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2010 FIFA World Cup South Africa:Group matches(6/18)

Serbia 1-0 Germany
 セルビアが良かったのは最初だけ。それ以降はズルズル下がってただ跳ね返すだけになり、相手が1人減ってもそのまま。外しまくった相手に救われたにすぎない。クラシッチを重点的に使ってバドシュトゥーバーと競らせ、ファーでジギッチをラームに当てる狙いは有効だったが、雑なパスも目に付いたし、このメンバーならもっと立ち上がりのような質の高い攻めができたはずだ。「後がない」という思いが逆に出たのかもしれないが、次もこの体たらくなら足をすくわれかねない。ドイツは数的不利を感じさせないプレーをしたが、アイディアとダイナミズムの足りない攻めに終始したことでポドルスキ以外は最後のところを破り切れず、その彼は次から次へ外す。仕上げにPKを外した後は、意気消沈したかのようにチーム全体の足が止まり、そのまま終了まで何もできずじまい。俗に言う「ゲルマン魂」は見る影もなかった。

Slovenia 2-2 USA
 スロヴェニアはボールを動かして前に運ぶまではよくできていたが、その先の質が低い。サイドバックのフォローも遅く、サイドに展開してもスローダウンするか、不正確なクロスが彼方に飛んでいくばかり。完全に足が止まっていたのに動こうとしないベンチワークも不可解だった。アメリカもいつもの組織的なカウンターが影を潜め、チャンスは放り込みか独力突破(それに伴うセットプレー)に限定された。2点差を追いついたといっても、フットボール的に次につながる要素はないだろう。また、双方ともに最終ラインが緩い上にミスが多過ぎた。スロヴェニアの2得点、アメリカの1点目…ラインコントロールに判断等々、このレベルでは考えられない。ついでに、レフェリーもこのレベルにはなかった。理解不能な笛を繰り返し、ゲームを混乱させ続けた。

England 0-0 Algeria
 緩急をつけながらボールをよく回し、守備でもボールを奪う姿勢を失うことなく素早くスペースを埋め、ボックスに入ってくるボールは集中を切らすことなく跳ね返す。運動量も闘争心も最後まで衰えなかった。アルジェリアは勝利に値するプレーをしたが、ゴールだけが足りなかった。いいボールは入っているのに、本職のトップの選手がいなかったせいか、肝心なところの枚数が少ない。後方の選手に、味方を追い越してもう何メートルか前に出て行く勇気が必要だった。イングランドは手持ちの人材に似つかわしくないロングボールと単調なビルドアップの繰り返しで偶然以外ではチャンスをつくれず、プレスをかけてもかわされ続ける有様。どの辺が優勝候補なのか理解し難いプレーに終始した。確かに次を取ればトーナメントだが、こんなプレーをしているようでは勝ち進む可能性は低いだろう。

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2010 FIFA World Cup South Africa:Group matches(6/17)

Argentina 4-1 Korea Republic
 「個人」以外の戦術が見当たらない―。聞きしに優る放縦さだ。攻めのみならず、守備まで。チャレンジもカバーも、局面ごとの個人の才覚のみでプレーしているアルゼンチン。メッシが頻繁にセンターサークルまでボールを受けにくるなんて、相手の監督なら泣いて喜ぶし、グアルディオラなら目を剥くような才能の浪費だが、グループリーグならそれでも他の才能でお釣りがくる。ただ、これを分断するのはバルサを攻略するよりはるかに簡単だ。例えばモウリーニョが取った策の粗悪なイミテーションでも、それこそお釣りがくるだろう。トーナメントのレベルになった時、苦戦は免れまい。それだけに、韓国が攻めに出なかったことが不可解だ。立ち上がりから「メッシは空を飛ぶ」とでも思っていたかのような消極的な態度で防戦一方になり、ほとんど最後までそのままだった。何回かはあったが、3人目の動きを入れてやるだけで簡単に裏を取れたのに、もったいないことをしたものだ。

Greece 2-1 Nigeria
 どの辺が、ワールドカップのゲームだったのだろう。ギリシャがプレーしようとしていたことはフットボールにとって喜ばしいことだが、相手にとっての脅威は限りなくゼロに近づいた。ナイジェリアに至っては何がしたいのか判然としない上、あの馬鹿な退場。その直後に攻撃の枚数を増やす交代策で、見事に流れを我が物にしたレーハーゲルの采配ぐらいしか見るべきものはなかった。

Mexico 2-0 France
 メキシコは、初戦の教訓を生かした。中盤で常にパスコースをつくって回すまでは普段通りだったが、南アフリカ戦にはなかった裏への飛び出しをジオバニやバレラ、エルナンデスらが徹底して行った。それによって点を取ったのはもちろん、ショートカウンターを狙いたいフランスの攻めの距離を長くする効果もあった。必ず挟みに来る中盤から前のディフェンス、再三のセットプレーを跳ね返し続けた最終ラインの集中力も素晴らしかった。最高のゲームができたのではないか。フランスは前半の一部の時間帯でこそプレスが機能していたが、そこから先がバラバラで、どう崩すのか、というチームとしての意図が見えずじまい。DFも状況を考えずにラインを上げるから山のようにピンチを招いた。一体感のなさは2年前のEUROから何も変わっていない。帰りの切符を手配しておいたほうが良さそうだ。

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2010 FIFA World Cup South Africa:Group matches(6/16)

Chile 1-0 Honduras
 絶え間ないパス&ゴーで常にパスコースを複数つくり、必ず誰かがいいタイミングでボールホルダーを追い越してくるから、余計なことをしなくてもそこにボールが出せる。誰がどのポジション、ということもなく状況に応じて出てくるので捕まえられることがない―。チリは相手に何もさせなかった。あえて課題を探すなら、2点目が取れなかったことぐらいか。切り替えも速かったし、相手の出方に応じたシフト変更に対応できる柔軟性も見せた。どこまでいけるか、楽しみなチームだ。ホンジュラスは、本当に何もない。90分間ウォームアップをさせられていたようなものだった。

Switzerland 1-0 Spain
 今のスペインが負けるとしたら、こんな形ぐらいしかない。守り倒され、事故のような失点、わずかなところで入らないシュート…。明らかにコンディションの悪い選手もいたし、やはりボックス内で7人も守っているところを出し抜くのは容易なことではない。ただ、ほとんどの時間帯を同じリズムでプレーしたことで相手を守りやすくし、自分たちも疲れてしまった側面はあった。誰かが長い距離を走ってボールを引き出したり、パス回しに緩急をつける必要があるだろう。
 スイスのような元々堅いチームが、守ることに全精力を注げばこれぐらいできても不思議ではない。ただ、いくらなんでも次は「普通」にプレーするはずだ。幸運はそう何度も続かないし、点を取りにいかないのはフットボールではないからだ。チリのダイナミックなプレーにどう対処するか。このグループの鍵を握るゲームになるだろう。

Uruguay 3-0 South Africa
 ウルグアイは、フォルランを有効活用するという、極めてまっとうな結論に達したようだ。間やサイドの捕まえづらいポジションで常に受けて視線を集め、空いたスペースに周囲が走る。そこに判断よく散らす。時間が進むにつれてトップ以外の選手も入ってくるようになり、攻撃の厚みは増した。スアレスも本来の切れを見せたし、戦い方を見つけたのではないか。南アフリカは攻めに人数をかけて積極的にプレーしたが、回している間に集散の速い守備陣に囲まれ、パスミスをかっさらわれることの繰り返し。相手のカウンター志向を考えれば、従来どおりのやり方をする、という選択肢もあったか。

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2010 FIFA World Cup South Africa:Group matches(6/15)

New Zealand 1-1 Slovakia
 ロングボールと足元ばかりのパス交換に終始したニュージーランドと、個人が2、3人の関係でしかプレーしないスロバキア。チャンスをつくることもままならない、退屈な内容に相応しい結果だろう。間違いないのは、両チームともこのグループのコンテンダーたり得ない、ということだ。

Cote d'Ivoire 0-0 Portugal
 途中までは双方とも自陣にブロックをつくって潰し合い、足が止まってからは何となくポルトガルがボールを持っていたが、いずれにしてもグループで崩すアイディアに乏しく、個人の突破に頼るばかり。まさか、守り倒されたら弱そうなブラジルへの対策をシミュレートしていたわけでもあるまい。チャレンジは皆無でリスクを冒そうとしない内容は、世界中のファンの期待を裏切るものだったといえよう。

Brazil 2-1 Korea DPR
 北朝鮮は規律を持って理性的にプレーしていた。低いラインをキープして常に相手のアタッカーを前に置けていたし、ロビーニョやカカの仕掛けに対しても簡単に飛び込まなかったのでセットプレーも与えない。攻撃も2トップの連携が良かったので、枚数が少ないといってもある程度の可能性を感じさせた。これからの対戦相手にも「容易ならざる敵」との印象を与えたのではないか。
 ブラジルはボールを持ってはいたが、最終ラインの前で突っ立っているだけで相手を崩す工夫はほとんどせず、枚数もせいぜい4人。相手の攻めの人数を考えればもっとオーバーラップを仕掛けても良かったはずだ。マイコンの飛び出しが得点につながったことが、逆に何が彼らに足りなかったのかを浮き彫りにした。また、先制するまでは何もしようとせず、2点取ってからは攻めることばかり考えて簡単に失点するなど、試合運びの拙さも目についた。半ば「ナメて」いた部分もあっただろうから、引き締めてはくるだろうが…。 

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2010 FIFA World Cup South Africa:Group matches(6/14)

Netherlands 2-0 Denmark
 強固で集中の高い守備ブロック、オランダの最終ラインの裏や間を素早く狙う攻撃―。前半のデンマークは、いい「教材」を残してくれた。逆に後半のプレーぶりは、このレベルの相手にそれを90分間続けることがどれだけ困難か、ということも示した。やはり、ある程度ボールを持つ時間をつくらないと疲労する時間帯が早まる。デヨンクとファンボメルを避ける意図もあったのかもしれないが、ビルドアップを放棄して何もできなかった彼らの姿は反面教師として記憶しておかなければならない。オランダは前半こそ苦しんだが、幸運な形で先制した後は相手の無策にも助けられ、悠然と逃げ切った。それでも、何度かあった厚い壁を崩す可能性を感じさせる鋭いクサビからのビルドアップ、ファンデルファールトとエリア(≒ロッベン)という全く個性の違う選手でも何の問題もなく機能させられる懐の深さなど、強さの片鱗は見せた。「本番はまだ先」といったところだろう。

Japan 1-0 Cameroon
 どちらが勝者に相応しかったかは、明らかだ。日本は明確な目的意識の下、規律を持って戦い、押し込まれている中でも前に出ることを忘れずに全員がハードワークを貫いた。本田、松井、大久保の仕掛けやキープといった個の力も相手に脅威を与え続け、守備にも大きな助けとなった。ただ、これだけ頑張ったのに、個々がバラバラにプレーするだけで、最後もパワープレーに訴えるしか手がなかった相手に薄氷を踏む思いをしてやっと勝てた、という現実は、日本が世界の中でどの辺にいるのか、ということを冷徹に指し示している。実際、同組の前のゲームとのレベル差は相当にあった。その差を埋めるためにはこのゲーム以上の献身、集中が必要になる、ということだ。選手は当然わかっているだろうが、観る側にも覚悟が求められる。

Italy 1-1 Paraguay
 イタリアは、よくボールを回していいプレーをした。ただ、意外性に欠ける内容に終始したことで、パラグアイの守備陣は余裕を持って対応できていた。素早いカバー、正確なポジショニング。これを破るには、ポジションチェンジなど相手のブロックを動かせるようなリスクを冒すプレーか、特別なプレーヤーが必要だった。そうでなければ、相手のミス―。それをモノにしたイタリアの勝負強さを褒めるべきか。ただ、レベルの落ちる相手なら、もっと取っていても不思議ではなかった。パラグアイは守っているだけだったが、イタリア戦に特化した戦術を組んだのだろう。逆にこれだけ守れるのなら、ある程度結果は計算できる。次からはまた違った顔が見られるはずだ。どちらも見通しは暗いものではないだろう。

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2010J2#17 札幌2-2愛媛@函館市千代台公園陸上競技場

 ベンチが、ゲームをぶっ壊した。前半は前に向かう意欲が高く、パス&ムーブも珍しくできており、アウトサイドが高い位置に張っていたこともあり厚みのある攻めができていた。その反作用としてサイドの裏を狙われて再三クロスを上げられてはいたが、失点は1だけ。むしろそれ以上取れる可能性の方が高かった。然るにベンチは失点を恐れて後半からフォーメーションを組み替え、少なくともサイドアタッカーとしては機能していた古田をサイドバックに下げ、当然のようにそれが機能しなければ彼を代える。まったく理解不能だ。
 物理的に人が足りない中で、何をチームに求めたのか。後半のような、攻めるでも守るでもない中途半端な代物を、ベンチは志向していたのか。穴はあっても意欲的に前に向かうプレーの方がはるかに訴求力が高いし、結果にも近いはずだ。こんな采配を見ると、今季続いている、どっちつかずの試合運びはベンチの責任ではないか、と感じてしまう。
 1シーズン半もやっているのだから、いい加減方向性ぐらいは明確にすべきだ。監督の頭の中にはあるのかもしれないが、それがピッチ上で表現されていない現状を見れば、選手に対しても観客に対してもアピールが十分ではない、と判断するしかない。「育てて勝つ」ことが容易ならざるミッションであることはわかるが、彼がそのためにここにいる、ということもまた事実。「時間がかかる」と言うことは誰でもできるが、結果を保証できるのはわずかだ。選手のせいにばかりしていないで、監督もそろそろ自分の能力を示す必要がある。

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