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2009シーズン総括(MF編)

総評:点を取るために何をすべきか、という意識が決定的に欠けていた。誰もリスクを冒さずに「ポゼッションのためのポゼッション」を延々と続けた上、必要な時でもボックスに入っていかずFWを独りにし続けるさまは苛立ち以外に何も呼び起こさなかった。バルサを参考にするのなら、シャビやイニエスタのボールの受け方や動き方をこそ見ておくべきだ。局面に応じたキープや突破のチョイス。そこにどれだけ頭を使っているのか。まさに今季の札幌に足りなかったものが、そこにある。ネガティヴ・トランジションの際に見せた勤勉さを、攻めに移る際にも見せなくてはならない。

#7 藤田 征也
 今季も攻守によく走っていたし、貢献度は高いはずなのに印象が薄いのはアタッキング・サードでのミスが多すぎるから。クロスはことごとく相手に引っ掛け、決定機は外す、とあっては逆の意味でインパクトがあった、と言えなくもない。左サイドに回ってからも右と同じプレーをしようとして再三手詰まりになるなど、監督のメッセージを消化できていたとは言い難い。そこに気が付けば、技術も上がってくるはずだ。ポゼッション・フットボールの中で速さを生かす術を身につけていかなければならない。
 
#8 砂川 誠
 打開力やキープ力は相変わらずハイレベルだが、足元でばかりボールを欲しがり、遅い攻撃をさらにノッキングさせることも多かった。途中出場が多かったことからしても、かつてのようにスペースでもらう動きをして変化を与えることこそ、彼に期待されていたものではなかったのか。古田や岡本の台頭もあるし、立場は安泰ではない。チームに異質のクオリティーを与える力はまだあるはずだ。そのためにどうすればいいか、考えてほしい。

#9 石井 謙伍
 シーズン中盤にサイドで出た数試合、ダイアゴナル・ランによる的確な飛び出しや意外なパスセンスで強烈なインパクトを残したが、出場停止を機に失速し、また元の自信なげな姿に戻ってしまった。何人かの選手を最優先する起用法の犠牲になった側面もあるが、この安定性のなさ、メンタルの弱さが出場機会を失った最大の原因だろう。能力は間違いない。環境が変わることでそれをフルに発揮できるだけのモノを身につけられるか。それによって未来が開けるかどうかが決まってくるだろう。

#10 クライトン
 トップ下の選手ではなかった―。これに尽きる。テクニックは素晴らしくてもゴールにつながるアイディアは持ち合わせていなかったので、卓越したキープ力にばかり頼ることになり、マークを集めるだけ集めて、負傷を悪化させることになってしまった。下がり目で守備を引き受けさせるわけにもいかないし、今季の札幌にとって彼の特徴が中途半端であったことは否めない。ただ、闘争心やプロ意識など彼の残したものは大きい。若手がそれを引き継いでくれることを祈るばかりだ。

#10 ハファエル
 仕掛けること、狙うことへの意識が高く、当初は常にトップを意識したポジショニングでフィニッシュワークを狙っていたが、いかんせんトップにボールが入らないのでは仕事にならない。それでも数少ないチャンスをモノにできるだけの技術はあるので結果は残したが、それでは継続的に出ることは難しい。終盤になってコンディションが上がってくると動きが幅広くなってボールに絡む回数も増えてきた。守備でも手を抜かない勤勉さも評価できる。残せるのなら、来季も大きな戦力になるだろう。

#11 宮澤 裕樹
 トップでも中盤でも簡単にボールを失いすぎるし、パスを出したらそれに酔ったかのように突っ立ったまま。ゴールを狙う意識も低い。確かに周囲は見えているし、テクニックもあるが、今季のプレーぶりはポジションを与えられ、どんなに酷くても先発の座が保障されていることに甘えているようにしか見えなかった。せっかくのセンスを無駄にしたくないのなら、もっとチームのためにプレーしなくてはならない。そうすることで波も小さくなるはずだ。彼が故障した最終盤に、チームがスピード感あふれるゲームを見せたことをどう見るか。「偶然ではない」と考えてくれればいいが。

#14 ダニルソン
 傑出したスピードと運動量で広大な範囲をカバーしたが、後ろへの意識が極めて低く、ボールにアタックしている局面以外の守備面での貢献度はそう高くはなかった。守備技術の低さ故のファウルやパスミスも多く、ミドルシュートも「芯を食えば」というレベル。ほとんど本能だけでプレーしているので見ている分には楽しいが、このポジションの選手がそれでは困る。すべてにおいて発展途上。

#17 岡本 賢明
 ドリブルでの打開、ボックス内での思い切りの良さなど持ち味は発揮した。追いかけているだけだった守備でも長足の進歩を遂げていただけに、負傷は痛恨だった。ただ、ポジションを失ったのは波の大きさからだし、サイドで出ている以上は縦の選択肢も増やしてほしい。どれだけ、同タイプの古田との違いを示していけるか。

#18 芳賀 博信
 右SBとしては対敵動作やポジショニングに問題があり、センターハーフとしては拾うこととカバーはできても、当たって奪うのは得手ではないので、ダニルソンの代役には明らかに不適。使い勝手は良くても、このやり方の中で機能していたとは言い難い。誰かの補佐役、という彼に適したタスクを与えられたときにはハイパフォーマンスを見せることもあったが、その数は少なかった。球を蹴る部分で見劣りするのも相変わらずで、ここを改善していかなければ立場は苦しくなる一方だろう。

#20 上里 一将
 レギュラーとしてプレーする準備ができていたことこそ示したが、出続けたことによってプレーヤーとしての穴も数多く露呈した。展開力はあっても決定機につながるプレーには消極的だったし、ポジショニングが悪いから得意のミドルを打てるような場所に入っていけない。数年前、あれだけ意識していた飛び出しもほとんど見られずじまいで、攻撃の核として機能した、とはとても言えない。守備面でも対面の相手について行くことや当たることはできても、危険なスペースを見る意識がないことはセンターハーフやサイドバックとしては致命的。(監督の中での優先順位は高いけれど)ほかに使う場所の選択肢がない、という理由でトップ下に使われていたようにも見えた。そこで質の高いプレーをしたわけでもないのだから、来季も最優先で起用される、とは考えない方がいいだろう。主将という立場で、ポジションも中央なのに苦しいときにチームをコントロールし、引っ張る意識を持ってプレーしていたようにも見えないし、持ち越した荷物はとてつもなく大きい。課題を克服しよう、という姿勢は持っているはずなので、来季のブレイクに期待したい。

#22 西 大伍
 テクニックもイマジネーションもあり、目配りも利くので中盤のセンターがが最適なのは明らかで、実際にトップ下で前後をつなぎながら得点という結果を残すなど、最もいいプレーを見せた時期はチームも内容と結果を両立させていた。ただ、基本的には上里と宮澤を最優先する起用法の割を食ってサイドバックに回されることが多く、そこでもできる最大限のプレーはしたが十分に機能したとは言えなかった。そのメンタリティーや、チームのアイデンティティーを体現する存在であることを考えれば失いたくない人材であることは間違いないが、新シーズンも「便利屋」扱いをされ、持ち味を生かしてもらえないような状況と戦わなければならないのなら、新天地を求めるべきかもしれない。

#27 古田 寛幸
 テクニックも状況判断もハイレベルで、チーム内ではナンバーワンだろう。ボールの受け方もよく考えているし、他の選手が見習わなければならないようなものを持っている。つまり、レギュラーを奪ったことは驚きでも何でもない。一時、迷っていたのか中途半端なプレーが増えたが、最終盤には思い切りの良さも戻り、再三決定的なプレーを見せた。あとはゴール前での落ち着きを身につける必要がある。今季は外すごとに自信を失っていったようで、彼の技術レベルを考えればあり得ないようなミスもエリア内ではあった。正しいポジションは取れているのだから、1点取れれば自信になるはずだ。守備もサイドとしては十分に及第点の動きで、フットボールIQの高さを覗かせた。

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コメント

初めまして。ブログいつも見させてもらっています。
報道や寸評に流されずにしっかりした意見を
書かれていること尊敬します。
西選手について、移籍が発表されましたが、
書かれていることは同意です。
成長して戻ってきてくれれば最高ですね。

投稿: アスパラほっき | 2009年12月16日 (水) 20時15分

>アスパラほっきさん

西については、今季の使われ方を見れば移籍もあり得べからざることではなかった、と感じています。当然、監督の意向もあってのことでしょうし、後悔させるような働きを見せてくれることを期待したいです。

投稿: 管理人 | 2009年12月16日 (水) 20時46分

早々の返信、ありがとうございます。
ちょっと気がかりなのは新潟が求めているのが
「ユーテリィティ」という報道が…でも行くからには
トップ下他、前目のポジションで勝負してほしいですね。

投稿: アスパラほっき | 2009年12月16日 (水) 22時18分

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