる。結果、トップの能力、技術的に確率が高いとはいえない独力突破に頼ることになり、多少は突破が期待できるサイドに出ても、そこ自体が薄い上に肝心の真ん中の枚数が足りない。全体に消極性が際立ち、オン・ザ・ボールでの可能性を感じさせる崩しは極端に少なかった。カウンターと言えば聞こえはいいが、そう称することもはばかられるような場面ばかりで、J2レベルだから通用した部分も多かった。
 それ故のセットプレー重視でもあったのだろうが、来季からはセットプレーを取ること自体ままならなくなることも考えられる。ラインを高く保ってショートカウンターを狙う時間帯を増やす、積極的に追い越す、前線以外の守から攻への切り替えを早くする、など、ここ数年の蓄積も生かしながら攻めのヴァリエーションを増やして相手を崩すことも考えていかなくてはならない。リスクを忌み嫌うばかりでは何も始まらない。リスクを冒す中でマネジメントをできるようなチームづくりが必要になるだろう。
 新シーズンに向けては、センターラインの補強が求められるし、戦術の微調整もあるかもしれない。それでもベースになる戦術、選手は変わらないはずだ。今季は最高の結果を残したとはいえ、課題も数多く生まれた。その克服なくして躍進はあり得ない。チームにかかわる者すべてが、開幕までの時間を無駄にすることがないように願いたい。

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2007J2#52 札幌2-1水戸@札幌ドーム

 立ち上がりから全般に動きが硬く、セカンドボールは拾えない、攻めもロングボール一辺倒で、しかも早々に先制される。昨年までのチームがこの状況に置かれたなら、意味もなく慌てふためいて、前がかりになって失点を重ねていただろう。
 この日は違った。良きにつけ悪しきにつけペースを変えることなく、頃合いを見てチョン・ヨンデあたりが最終ラインからボールを引き出してリズムを変えるような働きをするようになり、流れが傾きだした矢先に同点。特にゲームを動かす必要もなくなった後半はリスクを冒さないことが第一の目的になり、その中でワンチャンスを生かした。クオリティが高いとは言い難いが、変なミスが出ることもなく狙い通りゲームをコントロールできていた。若いチームが経験のある選手の力も借りながら成長してきた、今季を象徴するようなゲームだった。
 終盤戦での、結果のみを求められるところで結果を出す、という体験は、選手たちにとって大きな財産になったはずだ。それをぶつける場はひとつ上のカテゴリー。このままでいい、と思っている者は誰もいないだろう。この1シーズンで築いてきたものを食いつぶさないためには、全てにおいてレベルアップを果たしていかなければならない。

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2007J2#50 札幌2-2京都@札幌ドーム

 前半は、褒められた内容ではなかった。蹴り合いになればトップの差が出る。実際に札幌はアンドレ、田原にラインを下げられ、セカンドボールへの対応でも後手を踏み続けたため、常に最終ラインの前に京都の選手が複数いる状態をつくられ、修正しきれないうちに完全に崩されて失点。前に出る速さがなければまともな攻めもできるはずはなく、キッカーの選択に疑問があった(不必要に力む傾向があり、落ち着きという言葉とは無縁のダヴィでは…)PKも案の定外す。京都云々ではなく、自分たちで流れを手放すような形だった。
 後半に入ると、京都に「守ろう」という気持ちが芽生えたのかアグレッシヴさが消え、スペースが増える。そうなると岡本、西、石井といった仕掛けられる選手が存分に持ち味を発揮できるようになる。点が入るまでに30分近くかかったが、圧倒し続け、嵩にかかって攻め続けた中では遅過ぎるぐらい。相手も修正しようがないぐらいの勢いがあった。また、同点ゴールの際の岡本の冷静さは特筆すべきもので、西や石井にも言えることだが、若い選手の方が落ち着いてプレーできていた。裏返せば経験を積んだ選手の方が重圧を感じ過ぎたのか、全般に動きが重かった。
 特に逆転してからはラインが下がり過ぎ、ロングボールしかないのは分かっているのに、それに競り負ける。それでもカバーはできていたし、慌てなければ問題はなかったはずだ。一番経験があるはずのブルーノが哀れなほど慌てふためいて、不必要なファウルを犯したのは皮肉だとしか言いようがない。
 また、カウンターのチャンスをダヴィが独善的なプレーでつぶす場面もあった。90分を通して周りが見えていなかったし、消えている時間も長かった。また、たまに持てば意味もなく突破を図るなど、さして高いとは言えない自分の技術を過信しすぎだ。ここ数試合の出来なら外国人枠を使う必要はないぐらいだ。
 決め切れなかったのは残念だが、昇格へ必要なのは勝ち点1。今季は休み明けにいい結果を残せていないが、その教訓を踏まえて、2週間後に向け心身ともに万全の準備をしてほしい。

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2007J2#49 鳥栖1-0札幌@鳥栖スタジアム

 パスを2本以上つなぐ気のないチームが、どうやって勝つつもりだったのだろう。出鱈目なロングボールの繰り返し以外にも、50試合近く一緒にプレーしているとは思えないほどのコンビネーションの酷さ(存在しなかった、といってもいい)、スローインを味方に渡すこともできない、終盤のパワープレーではターゲットに届くボールすらまともに蹴れない、とあっては無残というほかない。鳥栖の運動量が最後まで落ちなかったのは、圧力を加えられなかったこちらに原因があるとしか思えない。
 確かに鳥栖の出来は良かったが、前半は攻から守への切り替えが遅く、ボールを奪えばスペースはあった。そこでオリジナルポジションに突っ立ったままで前に蹴るだけ、とあっては、仮にベンチから「後半勝負」との指示があったにしても、何も考えていなかった、臆病過ぎた、と言われても反論の余地はあるまい。実際、後半に入って鳥栖がそこを修正してくると、まったくなす術もなくなってしまった。その上、先発したFWは守備に情熱を傾ける余りか、攻めの局面では頑張ろうともせずに自分より小さい相手DFに情けなくつぶされ、簡単にボールを失う。相手の2トップと比べれば、月とスッポンぐらい違った。この差が内容と結果にストレートに現れた、といっても過言ではあるまい。
 守備も立ち上がりは2トップへのロングボールに対応できない、セカンドボールへの反応は遅い、集中を欠いた動きで簡単に間を割られる、など散々で、そこに前で収められない(まともなボールが供給されていなかったのもあるが)攻撃陣がカウンターの起点として追い討ちをかける。そして落ち着いたと思ったら下らないミスから失点。それ以外にもセカンドボールの奪い合いや球際の争いでことごとく後手に回り、好機の山を築かれる。1点で済んだのは、高木に救われただけだ。
 簡単に「気持ちを切り替える」などと言って済まされるような内容ではなかった。技術が低いのはどうしようもないにしても、それ以外にも修正点は山積みだ。また、次の京都は、鳥栖以上の気持ちでゲームに臨んでくるはずだ。このゲームのように闘争心の感じられない選手が多くいるようなら、昇格すら覚束なくなる。この1週間、必死に練習して、決死の覚悟でプレーしなくてはならない。

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2007J2#48  愛媛0-1札幌@愛媛県総合運動公園陸上競技場

 妥当な結果、と言っていいだろう。90分を通して守備は機能しており、愛媛に狙ったプレーをほとんど許さなかった。また、常に前で奪おうとする、アグレッシヴな姿勢も目を引いた。
 攻撃でも前半こそ意図の感じられない放り込みに終始したが、後半立ち上がりからは厚いサポートでセカンドボールをほとんど支配し、相手にプレーする暇すら与えない時間がしばらく続いた。決定機もつくりだせており、この時間帯に取れていればゲームを決定づけることができていたはずだ。
 もちろん、そうではなかったから苦しい思いをすることになったのだが、チームの勢いを考えれば、こんな取り方も悪くはない。間違いなく弾みはつくはずだ。
 望み得る最高の形で連戦を終えたが、これで決まったわけではない。緊張感を切らすことなく、十分な休養を取って次節に臨んでほしい。

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2007J2#47 札幌1-0徳島@札幌ドーム

 立ち上がりこそ福岡戦の影響か足が動いておらず、まともなプレーができていなかったが、途中からはパスコースを消しながら連動してボールを奪うディフェンスができるようになり、いい流れを保っている時間帯に先制できたことが大きかった。
 その流れをもたらしたのは、イタカレだ。序盤は今まで通りだった彼が突如としてFWらしい動きをし始めたあたりから、チームが動きだした。空中戦は本当に苦手なようだが、人と人の間でボールを引き出そうとすることでパスの出しどころが明確になり、攻めに停滞感がなくなった。また、体さえ入れてしまえば体格を生かして前を向く機会が増え、それが先制点につながった。もちろん、まだ諦めが早かったり動き出しが遅かったりと問題はあったが、最初に比べれば守備などでの戦術理解は進んでいるようだし、このプレーを継続できるようなら戦力になりそうだ。
 後半は疲労のためだろう、足が完全に止まり防戦一方にも見えたが、集中は切らしておらず、最後までやらせた場面は数えるほど。折を見て前から狙う、前線に通してカウンター、など前節にはできなかったこともできており、コンディションを考えればそう悪い内容ではなかったのではないか。
 前節の岡本、今節のイタカレ。苦しいときに「孝子」が現れるのは、チームにモメンタムが戻りつつある証拠だろう。愛媛でも厳しいゲームを強いられることになるだろうが、ここを乗り切れば日程はずいぶん楽になる。この流れを壊さないように、前向きにプレーしてほしい。

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