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2006J2#3 山形0-1札幌@べにばなスポーツパーク

 フロントラインが必要最低限の機能を果たすだけで、チームはここまで変わるものなのか。相川と中山は適切な距離を保ち続け、片方が競れば片方はセカンドボールを狙う。中盤でのボールの位置や状況に応じてクサビに下がったり裏を狙ったりする動きを怠らず、ボールが入れば体を張って時間とスペースをつくる。また、大きかったのは前節までの2トップと違ってアリバイではない、ボールを取りに行くディフェンスを長い時間続けたこと。これによって中盤や最終ラインが随分楽になっていた。彼らの運動量を考えればいずれかが交代していてもおかしくはなかったが、代えるに代えられないような、鬼気迫るものさえ感じさせるプレーを見せてくれた。細かい技術的なミスが多かったため決定的な仕事こそ多くはなかったが、タクティクスという面では申し分ない働きだった。
 チームとしては、特に前半は切り替えもサポートも速い上に前線で時間をつくれていたため、少ないタッチ数でボールを動かして常に逆サイドのスペースへの展開を意識しながら組み立てることができており、いい形を何度もつくっていた。最後の局面やセットプレーの精度を欠いたため得点にこそ至らなかったが、可能性は大いに感じられた。
 後半に入って山形がプレスポイントを高く設定してきた時に押し込まれる一方になって何もできなくなってしまったのは反省すべきだが、クロスやスルーパスに対する対応で集中を切らさず、フォアチェックにも慌てずにつないでいったことがチームに落ち着きを与え、ひいては決勝点につながった。
 その決勝点は西谷が出場直後から何度も試みていた縦のポジションチェンジが生んだもので、山形の守備陣が再三後手を踏んでいたところを突き続けたことが実った。チームとしても目指している形のはずで、トップ下以外の選手もどんどん狙っていっていいポイントだろう。
 ただ、先制した後の戦い方には不満が残った。相手が出てくるのは当たり前。それを受けてしまっては苦しくなるのも当たり前。プレスを放棄して総退却してしまっては、相手を呼び込むだけになってしまう。集中を切らさなかったことについては評価できるが、相当に危なかったこともまた事実。こういう時こそ3ラインをきっちり保って整然とプレーしなくてはならない。リードしたときに逃げ腰になってしまうのはこのチームの宿痾のようなものではあるが、これを克服しないと次のステップには進めない。今後は意識をより高く持って臨んでほしい。

選手寸評

DF#15 加賀健一
 スピードを生かして最終ラインを持ち場である右サイド以外にも広範囲にカバーし、何度もピンチを救った。攻撃面でも有効なフリーランとドリブル突破で何度もチャンスに絡んだ。移籍以来、最高のプレーだったと言っていい。

MF#18 芳賀博信
 適切なポジショニングと状況判断でボールを呼び込んでは的確にさばき、攻めの起点となった。つなぎの部分ではほとんどノーミスだったのではないか。スペースを突く動きも冴え、山形の左サイドを混乱に陥れ続けた。守備でも対面の選手のマーキングにとどまらず最終ラインのカバーまでこなし、運動量も最後まで落ちなかった。 

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