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2006J2#32 徳島0-0札幌@鳴門総合運動公園陸上競技場

 確かに、「最後まで走って」はいた。ただし、走ることを始めたのは後半に入ってからだ。では、それまでは何をしていたのか。誰かがボールを持っても突っ立ったまま。パスを出しても突っ立ったまま。相手が守り倒すことしか考えていないことなんて、10分でわかったはずだ。それでも誰も前に出て行こうとせず、精度のないロングボールを蹴るばかり。「ノーリスク・ノーリターン」とでも言おうか。低い位置で縦に入れられる状況でも横や後ろに戻す。ゴール前で前が空いていても必ず横にパス。そんなに自分のプレーに責任を持ちたくないのだろうか。何もしないぐらいなら、狙ってミスをした方が何万倍もマシだ。そんなメンタリティーだから、決定的な場面でシュートを枠からはるかに離れたところにしか飛ばせないのだ。
 後半に入って、まず金子が追い越して前線に飛び出すことを始めた(この動きが有効だっただけに、まだ動けるのに代えられたのはまったく不可解だった)。続いて、最高のパスですらたちどころに相手ボールに変えてしまう「魔術」を見せ続けた中山に代わって出てきた相川もどんどん裏を狙いだす。他の選手は相変わらず何もしなかったし、相手が攻めに出てきたことはあったが、2人でもこういった動きをすればチャンスはつくれる。また、相川はポストとしても体を張り、味方が上がってくる時間をつくれていた。
 外し続けたのは下手だから。ただ、本来目指している縦のポジションチェンジやフリーランニングを繰り返せばチャンスになることははっきりした。これを見て他の選手がどう思ったか。臆病なプレーからは何も生まれない。何を守ろうとしているのか知らないが、そもそも失うものなど何もないはずだ。横断幕で出ていた「昇格する気」が本当にあるのなら、すべきことは明らかではないか。また監督は、こんな凡戦を「いい試合」などと言い繕う暇があるのなら、チーム全体に前に向かう意識を植え付けるべきだ。自分の力量不足を棚に上げて、ただ選手の意識の低さを嘆いているようでは、何も始まらない。

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