2009J2#26 愛媛1-2札幌@ニンジニアスタジアム

 この結果でなければ、ただの無気力ゲームだった。覇気なし、集中力なし、運動量なし。誰かに渡せばそれっきりで、ほとんどが自分のポジションから動こうとすらしない。それでいてボールを失っても木偶の坊よろしく突っ立っているだけで、次の瞬間には確実に自陣ゴール前に相手が殺到する、という有様。最終ラインにしてもカラーコーン並みの存在感で、ボールを眺めているばかりで相手を捕まえる気すら見せない。相手に質の高い技術があれば何点入っていたかわかったものではない。
 後半、石井が入って裏を狙う動きをしだしたことでクライトンの前にスペースができ、何本かいいパスが供給されたが、中山や石井に打つ気がなく、誰かを探すばかりとあっては如何ともし難い。点を取るためにやっているゲームで、そのためのアイディアを出そうとしないのをフットボーラーと称するのは無理がある。結局、点を取ったのはこぼれ球に詰める、というFWの基本に忠実なこと(それを誰もしていなかったこと自体、驚くに値するが)をした上原と、再三ゴール前への飛び出しを見せていた芳賀。ミスも多かったが、チャレンジを繰り返したことが結果につながった。これこそがチームに足りなかった姿勢だ。次からは、全員が彼の姿勢を見習わなければならない。チンタラ横パスをつないで、シュートすら打とうとしないゲームが、いかに観客にとって不毛なものであるか思い知るべきだ。勝ったからといって、この試合の内容が清算されるわけではない。今度こんなゲームをして、結果が伴わなければどうなるか。選手たちは心しておかなくてはならない。

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2009J2#25 札幌0-1水戸@札幌ドーム

 レフェリングが試合を壊したのは確かだが、ここが日本の、しかも2部であることを考えればあり得べからざることでもない。それ以前に、札幌の質が低過ぎた。例によって消極的で下らないミスを連発し、サポートや連動性が乏しく、最後の枚数も足りなかったたこともそうだが、根本的に点を取るためのビルドアップができていない。横パスやバックパスばかりでゴールに向かう怖さがないから相手が中央から動いてくれないし、サイドアタックがただの遠回りになっている。シュートを打つことを怖がっているようにしか見えない。唯一その可能性を感じさせた岡本を下げて体を張るしか能のない中山を入れたことも不可解で、実際に彼は肝心なところで信じ難いプレーを見せただけ。これ自体は驚くようなことでもないし、それなら足りない部分は多くても将来のある若い選手を使ったほうがマシだ。
 だいたい、ここ数試合は中山に放り込むことでしか相手を混乱させられていない。彼を入れるまでのビルドアップがそれだけ雑なことの証明だ。ベンチも選手もそれでいいのか。何を目指しているのか、考え直すべきだ。楽をして勝てているのならまだしも、無残な結果しか出せていないのだから、なおさらだ。
 最終ラインも集中を欠いたプレーが多く、人は見ていない、再三ボールウォッチャーになる、など散々だったし、もう一度チームを引き締める必要がある。勝つことが最大の良薬ではあろうが、今のように誰かに頼って、助けてもらおうとしているだけでは何も得られることはない。それは自分たちでつかむものだ。チームのために走る、仲間を助ける、など戦術や戦略以前の原点を思い出さなければならない。

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2009J2#24 仙台1-1札幌@宮城スタジアム

 やっと、戦う、集中するといったゲームをする上で当たり前にしなくてはならないことがある程度まで戻ってきた。結果こそ物足りないが、精神的には間違いなく次につながるだろうし、そうしないとまた無駄なゲームを過ごしただけ、ということになってしまう。
 暑さもあって、双方ともにハイプレッシャーをかけるようなことはせず、札幌は足元でつなぎながら、仙台はロングボール主体でプレーしたため、点の入りそうな雰囲気自体が少ないゲームになった。お互いのチャンスの数を見ても、このスコアは妥当なものだろう。
 ただ、札幌のベンチがミスを犯さなければ、こちらに勝ち点3が入っていたかもしれない。それは、まず3バックにしたこと。結局、失点もサイドで数的不利をつくられていいクロスを上げられ、中央でついていけなかったもの。攻めの気持ちを持たせるという意図はわからないでもないが、このコンディションでそれをすることが正しいとは思えない。それに、プレスをしないのなら人の配置である程度スペースを埋めておかなければならないのに、人数も中央に偏っていた。もう少し守りようがあったのではないか。また、持ち過ぎる上にボールロストを繰り返し、ちょっとしたコンタクトでバタバタ倒れて文句を言うなど、チームにとって害しか為さなかったクライトンを最後まで引っ張ったのも疑問。ここで有効なプレーがいくつかでも出ていれば、追加点も取れていただろうし、もっとスムーズな攻めができていたはずだ。彼が不在の間にしていた攻めの方がはるかに有効なのは明らかで、今後、クライトンにそれを納得させることができないのであれば、彼を外すべきだ。チームの将来にとって一外国人のやり方に従うのと、コンビネーションで攻めることのどちらが大事か、考えるまでもない。
 守備陣は集中はしていたが、立ち上がりに仙台がサイドバックを張り出させて間を空けようとしてきたのにまんまと引っかかり、何度か決定的なピンチを招いていた。もっと早く相手の意図を読み取り、ベンチに指示される前に対応を考えなければならない。このレベルなら集中力と闘争心(プラス相手のミス)で何とかなるが、もっと上に行きたければそういったことが必要になる。
 選手たちが、勝ちに飢えていないといえば嘘になるだろう。その気持ちを、次のゲームにぶつけなければならない。1週間後こそ、マストウィン·ゲームだ。

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2009J2#23 札幌1-1横浜FC@厚別競技場

 ノーリスク、ノーチャレンジ、ノーリターン。守備を固めた相手に対して前半の大半をそのように過ごし、ところどころ下らないミスでカウンターのチャンスを献上する。極め付きがあのPKだっただけで、そこら中に種は蒔いていたのだ。失点してからも、ボックス内に8人も9人も相手がいるのに芸もなく放り込むだけ。西嶋の上がりが得点に結びついたことが、逆に現状の問題点をあぶり出している。いくらポゼッションしていても、最後の崩しの局面では相手が予測して、対応できるプレーばかりなのだ。打つべきところで下げる、パスする…などあり得ない「予想外」は多々あるが。
 しかも、クライトンが帰ってきたら依存体質まで戻ってしまった。藤田も岡本も前が空いているのに、ダブルマークを受けているところにパスを出す。そこで間違いなくスローダウンするし、取られなくても、次のプレーの精度に影響がないわけがない。自分のアイディアよりクライトンの方が信頼できるというのなら、即刻引退した方がいい。そんな奴に未来はない。クライトン自体、自分が不在の間にチームに起こった変化を理解できていないから、パスがきても感じていない、走らない、で流れを止める局面が多々あった。本来なら、トレーニングで解消しておかなければならないことが試合で出てしまう、という事実が現状の風通しの悪さ、流れの悪さを物語っている。
 結局、言われたことをやっている「つもり」なのに結果を出せないことで気持ちが後ろ向きになり、ミスが増え、ついにはこのゲームのように集中も切らす「負のスパイラル」に陥っているのだろう。いわば昨季と同じメンタリティーだ。人間がほとんど同じなのだから、そうなることは理解できなくもない。その程度の選手しかいない、ということでもある。
 もちろん、今後も試合をする人間は同じなのだから、いつまでも「その程度」では困る。多くの選手が強い気持ちを持ち、確信を持ってプレーしていればこんなことにはならないはずだ。何年もこの世界で飯を食っている以上、「経験不足」を言い訳にできないことぐらいは理解すべきだ。経験があろうがなかろうが、できる奴はできる。いい加減、「いい時はいい、悪い時は悪い」という、このチームの悪しき体質にはおさらばしなくてはならない。それはチーム内外の自覚にかかっている。

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2009J2#22 湘南3-2札幌@平塚競技場

 弱いから負けた、それだけだ。前半は何もしていなかったにもかかわらず、逆転するや否やプレーすることをやめ、足も止め、ルーズボールに働きかけることすらせずに相手の攻めるがままになったことは心やフィジカルの弱さを端的に示しているし、毎度毎度単純なロングボールに対してまともに対応できず、人数はいるのに必ずフリーの選手が出現することは思考能力のレベルの低さを証明している。一般社会で、反省をフィードバックできずに同じミスをこれでもか、とばかりに繰り返す奴がいれば、そいつは放逐されるだけだ。札幌の選手が放逐されないのは他に人がいないからに過ぎないが、半年後にそうなっている可能性はさらに上がったことだろう。また、中山の投入によって流れは変わったが、それは「2トップ」というシステムが相手を混乱させただけで、彼がしたことは最初のボールに競りかけることでクライトンや宮澤をプロテクトしただけ。それも2点取るまでで、相手が対応してきた後はいつも通り場所を問わずレベルの低いミスを繰り返すばかり。それ自体はここまでの数年で証明され尽くしたことなのだから、こんな選手を「切り札」と恃まなければならないチームのレベル自体が(代わりを連れて来られないフロントも含めて)低いだけだ。実際、相手のCFは開幕直前にいわば拾われた選手。その選手とこちらの13番の働きを比べれば、どちらがいい選手なのかは明らかだったではないか。
 「悪い癖が出た」「次の試合に向け頑張る」-。監督のコメントを見ていると、5年前の記憶がよみがえる。このチームは再び、終着点すら定かではない「成長に伴う痛み」をサポーターに強要する気なのか。同じ過ちを何度繰り返せば気が済むというのか。プロなのだから、観客に娯楽を提供しなければならない。誰が苦痛と忍耐のためにスタジアムに足を運ぶのか。監督が本当に注意していて、それでも選手ができないのなら、その選手が誰であっても外すべきだ。他に人材が払底しているというのなら、補強するしかない。それがプロとしてチームがすべき仕事のはずだ。「金がない」「人がいない」「仕方ない」という三段論法は、もう見飽きた。これ以上こんなゲームをエンターテインメントと称して金を取って見せ続けることが、許されるはずはない。

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2009J2#21 札幌1-1徳島@厚別競技場

 負けなくてよかった―と言うほかない。良かったのは最初の15分だけ。突然足が止まってトランジションもサポートも姿を消し、ボールは落ち着かない、運べない。後ろも中盤でプレスがかかっていることを前提にした守備をそのまま続けたものだから、失った瞬間に相手がボールを入れてきた時にそこここに出現したギャップと、戻りが遅いサイドバックの裏を突かれ続けた。1失点で済んだのは最後の局面で相手がミスを繰り返したからで、運が良かっただけ。前節と同じやられ方を繰り返したのだから、教訓が全く生かされていない。前のめりになりがちなのは目指すスタイルからしてある程度許容されるべきだが、状況に応じて適度なリスクマネージメントの意識は持つ必要がある。
 中盤もダイレクトパスやクサビを意識するのはいいが、流れの悪い時間や、受け手にマークが2枚ついているところでも出すのはあまりにも幼稚だと言わざるを得ない。それが必要な局面もあるが、リードしているのだから必要がないのは明らかだ。実際、奪われてはカウンターを食らうことの繰り返し。宮澤も上里も常に同じリズムで、同じプレーをしているだけ。それでは、いい時は良くて悪い時は何もできない、今のままのレベルで終わってしまう。流れを見て、周囲を使いながらゲームをコントロールすることを覚えなくてはならない。もちろん、数人だけがそれを考えるのではなく、全員が高い意識と共通認識を持てるようになれば、より良い。
 ホームで内容も結果も伴わず、走り切ることすらできないゲームが続いているのは、競技面以外を考えても憂慮すべきだ。ホームゲームだ、ということに対するモチベーションが希薄なのではないか。そうでもなければ、こんな内容のゲームができる説明がつかない。まさか、トレーニングがハード過ぎて走れなくなったわけでもあるまい。勝敗表の上ではどこで勝とうが数字は同じだが、観客にとっては同じ価値ではない、ということをチーム全体で認識し直してほしい。

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2009J2#20 札幌1-2鳥栖@札幌ドーム

 決めるべきところで決められなかったことで、罰を受けた。また、前節同様に70分前後から急激に運動量が落ち、相手に主導権を渡してしまったことをみれば、技術も体力も足りない、つまり練習が足りない、ということになる。交代策で運動量を補強できなかったことを見れば、中盤に質と量を兼ね備えたバックアップがいない、層の薄さも露呈する形になった。
 逆に言えば、ゲームの3分の2は支配できていた。タフなプレッシングを仕掛けてくる相手でも、適切なサポートがあれば恐るるに足りない、ということを選手も実感できたのではないか。ボールサイドで小さいトライアングルをつくってボールを動かし、少し離れた、相手のいないところにフリーのポジションを取る選手が出ればそこに渡った次の瞬間には逆サイドのスペースにパスが通る。ここまでのビルドアップは見事なものだった。何度かパスが弱くて引っ掛けられる場面があったが、これは意識して改善できる部分。味方を信じて、間を通せる強さのパスを出していけばいい。それでミスが出たところで、人数がいることですぐに守備に移れるのだからリスクは高くない。また、サイドに出す時でも必ず縦パスを入れてからの展開だったので、サイドの選手が楽に受けることができていた。
 問題は、その次。いい形でサイドに出ているのに、クロスがあまりにお粗末だった。サイドに出た選手には、味方のFWの身長が3メートルぐらいあるように見えていたのではないか。得点につながったクロスは質が高かったのだから、できないわけではあるまい。受ける方もワンパターンの入り方ではいけない。いずれにせよ練習あるのみだし、正しい状況判断が必要になる部分だ。それでも、山のように決定機はあったのだから、最終的にはフィニッシャーが下手だ、ということ。立て続けに外しまくった藤田、キリノには大いに責任を感じ、鍛錬を積んでもらうしかない。
 下らないミスで失点を重ねた守備陣に関しては、明るい見通しを語るわけにはいかない。ここ数試合、ずっとそうだ。大事なところであと1歩が出ないし、マークすべき相手を簡単に離してしまう。ましてタスクが明確なはずのセットプレーでもフリーの選手がやたらと出現したとあっては、どんな言い訳も許されない。残り20分までさしたる仕事もなかったのだから、最後に最大限の集中力を発揮できないのでは前の選手に申し訳ないだろう。故障者が戻ったところで、今のレギュラー以上のプレーは望むべくもないのだから、彼らが頑張るしかない。1カ月前にはできていたのだから、今できない理由はないはずだ。
 どこかで負ける日は来るわけだし、内容もこの2試合は大幅な向上が見られる。さしたるショックはあるまい。前も後ろもすべきことをきちんと遂行すれば、結果はついてくるはずだ。あと31試合、ただ勝つためにプレーしていくしかない。それだけだ。

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2009J2#19 栃木0-1札幌@熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

 立ち上がりから素早いネガティヴ・トランジションを繰り返して相手に蹴る以外のプレー選択の余地を与えず、奪ってからも適切なサポートでトライアングルを形成してボールを動かしゴールに迫る。ここ最近の内容や結果のモヤモヤを払拭したい―という気持ちを存分に見せてくれた。再三バーに阻まれる不運がなければ、スコアの上でも文句なしだっただろう。
 また、クライトンがいないことで無理に中央を経由する必要がなくなってサイドチェンジが増え、さらに各自がアイディアを発揮しようとしたので逆に配球の種類や選手の動きが多様になり、最近冴えなかったキリノや藤田も、動き出すためのスペースやタイミングが増えたことで生き生きとプレーできていた。それによってさらにほかの選手の使えるスペースができ、さらに攻めの厚みが増す、まさに好循環が生まれた。
 交代策も適切だった。後半入った西が幅広く動いてボールを引き出してゲームをコントロールし、(出した後に走らない悪癖が顔を覗かせもしたが)1列上がった宮澤のキープや配球も効果的で、ボールを動かしながら保持できたことで上里や西嶋まで高い位置でのビルドアップに参加する時間ができ、バルセロナかと見まがうような素晴らしいパス交換からの崩しも見せた。ラストパスの質が高ければ、もっと楽な展開にできたはずで、受け手の動き、キックの精度ともに高めていく必要がある。
 終盤に足が止まり、相手にペースを握られる時間帯が続いたのは休養に2日の差があることを考えれば致し方ない。そんな中でも前に運んで深い位置で時間を使おう、という意識は見られたので過去の教訓は生かされているのだろう。ただ、後ろの選手が厳しい状態のボールを無理に生かそうとして相手に当てたり、奪われたりしてピンチを招いていたのはいただけない。変哲もないロングボールなのに相手を放していたり、セカンドボールへのプレッシャーが甘く簡単にミドルシュートを打たせたりと、状況を弁えないプレーも目立った。相手の技術の低さを喜んでいるだけでは先はない。常にボールを持てるわけではないのだから、相手ボールの時に何をするのか、ということも共通認識として持っておかなくてはならない。
 最低でもあと2試合、クライトン不在のゲームは続く。この数試合、自分たちに何が足りなかったのか、という自覚があったからこそ、この日のようなゲームができたのだろう。それを忘れることなく次以降に臨んでほしいし、クライトンが帰ってきてからも彼に遠慮することなく、このゲームのように各々がアイディアを出し、クライトンを利用できるような試合運びができればいい。彼に頼り切るだけの幼いチームのままか、彼を利用し切れる成熟したチームになるか―。次からの数試合は、その境目になるだろう。

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