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2009J2#19 栃木0-1札幌@熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

 立ち上がりから素早いネガティヴ・トランジションを繰り返して相手に蹴る以外のプレー選択の余地を与えず、奪ってからも適切なサポートでトライアングルを形成してボールを動かしゴールに迫る。ここ最近の内容や結果のモヤモヤを払拭したい―という気持ちを存分に見せてくれた。再三バーに阻まれる不運がなければ、スコアの上でも文句なしだっただろう。
 また、クライトンがいないことで無理に中央を経由する必要がなくなってサイドチェンジが増え、さらに各自がアイディアを発揮しようとしたので逆に配球の種類や選手の動きが多様になり、最近冴えなかったキリノや藤田も、動き出すためのスペースやタイミングが増えたことで生き生きとプレーできていた。それによってさらにほかの選手の使えるスペースができ、さらに攻めの厚みが増す、まさに好循環が生まれた。
 交代策も適切だった。後半入った西が幅広く動いてボールを引き出してゲームをコントロールし、(出した後に走らない悪癖が顔を覗かせもしたが)1列上がった宮澤のキープや配球も効果的で、ボールを動かしながら保持できたことで上里や西嶋まで高い位置でのビルドアップに参加する時間ができ、バルセロナかと見まがうような素晴らしいパス交換からの崩しも見せた。ラストパスの質が高ければ、もっと楽な展開にできたはずで、受け手の動き、キックの精度ともに高めていく必要がある。
 終盤に足が止まり、相手にペースを握られる時間帯が続いたのは休養に2日の差があることを考えれば致し方ない。そんな中でも前に運んで深い位置で時間を使おう、という意識は見られたので過去の教訓は生かされているのだろう。ただ、後ろの選手が厳しい状態のボールを無理に生かそうとして相手に当てたり、奪われたりしてピンチを招いていたのはいただけない。変哲もないロングボールなのに相手を放していたり、セカンドボールへのプレッシャーが甘く簡単にミドルシュートを打たせたりと、状況を弁えないプレーも目立った。相手の技術の低さを喜んでいるだけでは先はない。常にボールを持てるわけではないのだから、相手ボールの時に何をするのか、ということも共通認識として持っておかなくてはならない。
 最低でもあと2試合、クライトン不在のゲームは続く。この数試合、自分たちに何が足りなかったのか、という自覚があったからこそ、この日のようなゲームができたのだろう。それを忘れることなく次以降に臨んでほしいし、クライトンが帰ってきてからも彼に遠慮することなく、このゲームのように各々がアイディアを出し、クライトンを利用できるような試合運びができればいい。彼に頼り切るだけの幼いチームのままか、彼を利用し切れる成熟したチームになるか―。次からの数試合は、その境目になるだろう。

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