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2010 FIFA World Cup South Africa:Semi-finals(7/7)

Spain 1-0 Germany
 スペインは、ドイツにフットボールをさせなかった。ボールを回し続け、前に進むことすら許さない。もっとも、完全に支配したが故にブロックを固められ、2列目からの飛び出しなどの工夫もなかったので無理な突破や逃げた末のサイドばかりになり、勝ち目のないクロスを入れてはメルテザッカーにはね返され続ける。しかもパスミスや状況に合わないプレーを繰り返し、決定機自体は多くなかった。守備でもホールに入り込んでプレーするエジルを捕まえきれず、クローゼを離すこともありポゼッションの割に危険な場面をつくられたが、終盤のパワープレーに対しては素晴らしい集中力を発揮した。オランダは守ろうとしてくるだろうが、攻守にわたる組織力においてドイツに比べればはるかに与しやすいはずだ。このゲームで得た教訓を生かさなくてはならない。
 ドイツは相手の素早いネガティヴ・トランジションに苦しみ、ボールを奪うことすらままならないうちに大半の選手が前に出ていく意欲すら失い、2、3枚しか攻めにかけられなかった。それでもスペインとそう変わらない数のチャンスをつくって質の高さは示したが、足りないものは足りない。ミュラーの不在を嘆くことになった。ただ、2年前とスコアこそ同じだがクオリティーはまったく違う。もちろん、彼らが大幅に向上したからだ。カウンターのみならず遅攻でも相手を脅かせるようになっているし、誰もがハードワークする。今大会でも間違いなくベストチームだった。しかも、若い選手が多く相当な伸びしろをまだ残している。4年後が楽しみだ。

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2010 FIFA World Cup South Africa:Semi-finals(7/6)

Netherlands 3-2 Uruguay
 前半はともにこれまで通りリスクを冒さず戦い、後半にオランダがファンデルファールトを入れて出てきたが、ウルグアイもスペースを与えず、厳しい当たり、アレバロを中心とした素早いカバーに陰りはなく、むしろ相手の中盤にスペースができ、カウンターを浴びせる機会は増えていた。そこで枚数が足りず、リスクを冒しきれなかったことで彼らの勝機は遠のいた。結局、不運な失点を喫し、気持ちが切れたようにもう1点。そこからの20分、彼らは攻めるでも守るでもなく時間を空費しただけだった。ベンチも動こうとせず、選手交代が明らかに遅い。最後の2、3分だけ攻めにいったが、2点を返すには不十分だった。ノーチャンス、というほどの差はなかっただけにもったいなかった。
 オランダはまたしても幸運に恵まれた。流れを引き寄せるまではできても、相手をねじ伏せてまではいない。手持ちの人材を考えればそれをできる場面がもっとあってもいいはずだが、今大会は皆無だ。うまく隙を突いている、とも言えるが、いくらなんでも次の相手は簡単に隙を見せてはくれまい。真の実力が試されるはずだ。

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2010 FIFA World Cup South Africa:Quarter-finals(7/3)

Germany 4-0 Argentina
 早々に先制して無理をする必要がなくなったドイツは、プレスは控えめにして、昔の武士のように単独で突っ込んでくる相手アタッカーを待ち構えてあっという間に囲み、素早いフォローでこぼれ球を拾う。攻めてもケディラやラームといった後方の選手もマイボールになるや即座にパスコースをつくり、ほとんどワンタッチで回しながら相手を脅かし続けた。悪い内容ではなかったが、ゲームをコントロールしていたとまでは言えない。ネガティヴ・トランジションこそ速かったが、そこを交わされると最終ラインとの間にはスペースがあり、ブラジルやアメリカのような組織的なカウンターを仕掛けてくる相手であれば、こんなに楽には戦えなかったはずだ。事実、アルゼンチンが押し上げてきた後半はセカンドボールを拾えず、押し込まれる時間帯が続いた。それでも、これまでのアルゼンチンの相手のように「個」に対して組織で向かっていっても易々と破られるほど彼らの個人能力も低くはない。結局、一線を越えさせることはなかった。スペインはここまで簡単に攻めさせても、守らせてもくれないだろう。ライン間やサイドバックの裏のスペースにもっと注意を払ってプレーする必要がある。
 アルゼンチンは最後まで個々人が勝手にプレーしているだけだった。攻守にわたって1対2、1対3の状況ばかりでは、いくらワールドクラスを揃えていても敵うはずがないし、それを打開しようという動きもなかった。例えばエジルの引いたりスペースで受けたりする動き、ミュラーの斜めに動いて飛び出す動きをする選手が1人でもいれば違った展開になっていたはずだ。守備も規律がないからマスチェラーノにとんでもない負担がかかる。近年でも最高級の選手を揃えていただけに、監督の用をなさない人物をベンチに置いていたことが惜しまれる。

Spain 1-0 Paraguay
 まるで、ここまでの試合のリプレイを見ているようだった。動けないフェルナンド・トーレスが流れを止めるスペイン。そこにバラグアイが仕掛けてきた高い位置からのプレスや素早い囲い込みが完全にはまり、滅多にボールを失わないシャビやイニエスタまでがミスを繰り返してリズムをつかめない。その原因が一選手の調整に毎試合の半分以上を費やしているベンチにあるのは明白で、もしあのPKが決まっていればデルボスケは歴史に残る愚か者として記憶されることになっただろう。
 そして、例によってF・トーレスを下げた途端にボールが回りだす。さらにペドロも入れてバルサの選手たちのコンビネーションで組み立てていた時間帯が一番スペインらしいプレーをしており、決勝点も奪ったのだから皮肉なものだ。もはや答えは明確になったのではないか。ドイツには、中途半端は間違いなく通用しない。
 パラグアイは集中を切らさず、下がることなくよく守り、危険なカウンターを何度も浴びせた。勝つ資格は十分にあったが、ことごとくカシージャスに阻まれた。このゲーム、真の勝者は「聖イケル」かもしれない。

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