05シーズン総括(FW編)

#9 堀井岳也
 確かにフィジカルはフィットしていたようで動き自体に切れはあったが、それが発揮されるのはフォアチェックの時ばかり。それでも開幕当初はシュートやスペースへの意識の高さが見えたが、いつの間にか元に戻ってしまった。質の低さを量でカバーするタイプの選手が勤勉さを失ってしまっては、骨折がなくてもレギュラーを外されるのは時間の問題だっただろう。

#11 相川進也
 起点にもなれるしチャンスメークも裏へ抜ける動きもできる。プレーの質について特に問題はないが、決定機を外し過ぎた。コースを狙う余裕まであるのだから、単純に精度の問題だ。また、開幕当初のコンディションがあまりに悪く出場機会を得られなかったことで中山と堀井の組み合わせがファーストチョイスとなり、攻撃の流れを停滞させる遠因となった。自らが不可欠な存在である、という自覚を持って、来季は開幕から働けるようなトレーニングをしてほしい。

#13 中山元気
 守備にまで走り回ることを厭わない勤勉さには敬意を表するが、その心の何分の一かでもゴールを狙うこと、前を向いてプレーすることに傾けてほしかった。常に後ろ向きでボールを受けて、前が空いてもパス、では怖くも何ともない。また、身長があるのでロングボールのターゲットになることも多かったが、体の使い方やジャンプのタイミングが全くなっていないため10センチも背が低い選手にまでほとんど勝てない始末。競れない、シュートも下手、そもそも打とうとすらしない、ではFW失格である。いくらフリーランニングをした、ニアでつぶれた、といっても最終的な評価はゴールで決まる、ということを肝に銘じて基本からやり直してほしい。

#17 清野智秋
 コンタクトを受ければ簡単に倒れ、ボールを持てばあっさり失う。第3クールまでは当然のように戦力外同然だったが、引いて起点になる動きを最小限に抑えて裏を狙うこととボックス内で勝負することに専念しだした最後に大爆発した。元々瞬間的な速さやボールをインパクトする技術はあったので、それを最も有効に発揮できるプレースタイルを見つけたということだろう。結果が自信を呼び、自信が結果を呼ぶ。そうなると面白いものでポストに入ってもびくともしなくなり、ボールも失わなくなった。これが一時の好調で終わるのか、来季も続けられるかは彼自身の自覚にかかっている。

#25 石井謙伍
 前を向いて仕掛けることができ、シュートの意識も技術も高い。FWとして必要な動きにも問題はなく、実際に試合でも自分の形に持ち込めれば十分に相手を混乱させるだけのプレーはしていた。ただ、ボールしか見ていないことが多く、周りとの連携は今ひとつ。独力突破で完結させるまでの力量はない以上、周囲を生かして自分も生きるようなプレーを身につけなくてはいけない。何度もGKとの1対1を外したのは精神的なものだろう。最終戦でのゴールが良薬になるか。

#30 デルリス
 今まで本能だけでやってきたところに規律や戦術を突きつけられ、何とかこなそうとしても咀嚼しきれずに混乱しているうちにシーズンが終わってしまった印象。本来は引いて触ってゴール前で勝負したいタイプのはずだが、無謀なロングボールを追いかけさせられ、サポートにも恵まれず強引に前を向こうとしてボールを失うことの繰り返し。ボックス内に入ることすらかなわないままレギュラーの座を失った。周囲が特性を理解した配球やサポートを全くしなかった不運もあったが、本人の適応力に難があったのも事実だ。

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05シーズン総括(MF編3)

#21 金子勇樹
 スペースを埋め、ボールを引き出しては確実に次につなぐ。守備でも当たりの強さこそないもののパスコースを狭めながら相手の攻撃を遅らせる。目立つことはないがチームに必要な仕事を当たり前のようにこなし続けた。好調時は岡田と絡んでのオーバーラップやゴール前への飛び出しも見られたが、初のフルシーズンとあって終盤は疲労の色が濃く、そういったプレーは影を潜めた。来季に向けてはコンディションの維持と、より好機に直結するプレーの選択が課題になろう。

#23 徐暁飛
 速さと強さ、正確なクロスが持ち味で攻撃では好プレーを見せることもあったが、守備があまりにもお粗末。中盤センターや最終ラインでも試されたが、対人もポジショニングもいくら修正されても改善されることはなかった。モノになるまでに必要であろう莫大な時間を考えたら、1年で見切りをつけられたのも致し方ないか。

#24 野田達郎
 左利きである、という以外に特長が見当たらず、サイドでもセンターでも凡庸なプレーに終始した。1年での戦力外通告の是非以前に、何故昇格させたのか、という疑問が先に立つ。蛯沢についても同じことが言えるが、ユースで3年間見ていたにもかかわらず、トップで生き残っていくのに必要な要素を把握し、綿密な検討を重ねた上ではなかった、と考えざるを得ない。

#29 西谷正也
 キープ力と常にスペースを意識したパス出しで瞬く間に攻撃を掌握、第4クールでのチームのステップアップにとって極めて重要なピースとなった。アウトサイドとしては運動量と守備力に難があり、後ろにできたスペースを狙われる場面も目立ったが、カバーリングのシステムが明確で、それを実行できていれば問題にはならなかったはずだ。

#31藤田征也については、出場時間が短過ぎ、ほかの評価の材料もないので割愛。

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05シーズン総括(MF編2)

#14 田畑昭宏
 守備力は申し分なく、オフ・ザ・ボールの動きもぎこちないながら怠ることはない。ただ、ボールがあるところでのプレーが拙過ぎた。判断が遅い上にパスは不正確。再三流れをぶち壊してしまった。技術力を考えると中盤でのプレーは厳しかったか。

#16 鈴木智樹
 ワンチャンスをものにしてレギュラーをつかみ、そこから10数試合で急激に伸びた。試合を重ねるごとに余裕ができてプレーの選択肢が増し、練習での態度も以前とは全く違った、自信あふれるものに変わった。終盤は壁に当たったのか精彩を欠いたプレーが増えたが、これを乗り越えればまた成長できるに違いない。技術的には展開力が持ち味で、今季も味方に通す、という点ではほとんどミスはなかった。来季に向けてはより精度の高い、受け手のスピードを殺さないようなパスを求めたい。また、スペースにトップスピードで走り込んでボールを引き出すことがあまりに少なかったので、状況判断を磨いてそういったプレーも覚えてほしい。

#18 桑原剛
 フィジカルが強くなり、ボールロストの回数が大幅に減った。また練習試合などを見ていても1回触ってスペースに飛び出すような動きを意識しており、チャンスに絡む回数も多かった。使いようによっては現状でも戦力になったかもしれないが、守備に入ったときのポジショニングに難があるためか出場機会を与えられることはなかった。課題を克服しようという意図はプレーから見えるので、報道の通りレンタルされるのであれば、移籍先でどれだけ高い意識を持ち続けられるかが鍵になるだろう。

#19 上里一将
 ポジションを与えられた形で出場を続けるうちに結果と内容がついてきて、これから急カーブで成長しそうだ、というときに負傷してしまった。動きの質と量、ボールキープの時の体の使い方など随所に成長の跡は見えたが、全般的にはアシストこそ多かったとはいえセットプレーばかりで、流れの中では勝負のパスを狙うより安全策を採る場面が多かった。攻撃的MFとしてゴール前への飛び出しを増やすことも含め、もっと得点に直結する、現在の攻撃的な流れを加速させられるようなプレーを期待したい。

#20 権東勇介
 田畑を追い越せなかった。これに尽きるのではないか。ボール扱いこそ上回っているが、守備、強さ、運動量、精神面で劣っていた。その他のライバルに対してもバランス感覚では金子に、展開力では鈴木に劣り、左利きの優位性もそれだけで食っていけるほどのものではなかった。何で勝負できるのかが最後まではっきりしなかった。

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05シーズン総括(MF編1)

#2 岡田佑樹
 安定していたというよりは、目立つことがなかった、と言うべきか。攻守ともに相当な仕事量をこなしてはいたが、致命的なミスが少なかった代わりに決定的な仕事もあまりできなかった。周囲との連携で崩すことを意識するあまり、最大のストロングポイントである突破力を使いこなせていなかった印象。また、クロスが不得手なこともあってかボールを持っても中に入っていくことが多かったが、そうであればミドルシュートだけではなくゴール前に飛び出すなどフィニッシュの幅を広げないと脅威を与えられない。もちろん、ラストパスの質を上げる必要があることは言うまでもない。

#6 西嶋弘之
 CBに始まり、両アウトサイドとセンターハーフをこなしたが、CBでは速さ、強さが足りないし、アウトサイドでは突破力に欠ける。ボールを落ち着かせて散らしながらチームのリズムを整えられる能力を持っており、水準程度の守備力があることも考えれば適任はセンターハーフか。また、今季は故障が多過ぎた。フルシーズン戦えるフィジカルを身に着けることができれば、レギュラー奪還も望めるはずだ。

#7 和波智広
 サポートが右サイドに偏ることが多かったため、サイドバックと見まがうような低い位置取りで上がる機会は少なく、クロスの精度も相変わらずで何度も好機をふいにしていた。もっとも、守備的な仕事を強いられた成果か、1対1の守備力に関しては昨季よりも向上したのではないか。終盤に何試合かプレーしたCBは急造の域を出ないもので、攻撃面はともかく守備でのポジショニングやクロスに対するマーキングなどは恐ろしくて見ていられなかった。来季はどのポジションでプレーするかは分からないが、いずれにせよ技術も状況判断も大幅な向上が求められる。そろそろ恵まれた能力を生かせるようになってほしい。

#8 砂川誠
 シーズンの大半を存在感を示せぬまま過ごし、最後の数試合だけハイパフォーマンスを見せた。ボール扱いの技術は申し分ないがサイドに流れた時にしかそれを発揮できず、オフ・ザ・ボールで走るべき時に走らなかったりボールを失った後のプレスを怠ったりとネガティブな面も目立った。それでも彼がいいプレーをした試合の多くは勝利につながっており、攻撃の軸であることに変わりはない。最終盤のような内容を1年間通してできるようなメンタル、フィジカルの準備を望みたい。

#10 三原廣樹
 運動量を見込めないためトップ下やアウトサイドで起用され、得意とはいえないポジションでも時折光るプレーを見せたものの長続きしなかった。やはり最大の武器は下がり目からのアイディアあふれる多彩なミドルパスであり、それを披露する機会すら与えられなかったのは不運だった。先発フル出場は無理でもパス能力とFKの威力を考えればジョーカーとして十分に使えたはずだが、監督の方針とは合わなかった、ということだろう。

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05シーズン総括(DF編)

#3 西澤淳二
 高さ、強さは相変わらずで、ポジショニングも的確だった。ただ、スピードのある選手への対応に難があり、読み、予測では対応し切れない場面もしばしば見られた。組み立てへの関与という点では、前に出ることも少なくほとんど縦に蹴るだけで、あまり工夫が見られなかった。

#4 曽田雄志
 ボールがあってもなくても落ち着きがなく、冷静な判断が全くできないので、余裕があってもクリアはことごとく相手に渡り、リスキーなキープや状況をわきまえないファウルなど要らざるプレーばかりが目立った。カードこそ5枚と少なかったが、これは勝負すべきところで行けない臆病さと、必要なところにポジションが取れていないためにファウルすら犯せない状況が数多くあったことの証明に過ぎない。集中を欠いたプレーも減っておらず、何試合かに1回は致命的なミスを犯すなど、進歩しているとは言い難い。

#5 池内友彦
 読みに加えて的確なコーチングと意図のあるフィード、時折見せるオーバーラップなど随所に質の高いプレーを見せ、軸として最終ラインを引き締めた。重要な試合が続いた終盤にパフォーマンスが落ちたのは痛かったが、フルシーズンをレギュラーとして過ごすのが初めてだったということを考えれば致し方ない面もある。またセットプレーではチーム一と言っていい動きの巧みさ、シュートの技術を生かし得点を量産した。

#15 加賀健一
 最大の魅力はスピードで、相手のカウンターを後ろから追いかけて、追い抜いてつぶしたことも1度や2度ではない。ただ、それ故の荒っぽさも目立ち、ポジショニングや1対1の対応などには課題を残した。試合を重ねるごとに伸びてきてはいるが、ここを克服できれば、速さをもっと有効に使えるようになるはずだ。また、何試合かアウトサイドでも出場したが、後ろを顧みずに前ばかり見ていたため、1試合で化けの皮がはがれてしまった。突破力やクロスには光るものがあるだけに、バランス感覚を磨いていけばこのポジションでもモノになるかもしれない。

#22 上田常幸
 昨季見られたような目を覆わんばかりの凡ミスは目に見えて減ったが、そのことによってDFとして必要な技術が足りないことも浮き彫りになった。練習試合などでは3バックのセンターを務めることが多かったが、周囲にポジショニングなどを修正されていることの方が多く、人にも勝てないなど力不足は否めなかった。来季はレンタルされると報道されているが、そこでどれだけ実戦経験を積んで課題を見つけて次に生かしていけるかが、将来を決めることになるだろう。

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05シーズン総括(GK編)

#1 林卓人
 果敢な飛び出しが持ち味といえば聞こえはいいが、実際は判断ミスのオンパレードで、何度となくゴールを危機にさらした。レギュラーとしてプレーするのが初めてであったことを割り引いても、及第点はつけられない。なぜなら、終盤戦になっても同じようなミスばかりを繰り返していたから。来季もこういったポカが減らないようであれば、「学習能力のない選手」というレッテルを張られることになるだろう。また、コーチングはしていても、DFとのコミュニケーションが成立していたかとなると、結果が物語っているように疑問が残る。改善が必要なところだろう。ただ、至近距離のボールに対する反応は素晴らしく、資質の高さは見せた。

#28 髙原寿康
 開幕から10試合レギュラーとしてプレーしたが、危うげな飛び出しを繰り返して失点に絡んだり、立て続けにパントキックをタッチに蹴り出してみたりなど、珍妙なプレーばかりが目立った。反応などは林と比べても遜色のないものを持っており、2人の立場を分けたのは自信を持ってプレーを選択しているかどうかではなかったか。

#26阿部哲也、#27蛯沢匠吾については出場機会が少なく、練習でもほとんどが別メニューで目にする機会も少なかったので割愛。

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05シーズン総括(柳下監督編)

 まず、基本すらできていなかった、プロと称するには恥ずかしいレベルの集団に対して明確なコンセプトを掲げてそれを叩き込み、2年間である程度の質を伴ったチームに変貌させたことについては高く評価できる。
 ただ、その「チーム」は16~17人から構成されるもので、そのうちの誰かが欠けるとたちどころに行き詰まるような脆弱なものだった。従って、上里や西澤を失った後のリカバリーにかなりの時間を要し、勝ち点を落とすことになった。
 出られなかった選手の資質、力量の問題はあるにせよ、同じ選手にばかりこだわり続けたことによって層を厚くするチャンスを自ら放棄したとも言える。特に曽田、和波、中山への固執ぶりは異常とさえ思えるほどで、どんなに質の低いプレー、気の抜けたプレーをしてもこの3人だけは常に使われ続けた。例えば、田畑や清野、岡田といったあたりはパフォーマンスが落ちればすぐ外された。この差は何なのか。彼らの間にそこまで絶対的な存在価値の違いがあるとも思えない。これではモチベーションにも差が生じるだろうし、健全な競争原理が働くことも期待できない。
 また、ベンチ入りメンバーに、90分は無理でも特徴的な武器を持った選手よりレギュラーの穴埋め的な選手を選択することが多かったため、同じポジションの同タイプの選手同士を代えることが多く、結局はありきたりの、何の意外性もない(つまり相手にとって脅威とはならない)交代しかできない試合が目立った。駒不足はエクスキューズとはなり得ない。そこをやり繰りするのも監督の仕事だからだ。
 以上のことを鑑みると、現状の柳下氏が極めて優秀なコーチであることに疑いの余地はないが、優秀な(=勝てる)監督であるかどうかには疑問を差し挟まざるを得ない。とはいえ、トップチームの監督としてはわずか3シーズンしか過ごしていないのだから監督自身にも成長の余地はあるはずだ。来季、札幌を「ある程度」以上のチームにするためにできなくてはならないことは山ほどあるのではないだろうか。

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05シーズン総括(チーム編)

 今季の課題は、攻撃面にあった。チームとして明確なベクトルがある以上、本来であれば、シーズン当初からそれをできるか、やろうという意図が見えてもよかったはずだ。
 ところが、開幕からおよそ30試合、片鱗こそ見えるものの、大部分の時間でピッチ上に描かれたのは昨年同様、必要な時に必要な動きをせず、ボールを受けてからその次のプレーを探す姿だった。例えば、中盤の高い位置でターンオーバーできた時。ポジションに関わらず、最もいい位置にいる選手がスペースに向かって仕掛け、ボールを引き出す動きをすれば大きなチャンスをつくることができる。ところが、札幌の選手は数的優位の局面であっても、ボールホルダーの後方にたたずんでいるだけのことが多かった。
 視野の狭さに加え、リスクを冒すことを恐れる心があったのではないか。カバーリングがいないはずはない。後ろを信じて飛び出せばいいのに、やろうとしない。チャレンジがないところから、何かが生まれるはずもない。特に札幌のような突出した選手がいないチームの場合、人数をかけてコンビネーションで崩していかないとゴールは遠くなる一方だ。そういった状態でも結果が出た時期もあったが、その大半はセットプレーで得た得点を青息吐息で幸運にも助けられながら守り倒すようなもので、目指すべき「自ら動き出し、主導権を握るサッカー」には程遠い内容だった。
 やっと目指すものが形になってきたのは第4クール。キープ力とパス能力を兼ね備えた西谷という「触媒」を得てからだった。特定個人のキープ力が最大のリスクマネージメントである、というのはあまり望ましいことではないが、ともかくボールの収まり所が増えたことによって高い位置でのボール奪取から3人、4人とバイタルエリアを攻略しようと前に進んでいくような場面が見られるようになり、得点力も増した。こういったプレーをできるだけ長い時間、誰が出ても続けることができるようになれば、それだけ得点の可能性は高まり、失点する可能性は低くなるはずだ。
 ただ、今季の場合は手数をかけすぎたりペナルティエリア内の人数が揃わなかったり(もちろん、ラストパスの精度の低さもあったが)でせっかくの数的優位を生かしきれない場面が目立ったので、今後はその人数で的確な動き、コンビネーションを確立し、最短距離で決定機に結び付けていく作業が必要になってくるだろう。
 守備においては、前線、中盤からのプレスという部分は既に昨季には完成に近い形になっており、ここが機能していた試合ではほとんど崩される場面はなかった。そして、そうではなかったのは大量失点を喫したほんの数試合だけだった。
 ところが、その割には致命的な失点を数多く喫している。最終ラインに属人的なミスが多すぎたのだ。集中力の欠如に始まり、曖昧なマークやポジショニング、コミュニケーション不全、無駄なファウル。防げる失点は随分あったはずだ。裏返せば、こういった部分を克服できれば失点が劇的に減る可能性を秘めている、とも考えられる。
 また、42節の甲府戦に代表されるように、リードするとチーム全体が下がってしまう傾向が強い。札幌の守備は攻めるための守備であって、能力が高いとはいえない最終ラインが裸に近い状態で晒されることを想定したものではない。つまり、高い位置からのプレッシャーが消えることはとてつもないリスクを冒すことなのだが、何度痛い目に遭っても理解できないようだ。
 下がって守りたければラインを保ち、高い位置ではなくてもプレスをかけ、チャレンジ&カバーの関係ができていないとならないが、それができていたのは30節の甲府戦ただ1試合だったのではないか。ただ、その後の戦いぶりを見るに、この試合も偶然だったと判断せざるを得ない。目指すべき方法論ではないにせよ、こういった戦い方も勝つためのバリエーションとして持っておいても損はないはずだ。
 来季は結果を追求していくという。組織としては完成に近づいてきている。そのブラッシュアップに加えて、求められるのはやはり選手個々の質の向上ということになる。現有戦力の成長が見込めないのであれば、外から連れて来るしかない。今オフの大量解雇(つまり、その分補強が必要になる)は札幌というチームがプロの集団としてあるべき姿に近づきつつある、ということの証明だろう。正当な競争原理が働くことによってチーム全体の底上げにつながるような補強を望みたい。

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2005J2#44 札幌2-1草津@札幌ドーム

 札幌の選手は、オフの過ごし方でも考えていたのだろう。そうでもなければ、あれだけ寝ぼけたプレーを繰り返し続けられるはずがない。いきなりゴールをプレゼントし、コンビネーションもほとんど存在せずデルリスしか走っていない。挙げ句の果てには息の合わないパス交換を相手の選手も交えて行う始末。特に池内以外の最終ラインとボランチのプレーは特筆すべき酷さで、コミュニケーションはないし、判断ミス、パスミス、クリアミスのオンパレード。許されるものであれば総取っ替えしたいほどだった。
 そんな内容にもかかわらず多くの決定機があったのは、草津がディフェンスをしていなかったからだ。人はいても来た相手に当たりに行くだけで、少し札幌の選手がオフ・ザ・ボールで動けば簡単に裏を空け、抜けられる。札幌のFWに最低限のシュートの技術があればこの日だけでももう2~3点、チームとして普段ぐらいのレベルのプレーをしていれば記録的な大量得点になったかもしれない。そんな相手にお付き合いして、勝手にバタついて、では、この順位以上の力はなかった、と判断するしかない。
 モチベーションが低いのは勝手だが、開幕戦も最終戦も入場料は一緒だし、観客が求めるものにも変わりはないはずだ。そう考えることができるなら、こんなものを見せられるはずがないのだが…。

選手寸評

FW#25 石井謙伍
 外し過ぎ。この展開なら、力のある選手であればハットトリックも望めたはずだ。技術的には問題がない選手なので、精神的に余裕がないことが原因なのだろうか。また、動きそのものも質量ともに足りなかった。

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2005J2#43 鳥栖0-2札幌@鳥栖スタジアム

 前の2試合とは異なり、立ち上がりから札幌の選手からは「前で勝負しよう」「インターセプトを狙おう」という意識が強く感じられた。それで取れなくても高い位置からプレッシャーがかかっているため、鳥栖の攻撃はおのずとロングボール一辺倒になる。あとは3対2の数的優位にある最終ラインがポカを犯さないだけ、という状態がほぼ1試合を通して続き、妙なプレーはいくつかあったものの、致命的なミスがほとんど生じなかったので完封することができた。CKこそ16本も与えたが、ほとんどは崩されたものではなくディレイされた鳥栖がやむなくコーナーを取らざるを得なくなったもので、そこでも集中を切らすことはなかった。
 攻撃では、前半はボールを取っても誰も動いていないため出しどころがなくボールは足元から足元、横か後ろばかりを往復し、崩せた場面はほとんどなかった。それなのに2得点してしまうところがこのスポーツの不思議なところだが、内容自体はプレスが面白いように機能し、ボールを奪った瞬間から複数の選手が動いてスペースを突く動きを繰り返し、何度も決定機を築いた後半の方がはるかに良かった。ここで何点か取れていればもっと楽に試合を運べたのだろうが、完全にペースを握っていたのでそれもさしたる問題とはならなかった。
 これからは、後半のような内容のゲームを相手のレベルにも自分たちの置かれた状況にもかかわらず、腰を引くことなくできるかどうか、また、そういった流れのときにきっちり得点できるかが課題になってくるのではないか。

選手寸評

MF#6 西嶋弘之
 前半はあたかも第4のCBのごとく振る舞い、絞り過ぎた位置取りだったため攻撃に関与できないばかりか守備でも左サイドに大穴を開けた。後半に入ると普通の左アウトサイドの位置に修正されており、そこではボールを落ち着かせて確実につなぎをこなし、チームにリズムを与えた。

MF#8 砂川誠
 前節とは違い攻撃のみならず守備にも積極的に関与し、再三ボールを奪っては攻撃につなげた。両サイドのスペースにも積極的に飛び出し、危険なクロスを何本も配給。中央でもドリブル、パスと相手に脅威を与え続けた。1ゴール1アシストの数字もさることながら、内容も素晴らしいの一言。間違いなく今季最高、もしかすると生涯最高の出来。

MF#21 金子勇樹
 特に前半、動きの乏しい西嶋と鈴木の穴を埋めるべく走り回り、ボールを引き出し続けた。勝負のパスを狙わなかったので消極的にも映ったが、囲まれていたり出し所がなかったりとあえてリスクを犯すべきではない局面にあることが多かったので間違った選択をしていたわけではない。後半の早めの時間に交代となったが、プレーの質が低かったわけではなくその時間で1試合分以上の働きをした、ということだろう。 

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