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東アジアサッカー選手権2010決勝大会 日本1-3韓国@国立競技場

 これは、世界を驚かせるに違いない。横パスだけで相手を攻略しようという、フットボール史上、例を見ない斬新な発想がだ。ラスト20メートルまでバルサの真似ごとをするぐらい、コンサドーレだってできる。そこからアジアレベルでも戦えないアタッカーしか持たないチームがどうゴールチャンスを生み出すかが、世界でコンペティティヴなポジションを得ることににつながるのではないのか。この方法を30年ぐらい続けて、メッシやイブラヒモヴィッチのようなアタッカーが突然変異のように現れることを期待する、というのならまだ理解できないでもないが、4カ月後に何ができるか、と考えると絶望的だ。
 トップが降りてきてボール回しに参加すること自体は悪くない。ただ、彼が空けたスペースに誰も出て行かなければ、ボックス内は常に1人。しかも、それが岡崎か玉田。であれば、どんなラストパスを送ればゴールにつながるのか。回すだけ回しているうちに、スペースはほとんどなくなっている。そうなると、電子顕微鏡が必要になるほどの精度が要求される。フリーでもパスがずれる日本人に、今からそれを求めるのは無理というものだ。しかも、誰も仕掛けようとしないから、スペースが生まれることも期待できない。チームとしてどういう形で、どう点を取ろうとしているのかが全く見えてこないし、個々がどうすればスコアできるのか、ということを考えていないからワンパターンの動きしかせず、同じように弾き返されるのだ。俊輔や長谷部がいない、というのは言い訳にならない。彼らが生み出せる違いなんて、インターナショナル・レベルで見れば微々たるものにすぎないからだ。トップクラスの選手を集めたはずの代表がこれでは、札幌に文句を言えなくなる。大して変わらないんだから。
 ただ、監督は我々の方が優秀なようだ。早い段階でアクシデントで1枚交代カードを失ったことは不運だったが、1人減った後半開始から唯一仕掛けられそうな香川を削って4バックを維持する形にして、何をしたかったのか。点を取らなければならないのにサイドバックは出て行かないし、中盤も回しているだけ。相手も1人減って、やっとSBを押し出す形になったが、今度は真ん中が4枚揃えてブロックをつくった相手に対して数的不利になって何もできなくなる。挙げ句の果てに、チャンスすらつくれない状況で切ったカードが佐藤。時間を見ればコンディション調整ではないことは明らかだ。ボール回しにも加われないし、仕事をするゾーンも重なる彼と岡崎の2枚で決定機をつくる方法があるのなら、教えてほしいものだ。仮にリッピがインザーギを2人持っていたとしても、この状況で同時に使うことはないだろう。
 ポゼッションとコンビネーションで崩す、という理想を追うのは美しいことだが、現在のフットボール・シーンでそれを許されるのは、テクニックとディシプリンを兼ね備えた選手を数多く持つ(つくり上げた)グアルディオラと、同じ選手を配下に持てるデル・ボスケぐらいだろう。そんな人材は持ち合わせていない日本がこのゲームの状況を打開しようとするのなら、平山を投入して、当てたセカンドボールを狙うのが最も現実的な選択だったはずだ。仮にデンマークを相手に同じシチュエーションになっても(最終ラインの人材や戦術の質の低さを見れば、その可能性は十二分にある)、岡田氏は同じカードを切るのだろうか。
 4年前と比べれば、チームコンセプトがあるだけ随分マシだが、それを表現できて(させられて)いないのでは結果はそう変わるまい。それが嫌なら、JFAはヒディンク氏の招聘に全財産を投入するか、不老長寿の薬を開発してオシム氏を呼び戻すことに全力を傾注すべきかもしれない。今の監督が4カ月後に歓喜をもたらせるか、となると、引き攣った薄笑いを浮かべるしかない。

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