« 2008年6月8日 - 2008年6月14日 | トップページ | 2008年6月22日 - 2008年6月28日 »

EURO2008 Quarter-finals:Turkey 1-1 Croatia

 気温も考えたのか、ともに自陣を固めてリスクを冒すことなく、交代も明確に変化を求めた、というより「変わればいいな」程度のもので、ゲームを動かすには至らなかった。仮に膠着状態を続けたとしても、深い時間になって足が止まりスペースができてくればどう転ぶかわからなくなるが、それでも流れを動かすことを考えなかった選択には、リスクマネジメントを考えても疑問が残る。実際、後半終了間際からはコントロールが効かなくなり、全く落ち着きのない内容になってしまった。そんな中で失点しても下を向くことなく、ラストプレーで可能性のあるボールを入れ、それをゴールに結びつけたトルコの選手たちの執念を称えるほかないだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

EURO2008 Quarter-finals:Germany 3-2 Portugal

 ポルトガルは、点を取られるタイミングが悪過ぎた。立ち上がり、ドイツのラッシュに遭いながらゾーンの隙間に入り込んでボールをキープし、緩急巧みにディフェンスを崩し始めた矢先に1点。その直後に相手が後方で回しているのを足を止めて眺めていて、加速についていけず与えたFKから1点。後半立ち上がりから相手を押し込んでいたにもかかわらず、苦し紛れの突破に後手を踏んでまたセットプレー。1点目は鮮やかなコンビネーションを褒めるしかないものだったが、残りの2点はいずれも集中を欠いた対応から始まり、セットプレーでもマークを簡単に外している。前掛かりになった裏、とかなら致し方ないが、これでは自分で自らの士気を下げたようなものだ。実際、3失点目の後は誰もパスコースをつくろうとせず、ひたすら足元でもらってドリブルするばかり。無理矢理クロスを上げたところで待ち構えているのは圧倒的に高いCB、とあっては可能性はほとんどない。デコ1人がボールを動かそうとしていたが、周囲がこれでは如何ともし難い。クリスティアーノ・ロナウドをCFに回して試合から消してしまった采配も含め、自滅した印象が拭えない。
 ドイツは、最初からペースを考えないぐらいの勢いでボールを奪いにいく、という戦略によってグループステージでは見られなかった積極性が引き出されたのではないか。そこで点が取れたことで楽になったが、その間ににもサイドバックが再三裏を取られるなど、取れなければ立場が引っ繰り返っていたかもしれない危うさはあった。どう守り、どう攻めるのか、次の試合までにはっきりさせておく必要はあるだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

EURO2008 GroupD#3

Russia 2-0 Sweden

 ロシアは、アルシャーヴィンが左右に流れてボールを受けることで最終ラインを引っ張って、ここまでは自らがその仕事をせざるを得なかったパヴリュチェンコにスペースを提供するとともに後方からの走り込みも引き出した。これだけでも混乱を与えるには十分だったが、さらに前にボールが入ったときに常に2人以上が忠実に走ってトップスピードでボールを引き出す。引き気味の相手を崩すお手本のようなプレーの連続で、スウェーデンに攻めに出る暇すら与えなかった。2点目を奪った後は自陣に厚いブロックを築き、相手が変更したポジションを執拗にカウンターで突いて決定機を量産するなど、巧者ぶりも発揮。次のゲームでは、オランダの中盤のハイプレッシャーに対して後手を踏むことなくビルドアップやオーバーラップができるかが鍵になるだろう。
 スウェーデンは中盤の支配権を放棄してでも最終ラインに人数をかけて厚い攻めを防ぐつもりだったようだが、ボールを奪ってもトップは遥か彼方、出すところがなくなって半端につなごうとしては切り替えの早い相手に圧力をかけられて危ない取られ方をする悪循環。前半のうちに勝負をつけられていても不思議ではなかった。2点を失ってからはさすがに押し上げて攻めに出たが、2トップに頼る気持ちが強過ぎたのか、彼らを生かしながら自分も生きよう、という動きが少な過ぎたため、放り込むだけの単調な攻めに終始。しかも必要なところに人がいないためシュートは打てず、セカンドボールは拾われてカウンターを浴びるという壊滅的な事態に陥った。明確な戦略と組織で地位を築いてきたチームがそれを失えばどうなるのか、身をもって示すことになってしまった。

Spain 2-1 Greece

 ともに確固たるモチベーションがないため、圧力の少ないオープンな―「緩い」とも表現できる―ゲームになった。ギリシャが先制したことで多少は面白くなったが、もはや守り倒す理由もない彼らがその後も普通にプレーしたことで、個で上回るスペインがボール支配を強め、最終的に引っ繰り返した。控え選手たちがレギュラー組と遜色ないプレーをしたようにも見えたが、タイトなゲームで同じようにできるという保障はない。そもそもシャビ・アロンソやセスクにスペースを与えれば、この程度できるのは当然といえば当然だ。新たな発見だったとは言えまい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

EURO2008 GroupC#3

Netherlands 2-0 Romania

 結局、ルーマニアは持たされているだけだった。運ぶまではできても攻撃のサポートが薄く、最後に仕掛けるのは常にムトゥ。いくら彼が好選手だといっても、常に2人、3人と相手にしなければならないのでは勝ち目はない。3試合を通して組織的な守備にこそ見るべきものはあったが、ムトゥやキヴを生かす補佐役に人を得なかったところに限界があった。オランダは猛威を振るってきたカウンターをちらつかせながら、ポゼッションの質でも圧倒。複数の選手を絡めて高い確率でフィニッシュに持ち込み、いわゆる「オランダらしさ」を存分に見せ付けた。不安がないのが不安、というぐらいの好調をどこまで維持できるか。

Italy 2-0 France

 このゲームにとって不幸だったのは、イタリアが先制してしまったことだ。どちらも勝つことでしか道が開けないにもかかわらず20分以上も延々と様子を見続けた展開だけでも噴飯ものなのに、先制した方は1人多くなったにもかかわらず総退却。それも「守り切れる」という確信の下に組織を築いた、というのならまだしも、ただ引いて蹴り返すだけとあってはトラパットーニでも復活したのかと思わせるほどで、ベンチも守備固めの交代でそれを後押しする始末。このやり方が通用しないことは、とうの昔に証明されているはずなのだが…。ラッキーな2点目がなければ結果はわからなかった。
 つまり、フランスにチャンスがなかったわけではない。現実に数多くあった穴を突こうとはしていたが、どうしても最後のところで1枚足りなかったのだ。原因は失点した後、相手の出方を見ることもなく即座に攻撃の枚数を削ってCBを補充した消極的なベンチワーク。彼らが置かれていた立場を考えれば、疑問を呈さざるを得ない。
 今大会は、このゲームはともかくチームワークも感じられなかったし、特定の数人の頑張りが目立ったのみ。世代交代の過渡期であったにしても、あまりに惨めな終わり方だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

EURO2008 GroupB#3

Germany 1-0 Austria

 動きはない、攻めても守ってもコンビネーションがない、最終ラインは信じ難いような軽率なミスを連発する。どこかの国の下位チームのような惨めさだった。ドイツは試合を重ねるごとに内容が悪化しており、心身ともにコンディションが悪いことがうかがわわれる。先に進みたければ、全てを変えなくてはならないかもしれない。こんな相手に勝てないのだから、オーストリアはその程度だった、と言うほかない。3試合を通して気持ちは入っていたが、最後まで足もボールもついてこなかった。

Croatia 1-0 Poland

 個々の力量の差は歴然だった。ボールを引き出せず、中盤で中途半端なパスをことごとくさらわれてカウンターを食らい続けたポーランドに対し、クロアチアは余裕を持ってボールをつないでいる間にパスコースをつくる動きがあり、そこをきちんと使える。例によってボルツの存在がなければ、間違いなくワンサイドになっていただろう。ドイツ戦ほどのタイトさはなかったものの、「Bチーム」であっても技術も戦術理解も全く見劣りしないことが証明されたし、さらに一番取ってほしい選手が得点した。チームのムードはさらに良くなるに違いない。彼らにとって、トーナメントに向けて十分に意味のあるゲームになったのではないか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

EURO2008 GroupA#3

Turkey 3-2 Czech Rep.

 ミスを犯すはずのない選手のミスが、チェコの選手にとてつもない動揺をもたらしたのだろう。3点目のときの最終ラインの動きのバラバラさを見れば、そう考えるほかない。
 そこまではチェコのゲームだった。前半、厳しいプレスと切り替えの速さで圧倒するまではポルトガル戦と同じ。しかし、この試合は絶対的な基準点としてコレルがいたことである程度3人目の動きもあり、組み立てはスムーズだった。後半に入ってトルコの布陣変更と頻繁なポジションチェンジに苦しんだが、相手が負傷で1人欠けている隙を突いて追加点。1点返された後の猛攻もしのぎ、カウンターを仕掛けながらゲームをクローズする態勢に入っていただけに、ツェフのミスは痛恨の極みだった。
 トルコは前半は何もできなかったし、後半にしても最後の局面でのコンビネーションミスが頻発し、支配していた割にチャンスは少なかった。個々の技術は高いが、それをチームとして有機的に機能させられていない。確かに交代策は当たっているが、裏を返せば準備がうまくいっていない、ということでもある。このゲームに関しては、称えられるべきは精神力ということになるだろう。

Switzerland 2-0 Portugal

 ハードワーク、組織的なサイドアタック。プレッシャーが消えたせいか、やっとスイスは自分たちのプレーを取り戻した。今大会において何かの足しになるわけではないが、下を向いたまま去るよりはマシだろう。ポルトガルは選手を大幅に入れ替えたため展開力を欠き、決めるべきところも決められずじまい。トーナメントに向け新たな戦力となりそうな選手も見当たらず、文字通りの「消化試合」になってしまった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

EURO2008 GroupD#2

Spain 2-1 Sweden

 スペインは、相手が引いている上に、初戦と違って選手が足を動かさずに止まった状態でばかりボールを受けるため、人数のいるところでボールを絡め取って、2トップに託したいスウェーデンの思い通りの展開になった。病み上がりのイブラヒモヴィッチが前半限りで下がらなければ、スコアは逆になっていたかもしれない。スペインはズラタンが代わった後も同じサッカーを続ける相手にお付き合いして横パスを回すばかりで、裏を狙うことも追い越すこともなく、予期せぬ形で決勝点こそ奪ったが、褒められた内容ではなかった。それでも勝った、ということにこれまでとの相違点を見出すことはできるかもしれないが…。

Russia 1-0 Greece

 負ければ終わるのだから、ギリシャがアグレッシヴな姿勢を見せたのは当然だ。それでも、前半はプレスこそ厳しかったが前線に当てるだけでその先はなく、セットプレー狙いは変わらないようだった。さすがにビハインドで始まった後半は前の人数を増やして、ポジションチェンジ、オーバーラップが加わり、ボールも動きだしたが、結局は単調なクロスを放り込むのがせいぜいで、そのくせリスクマネジメントもなく前掛かりになったため裏の広大なスペースを好き放題使われる始末。最後はパワープレーに頼るしかなかった。4年前のように狙い通りにゲームを運べていればいいが、状況が変わったときに対応できるだけの力量を求めるのは難しかったようだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年6月8日 - 2008年6月14日 | トップページ | 2008年6月22日 - 2008年6月28日 »