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EURO2012 Quarter-finals(6/22)

Germany 4-2 Greece
 ミドル、飛び出し、セットプレーと、引いた敵をやっつける博覧会のような取り方をしたドイツだが、果たして狙い通りだった、と言い切れるのか。少なくとも、レーヴとクローゼは考えを共有していたはずで、11番はバリケードの中にとどまることなく巧みに味方へスペースとボールを供給していた。ただ、そこに入っていく動きが何回あったか。常に人垣を前にしていたことは考慮するにしても、ロイスもシュールレも自分のプレーをしようとするので精一杯で、全体の流動性が引き出されていたとは言い難い。しかも、相手があまりにも出てこなかったからか、持っていれば何も起きないのに焦れて無理なボールを入れてプレゼントしてみたり、このレベルでは考えられないような集中を欠いたパスミスやボールロストも数多く犯した。オランダ戦でもこういった時間帯があったが、今回はその一つが失点につながった。戦況を見る目をさらに磨いていく必要があるだろう。もっとも、さしていい内容でなくても次には進んだ。若手に経験を積ませることもでき、彼らが結果も出した。精神的にはいいこと尽くめで、勢いに乗れる結果と言えよう。戦術的に多少の修正点はあるが、あと2つ。頂上がくっきり見えてきた。
 守るだけでカウンターすら仕掛けないチームがここにいる資格はない。ギリシャはそのことを証明しただけだった。攻撃を2人に「倍増」させた後半にミスを突いて追いつく強かさこそ見せたが、内容はレーハーゲル時代よりむしろ後退している。4試合を通して、見どころはF・サントスの采配だけだった。

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EURO2012 Quarter-finals(6/21)

Portugal 1-0 Czech Rep.
 チェコはよほどC・ロナウドが怖かったのか終始ズルズル下がり、ボールを持っても何かに怯えているかのようにあらぬ方向に蹴るばかりでオーバーラップもなく、まるで別のチーム。わざわざ引っ張り込んだ挙句、局面では個人能力で上回る相手に劣勢を強いられ続けたのだから自滅と評するほかない。前線でボールをよく受けていたダリダを早々に下げて中盤の守備固めに走った交代策といい、ベンチワークに問題があったことは明らかだ。相手を過大評価し、自分たちの強みであるパスフットボールを放棄する愚を犯した臆病さに罰が与えられたのだ。
 前線以外はほとんどノープレッシャーでプレーできたのだから、ポルトガルはさぞかし楽だったはずだ。とりわけR・メイレレスとモウティーニョは存分にダイナミズムを発揮して至るところからチャンスを量産し、相手を追い詰め続けた。出るはずもなかった不安要素は、持ち越したとも言える。真価を問われるのは次だろう。

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EURO2012 Group stage#12(6/19)

England 1-0 Ukraine
 リスクを冒す必要のないイングランドは例によってボールを譲って中央を固める。その割には間に入られるとスペースが空いたり、簡単にクサビを入れられたり、あまり堅牢とは言いかねる守備だった。例えばカッサーノに同じようにされて、マルキージオが突っ込んできたら、崩壊は免れまい。ワールドカップの借りを返したかのような判定にも救われた。プレーすることを放棄して得られるものには限界があるはずだ。
 ウクライナは、ここまでも志向してきたボールを大事にし、サイドを使うことはしていた。ただカウンターを警戒し過ぎたのか後方からのフォローが薄く、前線でも縦横のポジションチェンジなどの動きが足りなかったことでゴール前に置かれたバスを動かすには至らなかった。いい突破も見せたが、プレー選択の甘さや精度の低さが目立ったヤルモレンコやコノプリャンカにとっては、ポスト・シェヴァの時代に向けていい勉強になっただろう。彼らを筆頭に若いタレントが揃い、規律もしっかり守られている。明るい未来を予感させる3試合だった。 

Sweden 2-0 France
 メクセス?透明人間の名前か?スウェーデン人か?散々マッチアップしているはずのミランの同僚のマークもロクにできず、それ以外にも集中を欠いたプレーのオンパレード。挙句の果てに要らないカードをもらって出場停止とあっては、いない方がチームにとって有り難いかもしれない。
 攻撃もテクニシャン揃い、と言えば聞こえはいいが、実態は足元から足元の各駅停車か、「通れば面白い」という名の意思疎通を欠いたパスばかり。相手のDFは俊敏性を欠いていたのだから、ちょっと走れば簡単に外せたはずなのに、彼らがそうした回数など片手で足りるはずだ。せめてベンゼマがストッパーを背負って引き付けてくれれば良かったのだが、彼も引いて受けて周囲と同じプレーをしたがるばかり。もっとも、ポストができるジルーが入ってもやり方が変わらなかったり、足元タイプばかり投入してジルーが10分しか与えられなかったところを見ると、ブランはスペインでも目指しているのかもしれない。奇しくも次はその本家。このゲームのようなプレーが続くなら、完成度と支配力の差を以て強烈なレッスンを受けることになるだろう。
 スウェーデンはほとんど守っているだけだったが、ヴィルヘルムソン1人が裏や斜めに走っただけでイブラが空く回数が増え、多少は攻撃できるようになった。ベテランの経験値のなせる業ではあるが、先発した誰かが真似できないほどのものでもあるまい。こんなところにもチームの完成度の低さが現れている。ついにエースを生かすことができたのが、最後の45分とは皮肉としか言いようがない。

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EURO2012 Group stage#11(6/18)

Italy 2-0 Republic of Ireland
 大凡戦。アッズーリはデ・ロッシを前に出したことで後方の起点を失い、出所がピルロ1枚になったことで前に入るボール自体が減り、後列の飛び出しも使えない。セットプレー2発で何とか次に進む権利は得たが、3バックだとサイドを狙われ、4バックだとチーム自体が機能しない。デ・ロッシの配置を含め、考えなければならないことが山積みだ。
 アイルランドは気持ちこそ入っていたが、そもそも何かをするためにチームがつくられていない。スペイン戦のようにボールがあっという間に回収されることはなかったが、ファイナルサードやその前で自分たちの技術不足で失っているのだから結果は同じ。30年前の発想で勝てるほど現代のコンペティションは甘くはない、ということを痛感させられただけだった。

Spain 1-0 Croatia
 引き分けで十分なスペインは回すことは回しても相手が守ってきたこともあって、走らせて足を止めてしまえばどこかで取れる―と言わんばかりに、あえて深い位置で受けたり裏に出ようとしていなかったようにも見えた。ただ切り替えの守備まで緩み、特にクロアチアが攻撃的な交代をしてきた後に再三決定機をつくられた部分は修正しなくてはならない。
 クロアチアはプラン通りのゲーム運びだったろうし、最後までよく走り、よく戦った。マンジュキッチとイェラヴィッチの2トップはどこにとっても脅威であることを示し続け、中盤の構成力も高かった。次に進む資格は十分にあったはずだ。それだけにイタリア戦を取り切れなかったことが痛恨だった。

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EURO2012 Group stage#10(6/17)

Portugal 2-1 Netherlands
 開始から猛ラッシュをかけたオランダ。凄まじい勢いで前線へ殺到し、ボールを運ぶ。ところが、当然のように先制した途端にペース配分でも考えたか、テンポを落としてしまう。自陣で軽率なミスを繰り返したこともあり、あっという間に流れを失い、最後まで立て直すことができなかった。彼我ともに組織力に難があり、押されたら押されっ放しになる傾向が強いだけに、せめて必要なスコアにするまでは攻め続けるべきではなかったか。攻撃的な選手を多く使ったことへのリスクマネジメントにもなったはずだ。個人プレーがはびこり、逆説的な意味で「タレント力の総和=チーム力」ではないことを示し続けたオランイェ。タレントには事欠かないが、個ばかりを尊重するメンタリティーを変えていかない限り、敗北の歴史は繰り返されるだろう。
 ポルトガルだって、集中を欠いて入ったわけではなかったことを失点直後から示した。ポスティガが幅広く動いてボールを引き出したことで、C・ロナウドが入っていくスペースが生まれ、何人かは常にフリーランを繰り返して的を絞らせない。前半の残り時間は一方的に攻め続けた。追いついても手を緩めず簡単にボールを失わなかったのが、敵を疲れさせ、最終的に違いを生んだ、とも言える。後半は別に無理をする必要もなくなったので、足元でばかりプレーする相手を外さない程度にお付き合いして、たまにカウンターを仕掛けるだけでよかった。ただ、このゲームこそ謎のペースダウンに救われたが、C・ロナウドが戻らないことで中盤にスペースが空きやすく、根本的にコレクティブな相手への対応に問題を抱えているのは間違いない。そしてチェコはそういうチームだ。苦戦は免れないか。

Germany 2-1 Denmark
 勝たなければならないデンマークが攻撃的に出てきたことで、互いに攻め合う面白いゲームになった。ともに間で受けて、裏で引き出して、と言う動きを怠らないので守備側がサボっているわけでもないのにどんどんボールが動く。ドイツはここまではボールを待っている感じだったミュラーとポドルスキが主体的に動き出して中央でも受けようとしたことでパス回しの選択肢が増え、再三にわたるケディラの飛び出しも引き出した。もっとも、これをやると今度は基本的にボックス幅でしかプレーできないゴメスの居場所がなくなる。戦術や起用の選択肢はいくつかあろうが、レーヴも思案のしどころだろう。
 そして、好ゲームは45分で終わった。個人能力と戦術の習熟度の差だろう、後半に入るとデンマークは足が止まり、ひたすら自陣で回され続けるのを耐えてベントナーに蹴るだけになる。彼自身はよくキープできていたが、フォローがなくてはどうしようもない。最強の敵に怯まず向かっていったことには拍手を送りたいし、抱える選手とプレースタイルも一致している。それでも、勝つためには何かが足りない。新たなラウドルップ兄弟の出現を待つしかないのだろうか。

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EURO2012 Group stage#9(6/16)

Czech Rep. 1-0 Poland
 攻守ともに積極的にプレーした開催国。前半はコンパクトなゾーンを高い位置に敷いて相手に何もさせず、奪えばブワシュチコフスキやオブラニアクがポジションにとらわれずボールを引き出し、時には近い位置でプレーしてポイントをつくる。ただ、この両者が動き回った分サイドアタックが減り、レヴァンドフスキを生かしきれなかった。それでも立ち上がりはハイラインプレスで押し込み、シュートチャンスも何度もあっただけにその時間帯で取れなかったことが結果的に響いた。後半に入ると前半のハイペースが響いたにしても、あまりに早く足が止まり、逆に何もできなくなる。交代選手も活力を与えるには至らず、あえなく敗退となった。3試合とも90分間パフォーマンスを維持することができずじまいで、心身ともに持久力が足りないことを露呈した。チームとして何を目指すのか、という明確な指針も見えなかったし、自力で大舞台に戻ってくる日は遠そうだ。
 チェコは後半こそ普段のパス回しとサイドアタックを取り戻したが、前半のような展開でこそ、何かを起こすため、苦しんでいる味方からボールを引き出すための動きをバロシュやコラシュがしなければならなかった。とりわけ前者の切れのなさは深刻なレベルで、スペースを享受してもなお、ボールこそ受けられたがそこからの有効なプレーは数えるほど。そろそろ人を代えることも検討すべきか。

Greece 1-0 Russia
 いつも通り相手を見ながら、徐々にカウンターを繰り出し、ゲームを支配したロシア。あまりに軽率なプレーから失点しても、1点あれば良かったのだからまだ余裕はあったはずだが、守備を固めた相手に中央突破を繰り返してリバウンドをミドルシュートするばかり。アルシャヴィンだけは途中からそれに気づいてサイドでもらおうとしていたが、ほかの選手がまた真ん中に行ってしまい、効果はなかった。攻守に高い連動性を持ち、タレントの質も高い魅力的なチームだっただけに、ミスで失った得点を取り戻そうと焦って自分たちのすべきプレーを見失った最後の2試合はもったいなかった。
 ギリシャ?後半を守り倒した集中力は賞賛に値するが、それ以外は何もしていない。グループリーグを通して質が低かったし、棚ボタで救われただけ。しかもカラグーニスを失ったとあってはいい予想をする方が難しい。

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EURO2012 Group stage#8(6/15)

England 3-2 Sweden
 どちらも組織的に攻めていたわけではないが、イブラに絡む意識があったのがシェルストレームぐらいだったスウェーデンに対して、初戦とは違ってジェラードやパーカーが味方のため労を惜しまず前線まで走ったイングランドがその分上回った、ということだろう。ただ、局面を打開したのはウォルコットの速さやA.ヤングの技術といった個であり、組織的な、かつホームのウクライナ相手に同じようにできるとは限らない。守備でも1人注意しておくだけでいいのにその1人に簡単にボールを持たれ、何度も突破されかけているようでは厳しい。先は見えてきたが、その先まで行けるかどうか。
 スウェーデンは稀代のタレントを生かせるだけの意識も組織もなく、堅牢だったはずの守備も緩さ、脆さばかりが目立った。敗退は妥当だったと言うほかない。ベテランが多いことを見ても、トンネルの入り口に差し掛かっているのかもしれない。

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