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2008シーズン総括(GK・DF編)

GK#1 佐藤優也
 高木の故障や乱調によって出場機会を得たが、違いを見せることはできなかった。反応の鋭さは相変わらずだったが、状況判断の拙さも相変わらずだった。良かったはずのキックも滅茶苦茶で、それでなくともボールをキープできないチームに逆風を吹かせただけ。課題は変わっていない。全てにおいて向上する必要がある。

GK#28 高木貴弘
 初のJ1ということもあったのか、昨季に見せた安定感は影も形もなくなっていた。守備が組織の体を為しておらず、危険な場面が多過ぎたことについては同情すべきだが、それでも判断が遅い場面が多かったし、それが原因で2度も退場になったことはいただけない。おそらく戻ることになるであろう大宮で、どれだけ教訓を生かせるかが、将来を決めることになるだろう。

DF#3 西澤淳二
 移籍して以来、さまざまな面で進歩し続けてきたが、いくら何でも身体能力を向上させるのは困難だし、その部分がもろに影響してしまった。できることはしていたが、相手のレベルがそれでは対応できないものだった。厳しい言い方になるが、能力の限界だった、ということか。

DF#5 池内友彦
 サイドバックとして出る機会が多かったが、昨季同様に行けるところでも自重する場面が多く、チームオーダーもあったとはいえ最後まで彼らしい思い切りの良さは見られずじまい。セットプレーでの存在感はさすがだったが…。守備でもポジショニングや相手への対応に難があり、自分のサイドを破られることが多かった。とはいえ、リーダーシップやプロ意識など、彼がチームに残したものは多い。持ち味を生かしてもらえるチームで、もう一花咲かせることを祈りたい。

DF#6 西嶋弘之
 チーム事情もあってあちこちで使い回され、どのポジションでも満足のいくプレーはできなかった。サイドではスピードに対応できず、中央では経験不足もあってポジショニングのミスからイージーミスまで、あらゆるミスを犯し続けた。ビルドアップの起点に、との期待もしていたが、チーム状態がそれどころではなかったためそれも果たせなかった。いくら頭のいい選手だといっても、レベルが上がったところでこれだけポジションが変われば対応するのは難しい。本人も、ある程度同じポジションでプレーすることを望んでいるだろう。ある意味、混乱を極めたチームの犠牲者だった、とも言える。

DF#19 坪内秀介
 チームがどんな状態でも、ファイトし続けた数少ない選手。ただ、攻守によく頑張ってはくれたが、いずれの精度も低かったのが残念。上がるタイミングなどはいいものを持っているだけに、足りない部分を向上させていけば、どのチームでも主力を張れるようになるはずだ。札幌には貴重な「熱さ」をピッチ内外で表現できる存在なだけに、金銭的な問題さえなければ残したかったが…。

DF#21 平岡康裕
 開幕当初は試合経験のなさを喧伝しているかのような挙動不審ぶりで、周囲から観客まですべてを不安に陥れていたが、何試合か出て、SBに移ると徐々に正確なフィードや攻撃力を生かせるようになり、安定感も増してきた。惜しむらくは故障が多過ぎたこと。能力の一端は見せたが、それをすべて発揮するにはもっとフィジカルが必要だろう。

DF#32 柴田慎吾
 ヨンセンや闘莉王と伍しても全く引けをとらなかった空中戦の強さは圧巻で、攻守においてチームの大きな武器となった。ポジショニングやフィードの精度など、課題も続々と出てきたが、それもストロングポイントがあって試合に出られたからこそ。それらを克服できれば、当分の間は最終ラインを任せられそうだ。

DF#35 箕輪義信
 実績に相応しい存在感を見せたが、故障であっという間に消えてしまった。リーダーとしての期待も大きいが、本当なら彼ぐらいの意識を持った選手が何人もいないと強いチームにはなれないはず。川崎と比べれば気苦労も絶えないとは思うが、J2から強豪に這い上がったメンタリティーをチームに行き渡らせてくれることに期待したい。

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2008シーズン総括(監督編)

 「ぶれない」といえば聞こえはいいが、現実には柔軟性を著しく欠いていただけだった。昨季からその傾向は見受けられたが、「使う」と決めたグループを動かそうとせず、その中でポジションを変更して対応しようとしたことで、ときには珍妙としか思えない起用も見られた。また、グループの中には監督以外は使う理由が説明できないような選手が入っていたため、それ以外の選手に不満が蓄積していったことは想像に難くない。まして、こんな内容のゲームが延々と続いているのだから、控え選手のモティヴェーションは高まっていたはずだ。それを蔑ろにするような形で同じ選手を使い続け、同じようなミスを繰り返して負け続けた。言わば崩壊していくチームを放置したに等しいやり方は、到底許容できるものではない。
 昨季のスランプ時にも同じようなことがあったが、あまりにもリスクを恐れ過ぎる。「守備力は低くてもビルドアップができる」選手や「体は小さくてもドリブル、ラストパスができる」選手など、ひとたび戦術にマッチしない、と判断された選手はほぼシーズンを通して埒外に置かれ続けた。こういった選手こそが流れを変える力になることは、古今東西、証明され尽くした事実だ。彼らがJ1のレベルにあったかどうか、が問題なのではない。何も変えようとしなかったことこそが問題なのだ。確かに頑張れる選手、フィジカルの強い選手は必要だが、それだけではフットボールは成立しない。全ての選手に同じ資質を求める発想自体に無理があった。「どれかが80点で、どれかが0点」の選手しか持ち合わせていない監督の取るべき手段ではなかった。
 守備とセットプレー重視、という戦略が間違っていた、とは言わない。ただ、その表現方法があまりにドラスティック過ぎはしなかったか。骨格を最優先したとしか思えない選手起用、当てもなく蹴るだけの「攻撃」…。フットボールに必要な要素を、あまりに小さく見積もり過ぎていたのではないか。今季のピッチ上に表れたモノは自分の意思とは違う、と言うかもしれないが、全く修正された跡が見られなかったことを見れば、それが彼のオーダーだったと考えざるを得ない。それでも結果が出ていればいいが、その方法で駄目だったのだから、考え方を多少なりとも変える必要があったのではないか。
 チーム・マネージメントも、上手くいかなかったようだ。例えば、鈴木は「あなたは員数合わせ要員ですよ」と宣告されたに等しい扱いを2年間にわたって受けており、それに対する不満がサテライトなどでのプレー態度に表れていた。本人に問題がなかった、と言うつもりはないが、もう少し扱い方はあったはずだ。崩壊状態のチームにこんな精神状態を表に出す選手が一人でも出てくれば、それはあっという間に「伝染」する。彼だけが特別だったとは思えない。一事が万事だ。監督だけの責任ではないにせよ、鈴木に近い状態に置かれた選手たちが、ケアもされずにストレスを溜め込みながら日々を過ごしていた、と考えれば、そのことがトップチームの一体感や責任感のなさに結びついていった、と考えることが論理的ではないとは思わない。誰がやる気を失った控え選手に対して危機感を抱くものか。「自分は18人に入っている」「自分はいくら頑張っても出られない」という2つのグループに分けてしまったことが、チームから緊張感を奪ったのは間違いないだろう。
 結局、監督としては未熟だった、ということだ。上手くいっているときは良くても、そうではない時は駄目、では長く仕事をすることはできない。例えばヴェンゲルは今シーズン、不満を公に口にしたキャプテンの選手を腐らせることなく、短い時間でチームを立て直してみせた。ファーガソンも、こういったクライシスを20数年の間に何度も乗り越えてきているだろう。昨季のレビューでも記したように、間違いなく仕事はできる人材のはずだ。サポーターとしては、このチームを踏み台にされるのは堪えられないことではあるが、次のチームでは、今季の教訓を生かして素晴らしいチームをつくり上げてほしい。

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2008シーズン総括(チーム編)

 開幕当初に何試合かあった、内容のいいゲームを取り切れなかったことが、選手から自信を奪い尽くしてしまった。その後はお決まりの負のスパイラル。自信を持てないから積極的になれないし、結果が出ないことがさらに闘争心を奪う。上向きかけた時期もあったが、そこでも結果を出せなかったことで、積み重なったストレス、モラルの低下を吹き飛ばすには至らなかった。
 それに加えて選手の質の低さは否定しようもない事実だった。技術については戦前から想像はついていたが、それでも(存在したかどうかは別にして)グループワークでカバーできないほどの差ではなかったはずだ。酷かったのは精神面だった。失点すればすぐ下を向き、取り返しに行こうとする気概すら見せない選手のなんと多かったことか。グループで、一丸となって戦って初めて勝負できる選手層しか持ち合わせていないチームに、これだけ心の弱い選手がいれば勝負になるはずもない。
 また、あまりにもアグレッシヴさを欠いていた。自分のゾーンさえ守っていれば試合に出られたのかもしれないが、FWが必死になって追いかけているのにラインを上げない。相手がまさにトップスピードに乗ろうとしているところで、一歩踏み出せばそれを止められるのに突っ立ったままで、挙げ句にあっさり抜かれる。人と人の間に入ってきた相手はお見合いしてフリー…。マイボール時の無為無策ぶりに至っては、もはや触れる気にもならない。
 これでは、自信喪失もさることながら、プレーヤーとして持っていなくてはならない判断力や本能を欠いていた、と判断するほかない。仮に(ゾーンから動かないことが)チームオーダーだったとしても、正常な判断さえできていれば、カバーリングでもサポートでもできることはあったはずだ。それを試みたクライトンやダヴィが孤立し続け、ストレスを蓄積し続けていったことが、今季の問題の根深さを物語っている。
 代々このチームは、「寄せ集め」の宿命か、いい時は良くても、悪い時はあっという間に瓦解する、という悪癖を持っている。今季などはまさにその典型だった。そろそろ、こんな伝統にはおさらばしなくてはならない。まずはどんな状況にも揺るがないチームスピリットを個々が身につけ、ファイティングポーズを取り続けられる集団になる必要がある。全員が己のメンタルの弱さを痛感しているであろう今こそ、札幌というチームがプロフェッショナルのメンタリティーを得る大きなチャンスだと捉えるべきかもしれない。また、それを近いうちに果たせなければ、このチームに未来はない。新シーズンは、その姿勢だけでも我々観客を満足させられるようなチームになってほしい。それが結果にもつながるはずだ。

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2008J1#34 札幌0-1鹿島@札幌ドーム

 フットボールに必要なのは、プレーヴィジョンとテクニックである、ということがあらためて証明されたゲームだった。上里や西がボールを失わず、適切なタイミングでボールをさばいている間は互角以上の戦いができていた。彼らはここまで出ていた選手たちとは違い、ダヴィ以外も見えていた。見えていれば出せるし、出てくるなら動く。感性が共有できて、ある程度の技術がある選手を並べればこれぐらいはできるのだ。安定したポゼッションこそが有効な守備である、という考え方をしなかったことが今季の大きな敗因である、とも感じさせた。
 それでも点が取れなかったのは、ひとえにボックス内の人数が少な過ぎたから。サイドを崩してもほとんどがダヴィ1枚で、他の選手が入ってきても、タイミングが遅過ぎた。彼に頼るのは勝手だが、彼に点を取らせたいのならお任せでいいはずはない。特定の選手への依存心の強さ、というのはこのチームが代々抱えている問題だ。前線の外国人に大枚を投じることができるクラブならそれでいいのかもしれないが、札幌のようなチームが生き残っていくためには、チームとして崩す、チームとして得点する、ということを考えていかなくてはならない。その点では大きな課題を積み残した。何せ今季は適当に蹴っていただけのチームだ。新監督は、1どころがマイナスから構築することになるだろう。それがどの時点でプラスに、武器になるレベルに到達するかによって来季の結果は左右されるかもしれない。
 最終ラインの不安定さについては、もはや触れるべき材料には触れ尽くしたはずだ。ゾーンに固執して人を見失い、互助精神の欠如も著しい。足元の不安定さも特筆すべきレベルで、彼らが蹴ったボールはほとんど、次の瞬間にはカウンターとなって自分たちのところに戻ってくる。これで失点せずに済ませようとするには、世界最高級の守備力を持った選手が何人揃っていても足りないだろう。結局、一番大事なのは何か、をシーズンを通して見失っていたということだ。
 「やっと終わった」―。こう感じさせるようなシーズンを、二度と繰り返してはならない。今季のチームが、「全力」だの「執念」だのという台詞からも最も縁遠い集団であったことは観客が一番よく知っている。自信がなかろうが何だろうが、まず戦わなくてはならない。フロントも現場も、そこから出直す必要がある。

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