2006シーズン総括(FW編)

#9 石井謙伍
 数字だけを見れば大幅な進歩だが、印象は「外し過ぎ」。体の使い方が上達してボールが収まるようになっているし、気持ちが前に出るようにもなってきている。全般的にはチームへの貢献度は上がっているのに頼りなく見えるのは、ゴール前での落ち着きのなさが目に余るからだろう。また、フッキに遠慮したのか打てるところでパスを選択することも多かった。点を取っても誰も怒らないし、自分の評価にもつながるのだから、何も悪いことはないはずなのだが…。

#10 フッキ
 ボールを持ったらそれしか見ておらず、自分で完結させることしか考えない。奪われても切り替えなんて概念は持ち合わせていないのだろう、両手を広げて突っ立ったままで、場合によっては審判に不満の意を表してカードを頂戴する。FWなのにクロスに飛び込むこともしない。「チーム編」でも書いたが、数々のチームに及ぼした悪影響を考えれば、25というゴール数も半分程度の価値しかあるまい。

#11 相川進也
 石井と同様、「もっと取れたはず」という印象だけを残した。ポストも裏に抜ける動きもできるし、逃げる動きも巧み。前線の軸になるべき存在であることに疑いの余地はない。あとは決定力だ。難しいシュートばかり決めて簡単なのを外しているようでは信頼は勝ち取れない。

#13 中山元気
 いくらフリーランだ、フォアチェックだ、といってもゴールに向かってプレーしないのではFWとして評価されることはない。天皇杯のG大阪戦のように前を向いてプレーすれば十分な脅威を与えられるのに、シーズン中はDFを背負って落とすのみ。いくらチームオーダーだといっても、不得手なことを、しかもそればかりやって批判を浴びるのでは割に合うまい。自分が得意なプレー-前を向くこととクロスに飛び込むこと-をもっと意識してプレーしないと、生きる道は開けてこない。

#17 清野智秋
 昨季の第4クールは夢か幻か。開幕からレギュラーを外されたことで腐ったか、数少ない出場機会でも元の「お嬢さん」然としたプレーを披露するか所在不明で、サテライトでも豪快な柵越えを連発する始末。何もいいところを見せられなくては、見切りをつけられたのも当然だろう。
 
※寸評のない選手については、公式戦、サテライト等での出場機会が少なく評価する材料を得ることができなかったため割愛した。

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2006シーズン総括(MF編)

#8 砂川誠
 この3年間で、最も成長した選手。年々運動量が増えており、それに伴って1試合を通して飛び出しを続けることができるようになった。間違いなく不可欠な存在であり、彼がいないときのチームの攻撃がダイナミズムを欠く傾向にあるのが、その証拠。あとはシュートの精度を上げることが課題か。

#14 鈴木智樹
 守備ができない、走らない、などと言われ続けているうちに最大の持ち味である多彩なパスまで失ってしまった。中長距離のパスの精度こそ高いが、決定機につながるパスはほとんどなかった。散らすだけで狙わないゲームメーカーなんて、怖くもなんともない。ミドルシュートや前線への走り込みをもっと増やすことも含め、ゴールへの意識をもっと持ってほしい。

#16 大塚真司
 開幕からしばらくの間、パートナーの鈴木のプレーが中途半端だったこともあって持ち味のダイナミズムや展開力を封印せざるを得なくなり、アンカー役に徹することが多かったのは不本意だったに違いない。実際、相棒が金子や芳賀になって役割分担が明確になった途端に行動範囲が倍増し、山形時代のようにピッチ上のリーダーとして攻守に影響力を発揮するようになった。新シーズンは最初からこのレベルのパフォーマンスができるよう期待したい。
 
#18 芳賀博信
 状況によってオリジナルポジションを捨て、中盤から果ては最終ラインのカバーまでこなす姿はまさにポリバレント。彼の働きがなければチームは早々に破綻していたに違いない。ただ、これだけの仕事量を1人でこなし続ければ待っているのは故障か過労。周囲を動かす術を身につけることも必要かもしれない。サイドとしては突破力に欠けるし、正確なパスや飛び出しのセンスを持っていること、さらには手を抜かずに戦い続けることができる精神面を考えれば、終盤戦で起用されたセンターハーフの方に適性があるのではないか。

#19 関隆倫
 素晴らしい動き出しで見事に裏を取り、次の瞬間に素人かと見まがうようなクロスやシュート。あれだけフリーの状態でミスを連発するのだから、技術がない、ということだ。逆に言えば、走ることには問題がないのだから、技術面さえ改善されれば重要な戦力になれる。

#20 上里一将
 前線へ飛び出すダイナミズムが足りない、という課題を持ち、それを克服しようという姿勢は素晴らしいが、砂川の真似をしても砂川は超えられない。動ける選手はいくらでもいるが、動かせる選手はそうはいないのだ。自分が最もチームに貢献できるプレーは何なのか、よく考えてほしい。パフォーマンスに波があった(大半は低調だったが)ことについては、病み上がりであることを考えれば仕方あるまい。こんな言い訳が新シーズンからは通用しないことは本人が一番よくわかっているはずだ。

#21 金子勇樹
 偏った起用の割を食い常時出場とはいかなかったが、少ないチャンスで持ち味を発揮し、最後には貴重な戦力としての立場を取り戻した。ボールに絡むことが少なくても、嫌なスペースを確実に埋めてコンビを組む選手を働きやすくする働きは秀逸だった。

#22 川崎健太郎
 リーグ戦ではまったく存在感を示せなかったが、故障者が続出した天皇杯で印象的なプレーを見せた。何が突出している、というわけではないが技術は水準以上で、頑張ることができる。再契約とフィジカル強化が前提条件にはなるが、攻撃的サイドバックが適任か。

#25 藤田征也
 優先的に起用されたとはいえ、試合を重ねるごとに特に守備面で進歩し、天皇杯ではポジションを任されるまでになった。相手に狙われてバタつく場面も多かったが、3-5-2のサイドの経験がほとんどないことを考えればやむを得ないか。攻撃では突破、クロスともに通用するところを見せたが、何となく遠慮がちな態度にも見えた。ボールが来れば仕事ができるのだから、もっと呼んで、仕掛けていってもよかった。

#29 西谷正也
 守備面で最低限の貢献しか期待できない分、独力での崩しとアイディア豊富なラストパスでチャンスを量産。フッキを操れる唯一の選手でもあった。ただ、改善が見られるとはいえ、90分間持たないフィジカルと故障の多さは課題として残った。

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2006シーズン総括(DF編)

#3 西澤淳二
 復帰後は右CBに定着し、落ち着いたプレーぶりで最終ラインに安寧をもたらした。難があった速さへの対応も、芳賀や加賀とのコンビネーションや巧妙なポジショニングでカバー。有効なオーバーラップまで見せるようになった。移籍して4年目になるが、穴が年々少なくなっている。

#4 曽田雄志
 多少は落ち着きが出てきており、妙なプレーが減ったことは確か。ただ、それは「曽田にしては」という話であり、絶対的な安定感を身につけたわけではない。致命的なミスが許されないポジションの選手にしては依然集中を欠いたポカが多いし、フィードの精度も低いまま。コミュニケーションに難があるのも相変わらずで、安心して最終ラインを任せられるレベルには達していない。年齢的にもそろそろ爆発的な進歩を遂げないと厳しくなってくるだろう。

#5 池内友彦
 全般的に昨年ほどのクオリティーは発揮できず、途中で定位置を失った。コンディションが悪かったのか簡単に抜かれる場面が目立ち、左CBとして西谷のカバーの面でも、チームオーダーに十分に応えたとはいい難い。自分で考えてプレーできる選手だけに、チームを引っ張るような働きを期待していたのだが…。

#6 西嶋弘之
 左CBで出だした頃は西谷のカバーに引っ張られ過ぎて周囲に負担をかける場面が見られたが、試合を重ねるにつれコンビネーションが熟成され、まったく違和感がなくなった。ビルドアップでも散らすだけではなく縦にクサビを入れることへの強い意識が見られ、攻撃の起点としても進歩したところを見せた。

#7 和波智広
 CBとしては何の進歩も見られず、サイドバックとして求められるレベルのプレーすらできなかった。アウトサイドとしては守備固め要員に甘んじ、クロスの精度は相変わらず。散々なシーズンだったが、それは自身が招いたもの。守備も攻撃もできないのだから、シーズンの半分でも出番があったこと自体が不思議である。すべてにレベルアップが必要なことを痛感しただろう。

#15 加賀健一
 CBとしては現時点では失格。結局は能力頼みで、考えないでプレーしているので相手のサイドに対して間合いを空け過ぎて簡単にクロスを上げられるし、マークを外すことも多かった。芳賀に何度助けられたことか。散発的にいいプレーをするだけではやっていけない。アウトサイドとしては突破力、得点力ともに十分で存在感をアピールした。

#23 千葉貴仁
 どこを取ってもそれなりで、ポジションを奪うだけのアピールに欠けた。しかも、バックアップ・プレーヤーなのにカードが多い。使いづらいことこの上なかっただろう。

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2006シーズン総括(GK編)

#1 林卓人
 昨季と同じようなミスを繰り返し、ついには技術的にはるかに劣る佐藤にポジションを奪われた。相変わらず難のある状況判断をもっと磨いていかないとGKとして次のステップに進むことはできないだろう。不安定さで存在感を示すのはそろそろ卒業してもらいたい。

#28 髙原寿康
 クロスへの対応もキャッチングもキックも難あり、ではいかんともし難い。しかも林と同じで、いつまでたっても同じミスばかり。その頻度がライバルより高いのだから出番を失うのは当然だ。いつまでも反応だけではスタンドが定位置になりかねない。

#31 佐藤優也
 内容はともかく出た試合で結果を残し、ポジションをつかんだ。ただ、最初のうちこそ迷いのなさがいい方向に出ていたが、試合を重ねるにつれ甘さが目立ちだし、信じ難いミスが増えてきた。精神状態がプレーにもろに出るし、技術的にもすべてが不安定。勢いだけで今季は走りきったが、このままではどこかで行き詰まるだろう。そうならないためにも今季の経験をフィードバックして、成長につなげてほしい。

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2006シーズン総括(柳下監督編)

 プロの監督として「昇格」という目標を掲げながら結果が残せなかったのだから、退任になったことは仕方がない。報道によれば補強もほぼ希望通りだったということであり、彼らをチームにうまく組み込むことができず、機能性も引き出せなかったとあっては手腕を問われるのは当然のことだ。
 「監督も成長が必要である」-。昨季の総括で挙げた問題点は、今年もそのままだった。主軸に育てよう、という意図が強く見えたとはいえ、一時期の上里や鈴木の使い方は実力、コンディション、選手同士の補完性などから見て明らかに無理があり、チームの成績を度外視した「特別扱い」といわれても反論できないようなものだった。割を食った形の選手の中には腐らず限られた出番でいいプレーをした者もいたが、全員がそうであることを求めるのは難しい。まして、席を与えられた選手のパフォーマンスは総じて高かったとは言い難い。チームとしての結果も出ない。これで結束を保つのは不可能だろう。選手をひとつの方向に向けることも監督の重要な責務であることを考えれば、問題があったと言わざるを得ない。
 また、うまくいかないことを選手の意識にばかり帰するようなコメントも目立ったが、自らの指導を省みることはなかったのか。信念を貫き通すのは素晴らしいことだが、ピッチ上でのプレーを見る限りはそれを選手に強要しているようにも見えた。自主性を育てようとした指導が逆にそれを奪うことになったとすれば、皮肉なことではある。
 3年間を通しては、ゼロ以下の状態にあったチームに我慢強く基本を植えつけ、競争力を持つレベルにまで引き上げたことは高く評価できるし、それは彼にしかできないことだったかもしれない。ただ、次のステップにチームが進むための引き出しは持ち合わせていないことを、最後のシーズンに証明することになってしまった。札幌で求められた仕事は終えた、ということだろう。

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2006シーズン総括(チーム編)

 間違いの始まりは、フッキの獲得だった。独善的なプレーの連続で、せっかく前シーズンの終盤にできてきた連動性を破壊し尽くし、いきおい周囲も彼にボールを渡したらお任せ、という姿勢になったため彼にマークが集中する、という悪循環を招いた。守備でも気分次第で追いかけたり追いかけなかったりで、それも戦術的な裏付けのあるものではなく後ろに多大な負担をかけ続けた。彼がいない時の方がチームがスムーズに動いていたことは、決して偶然ではない。
 チーム作りの流れから考えれば、必要なのは単純な打開力以上に、味方のためにスペースや時間をつくることによって自らも周囲も生かせるセンターフォワードだったはずだ。まだ若く精神面に問題があったことも含め、昇格を宣言したシーズンに連れてくるべき人材ではなかった。フロントの大きな失策だったといっていい。
 また、目に余ったのがゲームに対する集中力の低さ。ほとんどの選手は、味方が数的優位をつくられていても、パスコースがなくても、自分の持ち場に突っ立ったまま。味方が困っていれば助けに行く、そのスペースは誰かが埋める、という当たり前のこともできない選手が大半では、勝てる道理はない。それだけの信頼関係を築き上げることができなかった、ということでもあろう。ただ、この点に関しては天皇杯を戦っていくうちに長足の進歩を遂げている。今後、もっと高いレベルでの相互補完関係を確立していければ、見通しはぐっと明るくなるはずだ。
 精神的なもろさも目立った。いいゲームをしたと思ったら、次の試合では気の抜けたようなプレーを連発する。ここで決めれば試合も決まる、というところで信じ難いミスをする。失点したらすぐ下を向く…。自己やチームに対する自信のなさに起因するものだろう。指導の問題もあるだろうが、プレーするのは選手であって、監督でもサポーターでもないのだから、自分で考えて、局面を克服していく強さを身につけなくてはならない。そろそろ、「人任せ体質」とでもいおうか、このチームに長く蔓延している悪しき精神性は捨て去ってほしいものだ。
 新シーズンに向けては、新監督の戦術に一刻も早く順応することはもちろん、選手の顔ぶれがほとんど変わらない以上、引き続き個々の技量-オン・ザ・ボールから個人戦術の質まで-すべてをレベルアップしていくことが求められよう。ベースとなる組織が確立されていることはアドヴァンテージではあるが、絶対的ではない。個力に頼ろうとするところがJ2でも増えてきている今、それを上回るだけの「真のチーム」をつくりあげていかなくてはならない。

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第86回天皇杯準決勝 G大阪2-1札幌@エコパスタジアム

 少なくとも、ベスト4が偶然の産物ではない、ということは証明できたのではないか。立ち上がりこそ相手の技術の高さに困惑したような場面が見られたが、慣れた後は臆することなく前から取りにいけていたし、そこから人数をかけて崩す、フィニッシュに持ち込む、といったことは十二分にできていた。チームコンセプトである、個力の差を組織や気持ちで埋める、という点では申し分なかった。1×11で11以上の力を出せば、どんな相手にでもいい勝負ができる、ということだ。
 それでも、勝敗を分けたのは個力の差だった。単純なキープ、突破に加えて、ボールを失った後の守備への切り替えの速さ、ルーズボールに対する反応の速さ。多くの時間帯でこういった部分で劣っており、ボールを前に運ばせてもらえない。これでは善戦はできても勝ち切ることは難しい。決定機にしてもこちらの方が多かったが、向こうが決められるものをこちらは決められない。確かに2失点ともアクシデントのようなものではあったが、こちらにもそれに類した場面はあった。そこがトップカテゴリーの上位との差、ということなのだろう。
 また、不可解な采配も勝負に水をさした。移籍以来最高の出来で、突破、空中戦、フォアチェックで相手を苦しめていた中山を後半早々に下げてしまったことで前線の起点を失うことになったチームは見事なまでに失速し、それ以降は得点の予感すら感じさせることはなかった。しかも、そのときに砂川が痛んでいた。甲府戦でもそうだったが、目の前で選手が痛んでいるのに、元気な選手をそのまま代えてしまうことは理解し難い。実際、砂川はその後すぐに交代。貴重な交代枠を一つ無駄にする結果になってしまった。融通が利かない、柳下氏の負の側面を浮き彫りにした場面ではあった。
 集中を切らさない、困った味方を助ける…。リーグ戦48試合を戦ってもまったくできなかったことが、天皇杯でJ1と4試合戦っただけでできるようになっていた。いかにシーズン中に集中を欠く場面が多かったか、今大会の集中が高かったか、そしてそれがどれだけ重要なことか、選手は理解しただろう。また、(特にふがいないプレーに終わった石井や上里は)個力を上げていかなければ高いレベルでは勝負できない、ということも思い知ったはずだ。来季は監督もフォーメーションも変わるだろうが、気持ちの入った戦いをする、ということは変わらない。そこに今大会で得たものを加えていければ、恐れるものはないはずだ。

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第86回天皇杯準々決勝 札幌2-0甲府@ユアテックスタジアム仙台

 勝因は、集中を切らさず、体を張って最後の一線だけは越えさせなかったこと。それ以外に、内容で特筆すべきものはなかった。前半は甲府のチェックに1対1でことごとくボールを奪われ、その後の切り替えが遅くセカンドボールはまったく拾えず、グループでの球回しにも対応できない(昨年までの甲府とはまったくレベルが違っていたこともあったか)ので簡単に深い位置までボールを運ばれる。ペナルティーエリアではかなり高い確率で浮いている選手をつくってしまい、簡単にボールを入れられる。相手が決定機をことごとく外したこと、攻めが中央に偏っていたためにマークしやすかったことなどに助けられた。
 後半は前から取りに行けていたし、球際で頑張るようになったことでボールこそ持たれたが、危険な場面は多くなかった。ただ、余裕があるのに勝手に慌ててあらぬ方向に蹴ってみたり、つなげるところでクリアしてみたり、よく見かける悪いところも数多くあった。何度かあったカウンターでの決定機を決め切れなかったことも含め、同じ課題が相変わらず出てくる。そろそろ克服の兆しぐらいは見せてもらいたいものだ。

選手寸評

GK#31 佐藤優也
 フィールドプレーヤーであれば相当早い時間に代えられていたはずだ。入れ込み過ぎたのか、キックはまともに飛ばない、目測は誤る、バックパスを手で扱う…など珍プレーのオンパレード。ビッグセーブもあったが、ミスで失点する可能性のほうがはるかに高かった。千葉戦を頂点にパフォーマンスが試合ごとに落ちてきている。勢いや流れを持っているとはいえ、それだけでは限界がある。

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第86回天皇杯5回戦 札幌2-2(PK8-7)新潟@フクダ電子アリーナ

 本当なら、90分で勝負をつけていて然るべきだった。それほど新潟の出来は悪かった。攻守の切り替えが遅く、ボールが取れれば広大なスペースが用意される。最終ラインのポジショニングも悪く、そこいら中にギャップをつくってゴール前に侵入する余裕を与えてくれる。致命的なパスミスも数多く、決して出来が良かったわけではないこちらが強豪チームに見えるほど。決めるべきところで決めて、下らないミスを繰り返さなければ楽々次のステージに進んでいたはずだ。
 また、札幌には点を取った後に気を抜くというか、休む時間帯が見られた。ここで相手にリズムを渡してしまい、自分たちのプレーができなくなったあたり、ここ数シーズンの教訓はまったく生かされていない。最後の局面で(佐藤のミス2つ以外は)集中を切らさなかったことと、新潟の攻めがアイディアとコンビネーション、運動量を欠いており、押し込んでも単純なクロスや可能性の低いミドルに終始したことに救われたが、もっと強い相手ならその時間帯で大量失点を食らっていてもおかしくはなかった。もっと前に出て、出鱈目に蹴らずに自分たちのプレーをすることがこのチームが守り切る最善の策である、ということをいいかげん理解すべきだ。
 もっとも、追いつかれて精神的にリセットされた後はすべきことができており、PK戦に至るまで臆することなくプレーしていた。やはり気持ちが守りに入るといいことはない。逃げない、前に出る。それでこそ「アクション」を名乗る資格があるのだ。失うものはない。次の甲府も前向きに攻めてくるチームだ。こちらもそれ以上に攻める気持ちを忘れないでほしい。

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2006J2#52 札幌0-2鳥栖@札幌ドーム

 繰り返されるイージーミス、外国人の独善、集中の欠如。ある意味、今季の集大成にふさわしい内容だった。チームとしてプレーする、という部分でも、オン・ザ・ボールで戦う、という部分でもことごとく鳥栖より劣っており、このスコアは妥当なものだ。
 札幌の選手が戦っていなかったわけではない。ボールを支配してビルドアップもできていたし、チャンスはいくつもつくることができていた。ただ、チームとして何をすべきか、状況に応じてどういったプレーを選択すべきか、といったところの判断ができていなかった。1失点目などその典型で、右サイドをカバーするはずの大塚が逆サイドに行っていたのに、芳賀が機械的に最終ラインに入ってしまって空けたスペースを使われたところから始まったもの。的確な状況判断さえできていれば何の問題もなかったはずだ。
 また、前にも書いたが、味方が困っている時に何をすべきか、という点でも札幌の選手は棒立ち、鳥栖の選手は攻めでも守りでも数的優位をつくるべく走る。シーズンを通して見られた一体感のなさが端的に顕れている。同じ絵を描けていないし、向いている方向も違う。こんな集団が長いシーズンを戦い抜けるわけがない。選手の意識が甘いことはもちろん、監督の手法にも問題があったということだ。ベンチワークで言えば、選手を代えるごとにチームの機能性が落ちていく、という状況はなかなか見られるものではない。いくら次の試合があるからといって、どう見ても明らかにおかしな交代策(ベンチ入りメンバーのチョイスも含め)を採るようではどうしようもない。次の新潟戦に向けて、大きな不安を残した。
 また、フットボールの本質とは離れた話になるが、「サンクスウォーク」と称するものが、ただの練習後のクールダウンにしか見えなかった。義務的に手を振るだけで、観客の方を向くでもない、ただ歩いているだけで、愛想がいいのはドーレくんとコンサドールズとジェッター3だけ。金を払ってもらって見に来てくれている、という意識があればもう少しまともな態度が取れるはずだ。この辺にもプロ意識の低さが顕れている。ぬるま湯に漬かり切った連中の脳味噌を鍛え直すのは容易なことではないだろうが、次の監督にはぜひ、その辺から叩き直してほしいものだ。

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