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2009J2#16 水戸0-0札幌@笠松運動公園陸上競技場

 立ち上がり、水戸は高い位置からボールホルダーにプレッシャーをかけ、ロングボールを蹴ってくる、いわば札幌にプレーさせないためのプレーをしてきた。それに対して蹴り返すばかりで何の策も持たなかったことについては問題があるし、相手がもっとレベルの高い、前を向いてボールを奪えるようなプレーをしてきた場合の対応についても不安を残した。
 もっとも、水戸はチェルシーではないので、タフだったのは30分ぐらいまで。そこから前半終了までの時間帯は、中盤に空きだしたスペースを使い、ボールを広く動かして攻めようとしていたのだから、相手の高いCBに放り込むだけだったことなど問題もあったとはいえ、アウェイでのゲーム運びの意識として悪くはなかった。誤算は、後半に入っても相手の運動量があまり落ちなかったことと、こちらの運動量が急激に落ちたこと。それでなくてもクライトンに収まる時の動き出しが悪く、イージーミスも連発していたところにさらに動けなくなったのだから、ゲームが難しくなったのは当然だ。セカンドボールの大半を拾われ、ひたすら跳ね返すばかりになったが、そこで集中を切らさず、動けないなら動けないなりにゾーンをつくって自分たちのミス以外での決定機はほとんど与えなかったことは評価できる。ただ、軽率な対応から2度もピンチを招いた西は大いに反省すべきだ。慣れないにせよ、最終ラインを任されている以上はその自覚を持ってプレーしなくてはいけない。本来彼に求められているはずのビルドアップへの関与やオーバーラップも少なかったし、もう一度自分がすべきことを整理しておく必要がある。
 動けない時のチームとしての攻め方についても課題が多いことを露呈した。前に確実に収めてくれる選手がいるのだから、他の選手はサポートポジションを取ってトライアングルを形成することを要求される。そのためには、長いボールを蹴っていては選手も長い距離を走ることを強いられるのだから、角度をつけながらボールを動かし、自然に選手同士が近い位置でプレーできるようにしなければならない。それをチームとして共通意識を持って常にできるようになれば、コンディションにかかわらず、この日の水戸のような方法を取ってくるチームに対しても突破口を開けるようになるはずだ。相手が狙いを遂行できているのにそれを破られたときのダメージは、単純なカウンターの比ではないだろう。厳しい日程の下、有利にゲームを運ぶためにも重要なファクターだ。
 また、押されている展開で足も止まっていて、代えたいポジションがいくつかあったにもかかわらず結局砂川しか入れなかったのは、リスクを冒すことと、そのマネジメントのバランスを取れる人材が彼しかいなかった、ということ。宮澤や上原にとっては、なぜ自分が出られなかったのか、これまでのプレーを省みるいい機会になったことだろう。ベンチの厚みを増すことは、長いシーズンを乗り切るためには間違いなく必要だ。状況に応じて何が必要なのか見極める目を、ピッチ上の選手だけではなく彼らも身に着けていくことで、チームは底上げされる。
 この内容で、勝ち点を持ち帰れたことはポジティヴに捉えるべきだろう。この何試合かを見れば、苦しいときの粘り強さが(ソンファンを筆頭に)チームに根付いてきたように感じる。次を取れれば、このドローの意味はより大きくなる。ソンファンは出られないが、他の選手が奮起し、「彼にいい休養を与えられた」と言えるようなプレーを見せてほしい。攻撃陣も、クライトンにばかり頼らず、この日の反省を生かして後ろを楽にしてやらなければならない。苦しい時にこそ助け合う―。チームというのは、そういうものだ。

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