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2006J2#38 神戸1-1札幌@神戸ウィングスタジアム

 このチーム、ビルドアップということをどう考えているのだろうか。立ち上がりの相手が飛ばしてきている時間帯、彼らは何をしたのか。横パス、バックパス、精度のないロングボール。縦に入れようとか、サイドに散らそうとか、意図がまったく見えない。出し手も受け手も思考停止状態で足も動かそうとしない。誰もチャレンジしていない。マストウィン・ゲームのはずなのに、前からプレッシャーをかけてきた相手に対して向かっていこう、という気持ちがまったく見えない。神戸のプレッシャーが緩んできてからはできるようになったが、それでは意味がない。相手が意気込んできている時間帯に崩してこそ、効果はより大きくなるはずなのに。
 いい位置でターンオーバーしても誰も動き出さない。パスが来てから慌てて次の選択肢を探す。バランスを取っているつもりなのか、3人目、4人目の動きをすべき選手は突っ立ったまま。ボールを運ぶということに関してオートマティズムが存在しない。本来なら、最後の局面でどうするか、が問題なのに札幌の場合はどう運ぶか、というレベルだ。たまにかみ合えばいい攻めができるが、それを90分間続けていかないと(せめてその意識を持ち続けないと)理想のゲームなぞできるはずがない。
 最終ラインのパス回しに至っては、日本代表が「各駅停車」なら、札幌はトロッコかトロリーバスか。しかも、ある選手なぞはノープレッシャーの状態で、それも何度もわざわざ相手の選手、ことによれば誰もいない空間にボールを出す。あんなのはパスでもフィードでもない。クリア以下だ。自分がどこにいるのか、どんなパスが必要とされているのか、まったく理解していない。さもなくば何も考えていない。現体制になって3年。ずっとレギュラーとして遇されている選手がこのレベルなのだ。他にいないのか、監督の好みなのかはわからないが、こんなレベルの選手が主力という立場にある時点で終わっている。CBの補強を等閑にした、フロントの怠慢ぶりを物語っているとも言えよう。
 林の集中力の切れ方も酷かった。キックはタッチへ一直線、シュートは前にこぼした挙げ句にボールウォッチャーと化す。GKとしてやってはいけないことを平気で何度もしている。ビルドアップの意識もないし、キックの精度もない。際どいシュートを何本か止めればそれでいいのか。目指すところは何なのか。置かれている立場に満足しているようにしか見えない。
 「次に向けてきっちり調整したい」といったコメントを毎試合のように見かけるが、それができていないからこんな試合ばかりになるのだ。チームコンセプトを選手が理解していないのだろう。監督が、そんなに難しいことを言っているわけではあるまい。プロのフットボールの選手として必要最低限の素養があればできるはずのことをできていない。脳味噌もフィジカルも鍛え方が足りないこともあるのだろうが、そもそも選手の意識がJ2レベルで「これでいい」という程度で止まっているのだろう。これではヴェンゲルでもモウリーニョでもオシムでも手の施しようがあるまい。J1のように外国人にお任せのサッカーで結果が残せるのならいいが、札幌はそういう立場にはない。個人能力で劣っているのだから、頭痛を起こすぐらい考えて、人の何倍も走って、初めて対等な勝負ができるのだ。どっちもできないのだから、こんな情けない成績しか残せないのも道理である。

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