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第86回天皇杯準決勝 G大阪2-1札幌@エコパスタジアム

 少なくとも、ベスト4が偶然の産物ではない、ということは証明できたのではないか。立ち上がりこそ相手の技術の高さに困惑したような場面が見られたが、慣れた後は臆することなく前から取りにいけていたし、そこから人数をかけて崩す、フィニッシュに持ち込む、といったことは十二分にできていた。チームコンセプトである、個力の差を組織や気持ちで埋める、という点では申し分なかった。1×11で11以上の力を出せば、どんな相手にでもいい勝負ができる、ということだ。
 それでも、勝敗を分けたのは個力の差だった。単純なキープ、突破に加えて、ボールを失った後の守備への切り替えの速さ、ルーズボールに対する反応の速さ。多くの時間帯でこういった部分で劣っており、ボールを前に運ばせてもらえない。これでは善戦はできても勝ち切ることは難しい。決定機にしてもこちらの方が多かったが、向こうが決められるものをこちらは決められない。確かに2失点ともアクシデントのようなものではあったが、こちらにもそれに類した場面はあった。そこがトップカテゴリーの上位との差、ということなのだろう。
 また、不可解な采配も勝負に水をさした。移籍以来最高の出来で、突破、空中戦、フォアチェックで相手を苦しめていた中山を後半早々に下げてしまったことで前線の起点を失うことになったチームは見事なまでに失速し、それ以降は得点の予感すら感じさせることはなかった。しかも、そのときに砂川が痛んでいた。甲府戦でもそうだったが、目の前で選手が痛んでいるのに、元気な選手をそのまま代えてしまうことは理解し難い。実際、砂川はその後すぐに交代。貴重な交代枠を一つ無駄にする結果になってしまった。融通が利かない、柳下氏の負の側面を浮き彫りにした場面ではあった。
 集中を切らさない、困った味方を助ける…。リーグ戦48試合を戦ってもまったくできなかったことが、天皇杯でJ1と4試合戦っただけでできるようになっていた。いかにシーズン中に集中を欠く場面が多かったか、今大会の集中が高かったか、そしてそれがどれだけ重要なことか、選手は理解しただろう。また、(特にふがいないプレーに終わった石井や上里は)個力を上げていかなければ高いレベルでは勝負できない、ということも思い知ったはずだ。来季は監督もフォーメーションも変わるだろうが、気持ちの入った戦いをする、ということは変わらない。そこに今大会で得たものを加えていければ、恐れるものはないはずだ。

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