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2009シーズン総括(監督編)

 チームオーダーとしてプレーすることを放棄していたチームに、全く逆のスタイルを植えつける。この困難さを考えれば、1年で結果を求めることは酷だ。もっとも、特定の選手にポジションを与えてどんな状態でも使い続けたり、(試合内容からして)ディテールに関しての指示は控えて選手の自主性を引き出そうとしていたことを見ても、最初から本人にその気はなかったのかもしれない。
 ただ、それによってゲームの質が損なわれたことも多かった。プロとして金を取っている以上、歯がゆい攻め、緩い守りがシーズンの大半で続いたことを「育成」の一言で片付けられては困るし、手を打つことでチームに刺激を与える、という選択肢もあったはずだ。今季だけを見れば札幌の選手の甘さを見誤ったようにも見える(だからこそのベテラン補強の動きなのだろうが)。
 いわば1シーズンを無駄にして、観客を落胆させ続けた、と指弾することも可能なのだ。それをはね返すには近いうちに結果を出す必要がある。できなければ自身が追われるのみならず、チーム自体が消滅の危機に瀕しかねない。それだけの覚悟と自信があっての采配だったと信じるほかないだろう。この51試合で種は十分に蒔いたはずだ。来季は、大きな収穫を得られるようなマネージメントを見せてほしい。

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2009シーズン総括(チーム編)

 一言で言えば、サッカーが下手。極論すれば蹴って走っているだけで、相手を見て、味方を見て、状況に応じてチームとしてフットボールをプレーする、といった領域にはついに達することがなかった。試合ごとどころが、ハーフごとのスパンですら出来不出来が激しかった理由は、ここにある。
 チームとしての経験不足は確かに理由として挙げられようが、それより選手個々の意識が低かったことのほうが重要ではないか。取られてはいけないところで安直な選択をしてボールを失ってみたり、つなげるところで出鱈目に蹴ってボールをプレゼントしてみたり。こういったことの積み重ねがリズムを失わせ、さらに自分たちにのしかかってくる、ということを理解していないから、50試合戦っても同じような展開ばかりになる。今季の選手たちに限らず、このチームは代々「誰かが頑張った」とか「相手がミスした」といった結果オーライの発想しかしてこなかったに違いない。だから何の蓄積もないまま今も同じことを繰り返している。鹿島を見るといい。札幌とは対照的に、勝ち方が代々引き継がれてきているから、あのような巧みなゲーム運びができる。そういったメンタリティーがないのなら、今から積み重ねていくしかない。人の経験を盗む、自分たちで考える-。方法はいくらでもあるはずだ。
 ゴールへ向かう意識の低さも問題だった。ハイボールが得手とは言えないFWに放り込んで後は知らんぷり、といった場面は毎試合のようにあったし、意図のない横パスをノロノロとつないだ挙げ句にミスしてカウンターを食うことも数知れず。その際に誰一人飛び出す動きをしないのは、もはや当たり前。得点も前に行くこともすべて外国人に丸投げしてきた歴史がそうさせるのか、「誰かがやってくれる」とばかりに責任を押し付け合っているようにすら見えた。最終盤になって、やっとクサビ→フォロー→サイドや裏、といった縦への迫力のある攻めができるようになってきたが、まだ意識付けの段階のようで、急ぎ過ぎる傾向が強いし、状況を考えずに縦パスを入れてしまう局面も数多くある。来季はこれに緩急や揺さぶりといった要素を付け加えていかなければならない。
 守備の不安定さについては、特にサイドバックが人材不足で、出た選手が、最低限の絞ったり対面の相手を止めたり、ということすらできない状況でそこを破られるケースが目に付いた。攻撃優先だといっても、ルーティンもこなせないのではどうしようもない。補強するか育てるか、ともかく大幅な改善が求められる。また、「チャレンジ&カバー」というコンセプトの中で、昨季には見られなかった積極的なプレーも数多く見られたが、センターハーフの選手に後ろを見る意識が低く、SBのプレーも含めて「カバー」の部分で機能しないことも多かった。コミュニケーションが成立していなかったり、肝心なところで集中を欠いたり、といった「おなじみ」の失点も減っていないし、日ごろからの話し合い、コーチングといった基本中の基本が疎かにされている、と見做されても仕方あるまい。そこからリスタートしなければならない、ということだ。
 必要なのはインテリジェンスとテクニックだけではない。相も変わらずそこら中に顔を覗かせた甘えも捨て去らなくてはならない。「お試し期間」は終わった。勝負をかけるには、個々の成長をチームの成長に昇華させていくしか方法はない。何が足りない? 全部だ。そのぐらいの危機感を持って、新シーズンに臨まなくてはならない。

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2009J2#51 東京V2-2札幌@味の素スタジアム

 前半に苦戦した原因は、監督。さすがに古田のセンターハーフには無理があった。攻撃でこそ視野の広さや状況判断を生かせる場面がいくつかあったが、守備が壊滅的。頑張ってはいるが、レンジも狭いしカバーする感覚もない。こればかりは本人というより、ほとんどやったことのないポジションで使った方が悪い。サイドとセンターでは求められるものも責任も大きく違う。彼のセンスならトップ下という形であればある程度はこなせたかもしれないが、下がり目では相方の芳賀をもカバーに忙殺させることで殺してしまった。少なくとも今は任せるべきではないだろう。
 最終ラインも相手が事実上2トップ以外には攻めてこなかった割にはポジショニングミスや対敵動作のミスが多かったことで決定機を数多くつくられた。全員がひたすらボールばかりに注目を寄せる悪癖は、早々に駆逐しなければならない。このゲームに限らず、相手のレベルの低さに救われた場面が何度あったことか。
 攻撃では後半の途中からハファエルがキリノの近くでプレーするようになるまではまったく前で時間がつくれず、せっかくリズムが出てきたと思ったら今度は精度が低い上に何の工夫もない放り込みに堕する。セットプレーを生かして追いついたこと自体は評価できるが、焦って縦に入れるばかりでほとんど可能性を感じさせなかったビルドアップや、何度となく試みてことごとく通らなかったサイドチェンジなど、前に進むためには克服しなければならない課題が山ほど出てきた。もちろん、決定機を外し過ぎたことも改善されなくてはならない。ただ、やっと意味のない横パスは撲滅されたようだ。崩すためのアイディアも出せるようになってきている。ゴールに向かっている中でのミスなら、技術的な修正を加えれば何とかなる。この姿勢を忘れなければ、来季も相手に脅威を与え続けることはできるはずだ。
 この51試合、得たものもあったが、やはり勝つことによって得られるものに勝ることはない。その部分でいかに甘かったか、チームの全員が思い知ったことだろう。新シーズンは今季得られた課題をフィードバックして、結果につなげていかなくてはならない。それはベンチも選手もフロントも観客も同じ。甘えを排して、クオリティーを追求していけば、必ずや結果はついてくるはずだ。

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