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EURO2008 GroupC#2

Italy 1-1 Romania

 前半、自陣に引きこもって人数がいる割に守備のバランスが悪かったルーマニアは、後半に入ってボールを動かして攻めに出たことで逆にバランスが改善され、ゲームを支配しだしたところで先制。直後のセットプレーで追いつかれたのは痛かったが、守っているだけではない、ということも印象付けられたし、次の試合は恐らくメンバーを落としてくるであろうオランダ。悪い結果ではないだろう。問題があったのはイタリアの方で、初戦同様に運動量が足りず、ピルロも出すところがないので縦に蹴るばかり。個の力はあるのでチャンスはそれなりにつくれるが、それを決められなければ、拠るところが他にない以上勝ち目もない。

Netherlands 4-1 France

 開始早々に先制した後、残りの35分間はプレーすることを放棄したような姿にファン・バステンも業を煮やしたに違いない。相手が出てくることは明らかなのに、攻撃の選手の枚数を増やすのだから随分と大胆な策をとったものだ。でも、乗っているチームというのはこういうものなのだろう。その選手が次から次へゴールを叩き込むのだから。最初こそ中盤のフィルター機能が落ちた分押し込まれかけたが、そこを凌ぐや否や、ラインを上げたスペースをロッベンが切り裂き、失点直後にも戻りきれなかった選手の裏を突いてカウンター。これで勝負は決まった。確かに3点目、4点目は普通なら入らないようなシュートだったが、そういうのが決まるのもチームがいい流れの中にある、ということ。守備も機能しているし、したたかさも見せた。すべてがうまく回っている。「失望」の代名詞的な存在から抜け出しつつあるのかもしれない。
 フランスは、「戦術や技術の前に必要なもの」が足りない選手が多過ぎた。前半は負けているのに相手のペースにお付き合いし、後半には前傾姿勢を強めた途端に失点。悪い流れを変えようとする選手は数えるほどで、ファン・ニステルローイやロッベンまで戻って守備をしていた相手とは対照的に、多くの選手が心ここにあらず、といった風情で押し上げることもなくピッチ上を漂う姿からは、強者の誇りやチームの一体感なぞ微塵も感じられなかった。

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EURO2008 GroupB#2

Croatia 2-1 Germany

 明確な戦略を持ち、それを確実に遂行した側が勝つのは必然だ。クロアチアは中盤の枚数を増やして数的優位を保ちながらコンパクトなゾーンディフェンスを布いてドイツのビルドアップを阻止し、メリハリの利いたプレスでラインも上げさせない。苦し紛れに前線に入れてきたボールにはDFが易々と対応する。深い位置でのサイドチェンジを多用してディフェンスの視線を動かし続けた攻撃にも、強い意図が感じられた。また、見事だったのは足が止まりだしてからで、ズルズル下がるのではなく逆に前に出る姿勢を強めたこと。背後を突かれる恐怖を相手に与え続けたことで、隙間が開きだしたゾーンの不安を打ち消してしまった。ビリッチという監督の非凡さと、選手の質の高さを強く印象付けた、彼らにとってはパーフェクトといっていい内容ではなかったか。
 つまり、ドイツは何もさせてもらえなかった。動き自体が悪かったし、最終ラインはもろさを露呈した。ネガティヴな材料しか出てこなかったが、幸運なことに次の相手を考えればトーナメント進出はほぼ確実。その間に修正できるだけのクオリティーは備えているはずだ。

Austria 1-1 Poland

 勢いだけで、フットボールはできない。確かにホームチームは立ち上がり、凄まじいペースで相手を押し込み、何度も決定機を築いた。しかし、それは拠り所のない、ただの興奮状態にすぎなかった。その証拠に、決められないまま逆に先制されるとたちどころに萎んでしまい、結局最後まで何をしたいのか分からずじまい。初戦でいいプレーをした選手を先発させたのはいいが、今度はベンチに使える選手がいなくなるなど、層の薄さも露呈した。レフェリーのサービスとしか思えないPKで勝ち点は拾ったが、EUROのレベルにないことはこの2試合で証明されてしまったようだ。ポーランドも、ボルツがいなければ惨敗していただろう。最初以外は何となくペースを握ってはいたが、まさに「何となく」で、ゲームを動かそう、決めよう、という意志はそこからは感じられなかった。こちらもあと1試合でオーストリアの地を去ることになりそうだ。

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EURO2008 Group A#2

Portugal 3-1 Czech rep.

 チェコは素早い切り替えと猛烈なプレスで主導権を握ったが、攻めに入るときに個人の頑張りに任せるだけで、形らしい形を作れずじまい。結局コレルを投入するまで明確な方法論を示せなかったところが、「強いチェコ」の終焉が近いことを示唆しているようだった。ポルトガルは前半こそ相手の高さを恐れたのかウイングを中央でプレーさせたことが逆にプレスの餌食になり、サイドに走りこんだ選手も仕事をできなかったが、後半に入ってチェコのペースが落ちてくると思ったようにボールを回し始め、結局決めたのはそのウイング。その後は守備に重心を移し、一瞬の隙を突いて止めを刺す。フェリポンのチームらしい、したたかな勝ち方ではあった。これで次を「消化試合」にできるし、万全の状態で決勝トーナメントに臨めそうだ。

Turkey 2-1 Switzerland

 前半のピッチコンディションでは、まともにプレーするのは不可能。その状況に即応してトルコの高いラインの裏にロングボールを入れ続けたスイスがアドヴァンテージを握ったのは当然だ。ところが後半、雨がやむと、高い技術を生かす自分たちのやり方に固執していたかに見えたトルコが交代や布陣変更も当たりペースをつかむ。さらに運動量が要求されるスタイルのスイスは足元が悪いことで早い時間に足が止まる。決勝点こそ運が味方した形だったが、後半の内容をみれば正しい結果だといえるだろう。
 今大会のスイスは、前回のEURO、ワールドカップと比べても明らかに質が低かった。開催国の重圧、この試合のコンディションなど不運な点もあったが、選手も大きく変わっているわけではないし、理由はどこにあるのだろう。何年もかけてつくり上げてきたものが瞬時に瓦解する─。これもフットボール、ということなのか。

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EURO2008 GroupD#1

Spain 4-1 Russia
 
 味方がボールを持った時に、適切な角度とタイミングでサポートに入る―。こんな選手が一人でもいればチームは随分と楽になる。ましてスペインのように大半の選手がそれをできれば、質の高いフットボールは保証されたようなものだ。そこに優れた動き出しでラストパスを引き出せるフィニッシャーと、それを見逃さないパサーがいる。彼らが優勝候補の一角を占めている、ということを強烈に主張するかのような内容だった。大差がついた終盤に気の抜けたプレーが続出するあたりがスペインらしいが、接戦ならばそんなこともなかろう。予選終盤から一定以上のクオリティーを保ち続けているし、今度こそ期待してよさそうだ。あとは引かれてスペースを消されたときにどう対処するかだろう。
 ロシアも悲観するような内容ではなかった。監督の手腕ばかりが注目されるが、プレッシャーがかかっていても慌てないだけのスキルを多くの選手が備えており、それを生かしてボールを大事に、人も動きながらスペースを突いていこうというスタイルには好感が持てる。フィニッシュへのイメージを前後の選手が共有できるようになれば、「マジック」に頼らずとも相手にとって脅威となり得るだろう。このゲームではボールを追いかける時間が長過ぎて早い時間に疲れ果ててしまったが、他の国が相手なら逆に疲れさせられるようになる可能性を十分に感じさせた。このスコアで厳しくはなったが、今大会でもベスト8以上を狙う資格があるチームだ。

Sweden 2-0 Greece

 引いて守ることしか考えていない組織を破壊し得るのは、傑出した個の力。そして、スウェーデンはそれを持ち合わせていた。H・ラーションとズラタンなくしてこの結果はなかっただろう。特にラーションは完璧なポストプレーと年齢を感じさせない運動量で相手に圧力をかけ続けた。ギリシャにも可能性を感じさせる選手はいたが、ハーフタイムで交代。ゲカスの嗅覚よりサマラスの運動量が必要、という判断だったのだろうが、おかげでボックス内でのプレーが減って脅威が薄れたスウェーデンのラインが上がり、ペースを握られる原因になった。先に点を取られ、ストライカーを失ったギリシャに、普段自分たちがしているようにスペースを完全に消した相手を攻略する力はなかった。

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EURO2008 GroupC#1

Romania 0-0 France

 ルーマニアは、ミッションを遂行し切った。最後まで集中が切れなかったし、ポジショニングなどのミスもなかった。また、ただ引いているだけならボールを支配されて耐え切れなかっただろうが、前線に出すボールの精度が高く、人数はかけなくてもアタッカー同士が適切な距離でプレーしていたことで、脅威を与えるほどではなくても相手がラインを上げることの抑止力にはなっていた。フランスにとってはリスクを冒してまで取りに行くべきゲームではない、という考えだったのだろう。普通にプレーしていてはこのような相手を崩すのは難しい。パスで崩せないのだから、独力突破を図るなどの変化があってもよかった。

Netherlands 3-0 Italy

 勝因は、中盤のハードワーク。プレスで圧倒し、ルーズボールも支配し続けた。ファン・バステンが指向してきたものが、少なくとも守備に関しては完璧に近い形で現れたのではないか。もっとも、それを引き出したのはイタリアのふがいなさだ。全く動けず、攻守ともにサポート不足とあっては決定機をことごとく外し、微妙な判定で先制された挙げ句に敵陣ゴール前から始まったカウンター(確かに見事としか言いようのないものではあったが)で2失点するような流れになったのも仕方ない。オランダの意気込みと比べれば、「死のグループ」に臨むための調整が甘かったと断じるほかなさそうだ。

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EURO2008 GroupB#1

Croatia 1-0 Austria

 クロアチアらしからぬ試合運びだった。入り方こそ良かったが、それ以降は意気込みが空回り気味だったホームチームにお付き合いしてゲームを落ち着かせることができず消耗し、後半は防戦一方。次がドイツ戦だけに余力を残しておきたいところだったが…。アウトサイダーと目される開催国相手の開幕戦、という難しいシチュエーションのゲームで勝ち点3を得ただけでも良しとすべきか。オーストリアは交代選手が機能し、あと一歩まで押し込むことはできたが全般にコンビネーションと精度を欠いた。単調なビルドアップも崩しきれなかった原因だろう。

Germany 2-0 Poland

 ポーランドの方がクオリティーは高かった。シンプルにボールを動かしてサイドを使う、という意図が徹底されており、チャンスには何度も近づいた。足りなかったのはフィニッシュワークの質。特にトップの選手がドイツのCBから逃げ回るばかりでは如何ともし難いし、その代わりに中に入る選手もいなかった。途中出場のロジェール・ゲレイロが起点にも終点にもなれる力を示しただけに、彼を頭から使うのも手だろう。一方、ドイツはやはりドイツだった。特筆すべき内容ではなかったが、相手のミスから得たチャンスを確実にモノにし、守っても最後の一線は越えさせない。目標が高い位置にある以上、グループリーグは試合をこなしながらコンディションを上げていくつもりなのだろう。

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2008ヤマザキナビスコカップCグループ#6 札幌0-3柏@札幌ドーム

 選手の質が低いのばかりは、どうしようもない。フットボールを生業としているくせに球もまともに蹴れない、どんなボールでも慌てふためいて確実に相手にパスする、下らないミスを犯すとすぐ下を向いてさらに下らないミスを積み重ねる、決定的なパスには反応しない、セカンドボールに対しては必ず相手より一歩も二歩も遅く反応する…。そんな選手を豊富に取り揃えたチームが、どんな戦術家を頂いたところでどのレベルのリーグであろうが勝負できるはずがない。
 その戦術家にしたところで、トップリーグで驚きを呼ぶほどの力量は持ち合わせていないようだ。0-0の局面でFWが故障すると中盤の選手を投入してロングボールしか能のないチームに混乱をもたらし、相手が得点を欲しがってスペースが潤沢にあるところで4-4-2に固執した挙げ句にクライトンを前に上げるために守備の選手を投入するとあっては、まったく理解することは不可能だ。しかもその選手が馬鹿げたミスを犯して失点に絡んだとなると、お笑い種としか表現しようがない。彼が使い物にならないことは、トップ、サテライトのゲームを通じて明らかなはず。それでもチャンスを与えられるのでは、「監督枠」なるものの存在を信じたくもなるというものだ。談話ではいつもサポーターに感謝しているが、口だけなのだろう。試合内容がそれを如実に物語っている。
 確かに決定機は山ほどあったが、それは前述の理由によるものでこちらの攻撃が鋭かったわけでは断じてない。しかもそれを全く決められないのだから、自らの質が低いことを身をもって示し続けたにすぎない。だいたい、前後左右に動きがなく、バックパス、横パスのオンパレードで、佐藤のタッチ数が1、2を争うようなチームがまともな攻撃を展開しているはずはない。
 チーム全体のクオリティーを上げていかなければ、残留はおろか残り21試合を戦い抜くことすら覚束ない。ここまでを見る限り、ほぼ全員を入れ替えない限りそれは夢物語だ。それが不可能である以上、数年後にまたこのステージに立ち、今度こそチームがコンペティティヴなレベルにあるよう、改めてチームを構築していく必要がある。それがフロントのなすべき仕事だ。「市民球団」の美名にアグラをかき、現在の状況に甘んじているだけでは、遠からずチームは存在しなくなるだろう。

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EURO2008 Group A#1

Czech Rep. 1-0 Switzerland

 意図は見えない、チャレンジもない。ボールを失えばリトリートするだけで、互いにそこに質の低いクロスを放り込むだけとあっては、EUROの名に相応しいタレントも組織としてのアイディアも持ち合わせていない、と断じるほかない。得点機はほぼ相手のミスか個人能力によるものに限られ、決勝点に至っては偶然に近い形。Jリーグでよく見かけるレベルのパスミスも多かった。開幕戦の緊張感を割り引いても双方とも本来持つタイトさ、勤勉さが見られず、いい時のクオリティーには程遠い。立て直すには何かドラスティックな変化が必要かもしれない。

Portugal 2-0 Turkey

 前半のポルトガルは前線の動きが少なく、ボールを後ろで回した末にウィングの突破に懸けるのみ。後半に入って前線が流動的に動いてボールが引き出せるようになると、中盤の攻め上がりも絡めてゲームを支配した。パウロ・フェレイラを使わざるを得ない左SBの対応など最終ラインにやや不安が見えたが、妥当な結果だろう。トルコは相手の攻撃陣を抑えることに必死なあまり中盤と前線が間延びし、ビルドアップの形がつくれずじまい。カズム、ニハトの個の力こそ可能性を感じさせたが、それだけでは難しかった。

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