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2010 FIFA World Cup South Africa:Quarter-finals(7/3)

Germany 4-0 Argentina
 早々に先制して無理をする必要がなくなったドイツは、プレスは控えめにして、昔の武士のように単独で突っ込んでくる相手アタッカーを待ち構えてあっという間に囲み、素早いフォローでこぼれ球を拾う。攻めてもケディラやラームといった後方の選手もマイボールになるや即座にパスコースをつくり、ほとんどワンタッチで回しながら相手を脅かし続けた。悪い内容ではなかったが、ゲームをコントロールしていたとまでは言えない。ネガティヴ・トランジションこそ速かったが、そこを交わされると最終ラインとの間にはスペースがあり、ブラジルやアメリカのような組織的なカウンターを仕掛けてくる相手であれば、こんなに楽には戦えなかったはずだ。事実、アルゼンチンが押し上げてきた後半はセカンドボールを拾えず、押し込まれる時間帯が続いた。それでも、これまでのアルゼンチンの相手のように「個」に対して組織で向かっていっても易々と破られるほど彼らの個人能力も低くはない。結局、一線を越えさせることはなかった。スペインはここまで簡単に攻めさせても、守らせてもくれないだろう。ライン間やサイドバックの裏のスペースにもっと注意を払ってプレーする必要がある。
 アルゼンチンは最後まで個々人が勝手にプレーしているだけだった。攻守にわたって1対2、1対3の状況ばかりでは、いくらワールドクラスを揃えていても敵うはずがないし、それを打開しようという動きもなかった。例えばエジルの引いたりスペースで受けたりする動き、ミュラーの斜めに動いて飛び出す動きをする選手が1人でもいれば違った展開になっていたはずだ。守備も規律がないからマスチェラーノにとんでもない負担がかかる。近年でも最高級の選手を揃えていただけに、監督の用をなさない人物をベンチに置いていたことが惜しまれる。

Spain 1-0 Paraguay
 まるで、ここまでの試合のリプレイを見ているようだった。動けないフェルナンド・トーレスが流れを止めるスペイン。そこにバラグアイが仕掛けてきた高い位置からのプレスや素早い囲い込みが完全にはまり、滅多にボールを失わないシャビやイニエスタまでがミスを繰り返してリズムをつかめない。その原因が一選手の調整に毎試合の半分以上を費やしているベンチにあるのは明白で、もしあのPKが決まっていればデルボスケは歴史に残る愚か者として記憶されることになっただろう。
 そして、例によってF・トーレスを下げた途端にボールが回りだす。さらにペドロも入れてバルサの選手たちのコンビネーションで組み立てていた時間帯が一番スペインらしいプレーをしており、決勝点も奪ったのだから皮肉なものだ。もはや答えは明確になったのではないか。ドイツには、中途半端は間違いなく通用しない。
 パラグアイは集中を切らさず、下がることなくよく守り、危険なカウンターを何度も浴びせた。勝つ資格は十分にあったが、ことごとくカシージャスに阻まれた。このゲーム、真の勝者は「聖イケル」かもしれない。

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