2004シーズン総括(FW編)

FW#9 堀井岳也
終盤戦まで、走らない、打たない、競らない、無駄なファウルは犯す、といない方がマシなような状態。それ以降はフォアチェックはするようになり、体を張る場面も出てきたが、ゴール前で役に立たない、ないしは存在しないという点において大きく変わるところはなかった。FWがこれだけ試合に出ておいてプロ相手には1得点では、何を言われても反論の余地はない。
FW#11 相川進也
トップ下を務めている間は攻撃の起点として働くとともにファーに潜り込む動きを多用して貴重なゴールも挙げるなど万能型の面目躍如たる働き。トップとしても基準点としてはそれなりのプレーを見せたが、点を取るための動きが物足りない。ファーのマークが甘いことに味をしめたのか、(クロスが入ってこないのはあるにせよ)ニアで勝負する姿勢が薄れているような気がする。森山や中山、ひいては自分の高校時代をもう少し思い出してほしい。
FW#13 新居辰基
三原の速いクロスをニアで合わせるスーパーゴールでシーズンの幕を開け、サイドもこなすなど期待も大きかったようでいよいよ開花かと思わせるシーズンを送っていた。芽を摘んだのは自分自身。鳥栖が獲得するそうだが、人としてあるまじき行為を犯したわけで、過去の例を見ても謹慎期間として半年というのは短過ぎるような気はする。
FW#23 斉川雄介
独特のリズムのドリブルを持っているが、わかったのはそれだけ。出てきたと思ったらまた故障。フィジカルを鍛える間もなかったに違いない。まず1年間戦える体作りから。
FW#28 清野智秋
プロの試合にこれだけ出たことのなかった疲れが出たのか後半戦はノーゴールで、一時期はチャージを受けるや否やボールを手放してみたり、存在感を完璧に消し去ってみたりと普通なら出場機会を失うところだったが、物理的に試合に出られるFWが3人しかいないのでは使わざるを得ない。結果的にリーグ戦+天皇杯の全試合に出場することができたという事実は大きかったのではないか。シュート力やスピードなど、札幌のFWの中では抜けたものを持っているので、それをシーズン通して発揮する足がかりにしてほしい。

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2004シーズン総括(MF編3)

MF#24 上里一将
視野が広く技術も正確。最も魅力的なのは全身を鞭のようにしならせて繰り出すミドルシュートで、まずふかすことはなく、枠に飛ばないまでも下隅を確実に捕らえられる。フィジカル不足もあってトップ下での出場が多かったが、プレースタイルはアタッカーというよりオーガナイザー。前を向いた時の選択肢の多彩さを見ても将来的にはボランチか。
MF#25 桑原剛
ドリブラーとの触れ込みで、「向かっていこう」「抜いてやろう」という気持ちがプレーからも伝わってくる。ただ、田中達也や永井のように切れとタイミングで抜くのではなく、フィジカルコンタクトを多用するタイプのため当然のように苦戦を強いられた。サテライトではいいプレーができたのにトップで全然だったのは、それ以外にも状況判断が甘かったり、思い切りが悪かったり、といった要因もあったため。今の姿勢を失うことなく、全ての面でレベルアップしてほしい。
MF#29 金子勇樹
基本がしっかりしていて、当たり前のことを当たり前にできるのが持ち味だが、特徴がないのが特徴、という言い方もできる。マリノスで試合に出ていなかったためスタミナに難があり、故障もあってまだチームになじみ切れていない印象。組織の潤滑油として存在する以外にないタイプなので、どれだけフィットできるかが来季のカギ。
MF#30 権東勇介
最初はただガムシャラにやっている感じだったが、プロのレベルに慣れて戦術を理解しだすにつれ和波を追い越して前線に飛び出してみたり、インターセプトの意識が高まったりと、どんどんプレーの幅を広げた。フィジカルコンタクトがあまり得手ではないようなのでその強化と、いい左足を持っているのでクロス、シュートのみならず大きな展開にも期待。

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2004シーズン総括(MF編2)

MF#16 市村篤司
両サイドを務めていくつかのアシストとゴールを記録したが、それ以外となると試合での状況によるものもあるだろうが、上がってくる回数も少なく、自陣に引きこもっていることの方が多かった。裏を取る動きやクロスの精度などには光るものがあり、実際に結果も残していただけにもっと積極性が欲しかった。
MF#17 尾崎祐司
最後まで自分が何をすべきか理解していないように見えた。サテライトなどでも走らない、独り善がり、得意なはずのドリブルでも抜けない、と惨憺たる有り様で、そもそもなぜ獲得したのか、という疑問すら抱かせた。
MF#19 鈴木智樹
攻守にプレーが軽過ぎる。動く範囲が狭い上に運動量も少ない。展開力はユース時代から証明済みだが、それを発揮する機会も少なかった。攻守の要たるボランチを務める以上、「いいパスが1、2本あった」では困る。90分の中で質、量ともに伴った仕事をこなせるようにならないと厳しい。戦術理解、フィジカルとも大いに強化が必要。
MF#20 和波智広
試合をこなしていくうちに動きの質やポジショニングが劇的といっていいぐらいに改善され、終盤戦には攻守ともに昨季までとは別人のようなプレーを見せた。仕事量の割に決定機に至る回数が極度に少なかったのはキックの精度が低過ぎたため。鮮やかなワンツーで抜け出して、フリーで上げたクロスは虚空へ…という場面を何度見せてくれたことか。もっと工夫と練習を。
MF#21 鎌田安啓
サイドもボランチもそつなくこなしたが、それ以上のものは見せられなかった。プレーヤーとしての勤勉さは感じられたものの、サイドとしては突破力、ボランチとしては守備力が今ひとつとあってはトップでの出場は難しかった。

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2004シーズン総括(MF編1)

MF#2 岡田佑樹
悪く言えば本能だけでやっていた序盤戦と、監督に言われたことを消化でき始めた最後の方だけ好プレーを見せた。走力と突破力は折り紙つきだが、クロス、シュートは落第点。課題だった守備では天皇杯で村井、西を封じ込むなど成長の跡が見られ、動き方も身についてきているので、あとはキックの精度。
MF#7 三原廣樹
彼の負傷によって、チームは中盤でのボールの落ち着き所とパサーと優秀なプレースキッカーをまとめて失った。サイドとしては左足のキックこそ「さすが」と思わせるものがあったが、やはり運動量と突破力に難がある。視野の広さ、ダイレクトプレーの能力を生かすにはセンターが適任だろう。
MF#8 砂川誠
三原離脱の影響を最も受けたと言っていいだろう。スペースで受けるのが持ち味なのにボールが出てこないためボランチの位置に下がってのゲームメークまで行わざるを得なくなり、労働量は倍増して威力は半減した。それでも(少ないながら)総得点のほぼ半数に関与しており、攻撃の軸としての存在感は示した。個々のタスクが整理されてきた終盤戦には前でプレーできるようになっており、来季はゴールにも期待したい。
MF#10 中尾康二
昨季ほどの安定感がなく、無駄なファウル、異議などでカードの山を築く(同じカードでも昨季はプロフェッショナル・ファウルも多数あった)。ついにはピッチ外でレッドカードを突きつけられるに至った。私生活についてまで知ったところではないが、プレー面に限ってもネガティブな評価しかできない。
MF#14 田畑昭宏
ボランチとして、守備面では概ね破綻のないプレーを見せた。ただ、どうしてもボール捌きに難があるため攻撃の流れを停滞させることもしばしば。ショートパスだけではなく、もう少し大きな展開を意識してもいいのではないか。キック力を生かすという点では、ミドルシュートももっと見たいところ。9月の横浜戦を例に取るまでもなく、きちんと当たった時の破壊力は凄まじいものがあった。

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2004シーズン総括(GK・DF編2)

DF#6 大森健作
ファインプレーを披露するでもなく、オーバーラップを仕掛けるでもなく、影が薄かった。チームコンセプトが大転換した時に故障で不在だったのは不運といえば不運。チームが指向する形と自分のプレースタイルの整合性が取れるようになる前に、さらにまったく別の方法論のチームに移籍することになったのは(自らの選択とはいえ)もっと不運だった。
DF#6 西嶋弘之
守備者としての能力は平均レベルだが、プレスをかけられても慌てないだけの技術を持っており、長短のキックを正確に操れるため彼の加入によって深い位置からの組み立ての安定感が大幅に増した。オーバーラップする機会も多かったが、使ってもらえないことも多かった。コンビを確立できれば大きな武器になるだろう。
DF#15 吉瀬広志
チームの流れがいいときはいいプレーができていたが、チームの失速と同時に自らも失速。佐藤の復帰とともに出場機会を失った。特に致命的だったのはスピード不足と、それを補う術を持ち合わせていなかったこと。最大の長所である構成力を期待されての起用だったと思われるが、自信のなさそうなプレーぶりとともに負の側面の方が色濃く出てしまった。
DF#18 河端和哉
全てにおいて平均的。出場した試合でも可もなく不可もない出来で、計算が立つといえばそうなのだが、レギュラーを張れるほどの突出した何かを発散するわけでもない。1年での戦力外通告は、CBとしては限界が見えた、ということか。
DF#22 上田常幸
スピードも高さも足元の技術もある。ないのは集中力。ポジショニングも滅茶苦茶だがこれは教えればどうにかなる。ともかく、マークすべき相手やボールを頻繁に見失うディフェンダーなぞ使い物にならない。ここが改善されないと1年後には首筋が寒くなっているかもしれない。

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2004シーズン総括(GK・DF編1)

GK#1 藤ケ谷陽介
本来持っているものと異なるスタイルでのプレーを要求されたことによる戸惑いもあったのか、最大の長所である安定感がなく、目を覆わんばかりの凡ミスもあった。チームが機能しなかったり、DFのミスが多かったことを割り引いても、並の働き。もうひとつの長所であるキックも不安定極まりなかった。
GK#26 阿部哲也
「前に出られる」ことを理由に何試合か出場機会を得たが、そのことと「無謀」とは違う、ということを身をもって証明した。また、5月の山形戦で2度もファーへのCKにかぶって失点するというミスを犯し、その数カ月後のサテライト戦でも同じミスを犯すなど成長の跡が見られない。およそGKに求められる全てにおいてレベルアップが必要。
(GK#27蛯沢匠吾については公式戦出場がないため割愛)
DF#3 西澤淳二
第3クール途中までは止められない上にミスはする、と散々。チームが安定してきてからはキャリアに見合った、求められるレベルに足るプレーを見せた。第4クールはわずかイエロー1枚。ついにラフプレーをせずに強さ、高さを生かす術を身につけたか。
DF#4 曽田雄志
右CBでは従来通り集中を欠いたプレーを連発、かなりの失点に絡んだが、中央に定着してからはそんな場面も大幅に減った。とはいえ、冷静さを失う場面も多く、ボールを落ち着かせる必要がある場面で出鱈目に蹴ってみたり、不必要なファウルを犯す場面も度々。確かに成長はしているが、それは「曽田にしては」という注釈がつくレベル。状況判断、周囲とのコミュニケーションなど克服しなくてはならない課題は山ほどある。正確なフィードの復活も挙げておきたい。
DF#5 佐藤尽
負傷からの復帰後、一時的に最終ラインに落ち着きをもたらしたが、チームの機能不全によって裸で晒される機会があれだけ増えると能力的に厳しい。元来、統率力より人への強さが特徴の選手。その部分で勝てなくなっては、出場機会がなくなったのも致し方ないことか。

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2004シーズン総括(チーム編)

 リーグ戦の開幕から8月半ばまでは、評価の対象外。選手が監督に言われたことを消化できず、およそ30試合にわたってフットボールと表現するのもはばかられるようなものを見せ続けたのだから。負けなかった開幕数試合にしても、相手側の戦術的混乱などの幸運に助けられた側面が強く、(現在のプレーから見て)チームとしての動きができていたとは言い難い。
 30節前後になって、ようやく目指すスタイルの片鱗が見えてくる。常にポジションを動かしながらトライアングル(スクエア)を形成し、できたスペースにまた人が動いてボールを受ける-というもの。その形ができていれば、ボールを失ってもそのままプレスに移行できるため、この時期を境に完全に崩される場面が急激に減少している。前からの守備が安定すれば最終ラインにも余裕ができるので、それまで信じ難いようなミスを連発していた曽田、西澤といったあたりのプレーも大幅に改善された。また、30節台ではまだ試合ごとに(試合の中でも)出来、不出来の波が大きかったが、最後の5試合ぐらいはそれもなくなり、常に安定したパフォーマンスができるようになっていた。
 それでも勝ち数は一向に伸びなかった。ポイント、ポイントで守備陣の致命的なミスなどによる失点があったことも一因だが、それでも失点は1試合1~2点の間に収まっている。やはり得点できなかったことに尽きる。ボールサイドに人数をかけ、ポジションチェンジも絡めたコンビネーションで崩すことまではできるようになったが、その次以降のプレーの精度が低過ぎた。また、中央でボールが収まってからの展開が少なかったため相手DFにとっては守りやすかったのではないだろうか。シュートへの意識も特に中盤より後ろの選手に高まってきてはいるが、枠に飛ばないのではこけおどし程度の効果しかなかった。
 さらに、天皇杯で対戦した磐田などと比べると攻めるべき時にかける人数が常に1~2枚少ない。メリハリや緩急も感じられないことが多かった。状況判断やポジショニングを的確にすれば、バランスを崩さずに人をかけることは可能なはず。ラストパスの出し手、受け手の選択肢を増やすためにも攻めの意識を高く持つようにしてほしい。
 来季は戦術、戦略面でのドラスティックな変更はないだろう。今季築いたものにどれだけ上積みしていけるか、ということになる。守備ではくだらないミス、集中力の欠如を減らすこと。コーチングができていない場面も多々見受けられたので、コンビネーションの確立も重要になってくるだろう。攻撃では得点パターンをつくること。流れの中でどう崩すか、ということをより突き詰めるのはもちろん、工夫も精度もなかったセットプレーの改善にも期待したい。もちろん、個々の選手が質の向上を図ることが最も重要であることは言うまでもない。

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第84回天皇杯準々決勝 札幌0-1v磐田@香川県立丸亀競技場

 少なくとも、札幌に勝機(=得点機)はほとんどなかった。札幌の得ることのできたチャンスといえば、ほとんどは相手のミスによるもので、普段目指しているような、スペースをつくって2人目、3人目の動きを絡めながら崩していくようなプレーは(意図は見られたものの)ほとんどできていなかった。特に前半はキープされる時間が長く、必然的に相手の陣形も非常にコンパクトになるため真ん中の選手が後ろに引っ張られ、前線の枚数がどうしても足りなくなったこともあって肝心なところでのパスはほとんど失敗。これでは厳しい。頼みのセットプレーでもキック、シュートの精度がいまひとつで、かなりの回数を得たにもかかわらずほとんど跳ね返されていた。もちろん、ミスを突くというのは重要なのだが、自分たちの形をつくれなかったのでは得点できなかったのも致し方ないことだろう。
 一方、守備では立ち上がりこそ前田やグラウへのクサビに対するマークが甘く簡単にやられていたが、時間を追うに連れてそこをきっちり潰せるようになり、後方で横パスを回さざるを得ない状況に追い込むことができていた。また、磐田の攻撃陣に縦を突く動きが乏しいため、さらに横パスが増える。こうなれば前週の大分戦と同様、守りは楽になる。もっとも、大分に比べるとサポートの速さや動きの質は磐田の方がはるかに高いため何度かは危ない場面があり、ミスに助けられたとはいえ予測の不的確さやDF、GK相互のコミュニケーション難からピンチを招く場面もあった。動きは慣れる以外にないだろうが、コミュニケーションに関してはリーグ戦から何度も見られたケース。相手の選手の質が高いため余裕を持たせてもらえなかったということはあるにせよ、普段からきっちり詰めておいてほしい部分だ。
 磐田の交代の狙いも、まさにその縦の動きを増やそうというものだった。中山、川口と前に向かうことが持ち味の選手を投入してくる。それでも、中山には中盤からボールを出させないようなプレッシングを含めた厳しいマークで、川口には縦を切ることによって仕事をさせない。従来であれば持ち味の違う選手が出てくるとアタフタするような場面が見られたが、この日は的確な対応を見せていた。さすがに藤田のように的確に嫌らしいスペースを突いて決定的な仕事を果たす(リーグ戦ではお目にかかることのないようなレベルの)選手は荷が重かったようだが…。
 94分間走り続け、戦い続けたことは評価できる。ただ、それだけでは勝てない。中盤、前線を含めた守備はある程度計算の立つレベルに達している。あとは、どんな相手であろうと1試合に1回や2回は攻め切って点が取れるような場面がないと駄目だ。そのためには個の能力を上げることはもちろん、チームとしてのコンビネーションをしっかりつくっていくことが重要になってくるのではないだろうか。

選手寸評
MF#30 権東勇介
 前で勝負しようという意識が強く、再三インターセプトを成功させていた。攻撃にも積極的に関与し、クロスやサイドチェンジを試みる機会も多かった。あとはそういったプレーの一つ一つの精度を上げていきたい。
FW#28 清野智秋
 ボールが収まらなかったという点では求められる仕事を果たしたとはいえないが、前を向いて勝負し、シュートまで持ち込もうという姿勢を久々に見せてくれた。少なくとも、過去何試合かの腰が引けたあなた任せのプレーではなかった。磐田が相手でなくても、これぐらいの姿勢を見せてほしい。

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第84回天皇杯5回戦 札幌1-0大分@熊本県民総合運動公園陸上競技場

 試合開始からしばらくの間、札幌は球際でまったく勝てず、中盤でボールを失い続ける。取り返そうにも技術的には大分の選手のほうが一枚上で、しかも奪うや否や最終ラインのサイドのスペースや2トップの頭めがけてロングボールを放り込んでくるため、プレスもままならずラインも下げられる。ところが、そのボールの精度が低いためサイドはほぼ全滅、高松かマグノ・アウベスが競り勝ったときにしか大分はチャンスにならない。
 しかもその方法はベルガー監督のメソッドとは異なるものだったようで、途中からは手数をかけながらDFの穴を探るような攻め方がが多くなる。これで守りやすくなったのは札幌で、大分が回しているうちにスペースを消してしまい、いざラストパス、というときには2トップは既にマーク済み。しかもこの2トップ、いずれもサイドに流れることを好み、ゴール前での勝負があまり得手ではないようで割合素直にマークされてくれるのでそう大きな脅威とはならない。結果、いわゆる「回させている」状態になったのだが、こちらもプレスに遭って組み立てができず不確かなロングボール、というよりクリアを蹴るだけだったため、前半のほとんどを自陣内で相手のボール回しを眺めながら過ごすことになった。
 後半に入るとさすがに札幌も慣れてきたか、多少はボールを動かせるようになり、カウンターでスペースを突く場面もでてきた。そして、早々にFKから先制する。これで大分がどう出てくるか。ここまでの展開から、最も有効なのがパワープレーなのは明らかで、こぼれた所に梅田や吉田が突っ込んでくるのが札幌としては最も怖いパターン。ところが、高松やマグノ・アウベスの特性からして不向きだという判断なのか、やり方は変わらない。
 交代策も恐らく、サイドバックも含めたサイドアタッカーを増員してサイドを攻略しようという意図のものだったが、パスの出所として想定されていたと思われる小森田にはきっちりプレスがかかっており、肝心のオープンパスが出てこない。むしろパトリックが無闇にポジションを上げるため最終ラインにギャップができ、そこを突く形でのカウンターで札幌の方に好機が多く生まれる。打つ手のなくなった大分の唯一の攻め手はマグノ・アウベスや木島の単独突破のみ。これで何回かは危ないシーンがあったものの、最後の一線だけは越えさせず、逆に裏のスペースを効率的に長いボールで突いてポゼッションを確保し、時間を稼ぎながら逃げ切った。大分の混乱ぶりに助けられた感はあるものの、「勝ち切った」という表現を用いても間違いには当たらないだろう。

選手寸評
MF#20 和波智広

 オーバーラップそのものは質、量とも申し分のないものだったが、仕上げの部分がいただけない。あれだけクロスがあさっての方向に飛んでいってはどうしょうもない。工夫もいまひとつ足りない。練習あるのみか。
FW#9 堀井岳也

 細かいミスは相変わらず多かったが、特に後半、絶え間なくフォアチェックを続け、ゴール前に飛び込む場面や体を張ってキープする場面が多く見られた。決定機で決められれば申し分なかったのだが…。

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2004J2#44 甲府0-0札幌@小瀬スポーツ公園陸上競技場

 立ち上がりから、動きが重い。いくら中盤にスペースがあっても使おうという動きがないのでパスもつながらず、出しどころを探しているうちに奪われる。奪われてもトライアングルができていないのでプレスをかけられず、簡単にボールを自陣ゴール近くまで運ばれる。
 甲府の攻撃は、代名詞ともいえるサイドアタックは3バックを採用したことによってサイドでの数的有利をつくれなくなったため脅威が半減しており、須藤へのクサビを山崎が拾う、という形が主。単純な形でもボールの出所にプレスがかかっておらず、裸でさらされる形となった札幌のCBは個人能力が高いとはいえない。従って甲府は容易に同じ形を繰り返すことができる。そうすれば何度かはこちらにほころびが生じ、決定機ができる。エリアにボールが入ったときのマーキングも相変わらずの不如意ぶりで、失点しなかったのは幸運によるものが大きかった。
 とはいえ、甲府の出来が良かったわけでもない。再三、中盤で不用意なパスミスを犯し、カウンターを浴びる。札幌にしてみれば、相当な回数ラインの裏を取れ、ゴール付近でフリーになることも多かった。それでも決められない。打つべきところで打たない、シュートを枠に飛ばせない…。特に岡田はフリーでエリアに侵入したにもかかわらず、わざわざマークされている味方に不正確なクロスを放り込むことを繰り返す。いくら幅広く動いていい形でボールをもらって、目の前の相手を抜いてもゴールにつながらなければ何の意味もない。別に、シュートを打つのがFWの仕事だと決まっているわけではない。岡田に限ったことではないが、札幌と他のチームとの最大の差はシュートへの意識かもしれない。

選手寸評
MF#19 鈴木智樹

 ボールに絡む機会が少なく、守備も軽い。何本かいいパスはあったが、この位置の選手に求められる仕事量からすれば、微々たるものに過ぎない。展開力を生かすためにも、全ての面でレベルアップが必要だろう。

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